カズがポルトガルから帰国

 ポルトガル2部UDオリヴェイレンセのFW三浦知良は5月21日に帰国し、羽田空港で取材に応じた。ポルトガルで約1年5か月間に及ぶサッカー生活を過ごしたなか、「毎朝起きるたびに、これ練習できるのかなと思うくらい…身体が痛かったり、動かなかったりした」と、57歳で臨んだ海外挑戦に本音を吐露している。

 J2横浜FCからJFL鈴鹿ポイントゲッターズ(現アトレチコ鈴鹿クラブ)への期限付き移籍を経て、昨年2月からオリヴェイレンセへと活躍の場を移した。当社は約半年間の短期契約だったが、新契約を結び、最終的には約1年5か月間にわたって在籍することに。公式戦は6試合出場にとどまった一方、ポルトガル歴代最年長出場記録を樹立した。

 最終戦の出場から2日後に日本へと帰国。羽田空港で囲み取材に応じたカズは、ポルトガルでのサッカー生活について「悔しさがほとんど。プロとして結果を出せなかった」と自らを厳しく評価した一方で、57歳の身体に鞭を打って臨んだ挑戦に本音も覗かせている。

「毎朝起きるたびに、これ練習できるのかなと思うくらい身体が痛かったり、動かなかったりした。大体朝の6時から6時半には起きて、9時に集合で10時から練習だった。7時半から8時過ぎには身体の痛みもなくなってくるのだけれど、起きた瞬間は、本当に大丈夫かなと思う日々だった」

 昨年12月にはオリヴェイレンセで監督交代があり、新体制となったが、「新しい監督がポルトガル1部、2部の中で一番キツい練習をする監督が就任したので、ユースの選手と勘違いしてるんじゃないかなと思うくらい『ミウラ、走れ! もっと速く走れ!』と言われてましたね」と、年齢や身体能力は一切関係なく、若手と同様に過酷なトレーニングを積んだ。

 そんな厳しい環境にも「とにかく必死になって自分の100%を出して、紅白戦で自信を掴んだり、次戦はいけるかもと期待したり、そういう日々が楽しくて、幸せだったなと。そんな自分に酔っていたりもしたんでしょうね(笑)」と笑顔で振り返っていた。ポルトガルでの挑戦は終焉を迎えることになりそうだが、57歳で掴んだ経験はたしかな財産となるはずだ。

生島洋介