東京五輪ベスト8敗退の結果を受け、インスタグラムで持論を展開

 なでしこジャパン(日本女子代表)は7月30日、東京五輪女子サッカーの準々決勝スウェーデン戦に1-3で敗れ、ベスト8で姿を消した。2011年のドイツ女子ワールドカップ(W杯)の優勝から10年、当時の世界一メンバーであるDF近賀ゆかり(サンフレッチェ広島レジーナ)は自身のインスタグラムで、女子サッカーが直面する“危機”について思いを綴っている。

 グループEの3位で準々決勝に進んだ日本は前半7分、コーナーキックの二次攻撃から失点。そこから盛り返して、同23分にMF長谷川唯のクロスにFW田中美南が合わせて同点とした。さらに、前半30分に田中がスウェーデンDFアマンダ・イレステトに倒されてPKを獲得したが、VARの進言と映像確認で取り消しになり、1-1のまま前半を終えた。

 ただ、後半に入ると徐々に力の差を見せられる展開に。後半8分にDF清水梨紗が裏を取られ、スウェーデンFWスティーナ・ブラックステニウスにニアサイドに強烈なシュートを打ちこまれて勝ち越し点を献上。さらに、後半22分にMF三浦成美がVAR確認の末にハンド判定となり、PKを与えて3点目を許して勝負は決した。

 主要国際大会では19年の女子ワールドカップ(W杯)に続いて、決勝トーナメントでの初戦敗退という結果に終わった日本。2011年の女子W杯優勝メンバーで、12年のロンドン五輪銀メダル、15年のW杯準優勝を経験している近賀ゆかりは、インスタグラムで「なでしこジャパンのみなさん、東京オリンピック2020お疲れ様でした」と自国開催のプレッシャーと戦い続けた選手たちを労いつつ、今大会の結果について持論を展開した。

「ベスト8敗退という結果に対して選手それぞれの気持ちがあると思います。それと同時に応援して頂いた方々、スポンサーの皆様、関係者などたくさんの方々の意見や気持ちがあると思います。その中には良いものもあれば、厳しい意見があるのは当然のことです。チームが強くなる為には、個の成長が必ず必要だと思います、それと共にチームとしてグループとして成長もないと本当の意味で強くて勝てるチームにはなれないのではないかと思いました。

 これを考えた時に数年前の男子代表で取り上げられた『自分たちのサッカー』という言葉が浮かびました。あそこから男子代表は世界で闘う為に世代を越えて男子サッカーグループとして大きく変化しているのではないかと感じています。個が成長して、チームになった時にグループとして力を発揮する。現在のオリンピック代表やA代表は観ていて楽しいサッカーだし、世界とも闘える感じがしてワクワクします。それでも世界の強豪とは差があるのかもしれないけど、そこへの挑戦の階段は確実に登っているように私には見えます」

「10年前のW杯優勝という出来事はブームとして終わってしまった」

 そして、近賀はベスト4進出を勝ち取った男子代表との現状の“差”を指摘しつつ、女子サッカー界の課題、そして今秋にスタートする日本女子サッカー初のプロリーグ「WEリーグ」への思いを綴っている。

「ここで感じたことは、10年前のW杯優勝という出来事はブームとして終わってしまったということです。これは女子サッカーの歴史の一部でシドニー五輪に行けなかったり、アテネ五輪への切符を獲得するための国立での戦い、W杯優勝、ロンドン五輪銀メダル、リオ五輪予選の敗退、東京五輪ベスト8など、これら全てを踏まえた上でこれからのことを考えていくことが大事だと私は思います。

 選手のみなさん、代表選手も代表選手以外の全ての選手に伝えたいことがあります。おそらく日本の女子サッカーはピンチです。批判や厳しいことを言われることがピンチなのではなく、興味を持ってもらえなくなっていることが何よりもピンチです。ただ、ここでこんなネガティブなことを伝えたいのではなく、、逆境に団結して立ち向かっていこう!! ということです。これはなでしこ・女子サッカーの良さではないでしょうか? 有難いことに日本女子サッカー初のプロリーグWE Leagueがスタートし、なでしこリーグも高いレベルを保ちながら行われています。海外にいる選手もここに所属する選手もそれ以外の皆さんもみんなの力で何倍にも大きな大きなグループして、サッカーに興味ある・なし関係なく日本のたくさんの人に応援したくなるスポーツにしていく努力をしていきましょう!!」

 そして、近賀が最後に、ファン・サポーター、関係者に対して、「厚かましいお願いかもしれませんが」と断ったうえで、引き続きのサポートを呼び掛けている。

「皆さんの協力無しにはこのグループが大きく成長することは出来ません。どうか女子サッカーの灯が消えることなく、コロナ禍の大変な時代を明るい方向に導く灯になっていき、将来日本のみなさんを明るく照らす陽になれることを願っています」

 なでしこジャパン、そして女子サッカーが新たな一歩を踏み出すためには、全員が力を合わせていくことの必要性を訴えていた。

Football ZONE web編集部