ノーブルの緊急投入が裏目に…ユナイテッド戦の“モイーズ采配”がやり玉に

 ウェストハムのデイビッド・モイーズ監督は古巣対決となった19日のマンチェスター・ユナイテッド戦(1-2)の試合終了間際にMFマーク・ノーブルをPKキッカーとして緊急投入したが、ノーブルのキックはGKのダビド・デ・ヘアにストップされ、同点とするチャンスを逃した。そんななか、PK要員としてノーブルを起用したモイーズ監督の采配が議論の対象となっている。

 ウェストハムがユナイテッドをホームに迎えた一戦は、互いに拮抗した好ゲームとなった。前半30分、ウェストハムがアルジェリア代表MFサイード・ベンラーマのゴールで先制するも、その4分後にユナイテッドFWクリスティアーノ・ロナウドの同点ゴールを決める。さらに、終了間際の後半44分には、途中出場のイングランド代表MFジェシー・リンガードがミドルシュートを叩き込み、ユナイテッドが勝ち越しに成功。昨季ウェストハムへ期限付き移籍して活躍した28歳が古巣相手に値千金の一撃を決めた。

 しかし、試合はそれだけでは終わらなかった。後半アディショナルタイムの目安3分台に入ろうとしたところで、ウェストハムMFアンドリー・ヤルモレンコのクロスがエリア内のDFルーク・ショーの手にヒット。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入し、オンフィールド・レビューが行われた末にPKの判定となった。

 すると、このタイミングでウェストハムのモイーズ監督は34歳のノーブルをピッチに投入。高いPK成功率を誇るノーブルがそのままキッカーを務めた。しかし、ゴール右を狙ったノーブルのキックはデ・ヘアが読み切ってセーブ。ウェストハムは同点のチャンスを逃し、1-2で敗れる結果となった。

 英衛星放送「スカイ・スポーツ」のツイッターによれば、“PK職人”のノーブルは直近の10回のPKをすべて成功させており、PK失敗が2016年12月以来約5年ぶりとなった。また、一方でPKはあまり得意でないデ・ヘアはプレミアリーグで21本連続でPKを決められており、2014年10月以来約7年ぶりのPKストップとなった。データ上はノーブルにPKを託した決断が理にかなったものにも思えるが、現地の解説者たちはアップなしでの緊急投入には否定的なようだ。

「スカイ・スポーツ」で解説を務める元マンチェスター・ユナイテッドのロイ・キーン氏は「(PKは)94分の出来事で、彼はウォームアップをしていなかった。石のように冷え切っていただろう。ひどい判断だ」とモイーズ監督の采配に苦言を呈した。

 これと似た意見を発しているのがJリーグの名古屋グランパスでもプレー経験のある元イングランド代表FWギャリー・リネカー氏だ。同氏はツイッターで「私には決して理解できない決断だ。ノーブルは経験豊富でPKが得意なキッカーとはいえ、ボールも触っていないなかでPKを蹴るためだけに起用するのは不可解。EUROでのイングランドと同じだ」とやはりノーブルの緊急投入を批判していた。

Football ZONE web編集部