ベルギーの鈴木優磨、強烈な自己主張はストライカーの美徳

 日本代表は12日、埼玉スタジアムでカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4節オーストラリア戦に臨み、後半41分のオウンゴールによる決勝点で2-1と勝利した。最終予選4試合で2勝2敗と星を戻した日本だが、日本在住のオーストラリア人ジャーナリスト、スコット・マッキンタイヤー氏は「Football ZONE web」のインタビューで、森保一監督の手腕に疑問符。「森保監督を更迭して、外国人監督を招聘してもいい」と持論を展開している。

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 日本代表は最終予選でここまで2勝2敗ですが、1勝のうちのオーストラリア戦は相手が全体的に低調でした。個人タレントの能力でかなりの差がありましたが、日本の2得点はいずれもミスから。そんな相手になんとか勝てたという状況です。

 今回のチームは起用法と人選に疑問があります。久保建英、堂安律という東京五輪で活躍した前線のタレントを怪我で欠いていました。そんな状況で、最も脅威になりそうな選手がベンチにいました。セルティックの古橋亨梧です。サウジアラビア戦、そしてオーストラリア戦もベンチスタートでした。

 なぜチームのベストプレイヤーを先発させないのか。監督の大迫勇也へのこだわり、故障などの問題もあったのかもしれませんが、途中出場はしているわけです。最もエキサイティングな選手をわざわざ招集しているのなら、なぜ起用しないのか。

 なぜベルギーの鈴木優磨を招集しないのか。強烈な自己主張はストライカーのトッププライオリティーで、むしろ美徳だと思います。完璧じゃないですか。

 この人選にも監督のアプローチを感じます。すべてが安全第一。いかにして負けないか、というメンタリティをピッチ上のパフォーマンスから感じる。勝利をひたすら目指すというより、いかにして敗北を回避するのか…。

攻撃性や魅力の乏しいサッカーでW杯出場を目指し、満足してしまうのか

 中盤の枚数を増やして、チームは確かに安定した。田中碧は素晴らしいプレーを見せたが、それでも不振の相手にホームの観衆のサポートを受けながら、なんとか勝ったという現実は変わらない。

 虎は縞模様を変えられない、という言い伝えがあります。人間の本質は変わらないということですが、森保監督もまさにそう。サンフレッチェ広島時代もそうでしたが、これが彼の哲学で、安全を求める本質が一貫している。

 これは日本サッカー協会(JFA)の問題です。攻撃性や魅力の乏しいサッカーでW杯本大会出場を目指し、それに満足してしまうのか。あるいはW杯で初の8強以上を目指すのか。日本のサポーターが現状で幸せなのか、鑑みる必要があると思います。

 2勝のうち、1勝は幸運の産物。日本の過去3戦と比較して、インテンシティーの部分は向上しましたが、安全第一のフィロソフィーはにじんでいます。

 フットボールはその国の社会を映す鏡だと思います。日本の社会と言えば、個人的にはエキサイティングで、みんなエンターテインメントや楽しいことが好き。それなのに、今の日本代表のイメージと言えば安全第一で、規律や組織、戦術的にいかにコントロールされているのか。

 監督続投を明言した田嶋幸三会長ですが、個人的にはこの時点で森保監督を更迭して、外国人監督を招聘してもいい。攻撃的なフィロソフィーやメンタリティの持ち主。選手と友人である必要はない。冷静にベストなチョイスするために、選手との関係値を作らないタイプでもいいでしょう。最も重要な部分はピッチ上で何を表現するか、なのですから。

Football ZONE web編集部