ベスト11は優勝した浦和から5人、2位INACから3人が選出

 日本女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」は6月7日に東京都内でシーズン表彰式にあたる「2023-24 WE LEAGUE AWARDS」を実施。ベストイレブンに選出された選手たちは、3年目を終えたリーグ戦で各チームがバリエーション豊かな戦い方や対策を取るようになったことでのレベルアップを実感しているという。

 今季のWEリーグは三菱重工浦和レッズレディースがリーグ22試合で18勝3分1敗の勝ち点57で頂点に立った。2試合を残してタイトルを決める盤石な戦いぶりを見せたチームからは、ベストイレブンにDF石川璃音、DF遠藤優、キャプテンのMF柴田華絵、MF塩越柚歩、10試合連続ゴールを含む20得点で得点王のFW清家貴子が選出された。

 また、リーグ2位で皇后杯を優勝したINAC神戸レオネッサからは、海外移籍が発表されたばかりのGK山下杏也加、DF北川ひかる、FW田中美南が受賞。リーグ3位の日テレ・東京ベレーザからはMF木下桃香とFW藤野あおばが受賞。WEリーグカップを制したサンフレッチェ広島レジーナからはFW上野真美が選出された。

 WEリーグ開幕前から長年トップカテゴリーでプレーする柴田は、「選手個々のレベルが上がっているのはもちろん、なでしこリーグの時とは違ってフォーメーションを試合ごとに変えるようなバリエーションも出てきた」と話す。塩越も「昨シーズンに優勝して、今シーズンは対策されていると感じた。サッカーのバリエーションが増えてレベルが上がったと感じた」という実感を口にした。

 また、藤野も「リーグ全体にどこが対戦しても勝敗やスコアが読み取れない部分が生まれてきたと思う。3バックや4バック、5バックも、多様なフォーメーションを利用することで相手に対してもそうだし、選手も適材適所でプレーすることで個性や特徴を生かしたサッカーができる。リーグ全体の競争力が上がった要因だと思う」と話した。

INAC田中は「このチームのこういうところが嫌だというのが各チームにある」と言及

 なでしこリーグ時代は大半のチームが4-4-2を採用し、ブロックを組んだ守備から前線に素早く渡すサッカーが目立った。しかし今季を見れば、ベレーザやINACといった上位クラブが3バックを採用して相手と噛み合わせをズラしてボールを運ぶようになった。

 浦和も4バックではあるもののポジショナルプレーの要素を持ち、押し込んだ状態を作ってからは即時奪回を図るモダンな戦術でプレーし、アジア女子クラブ選手権で対戦した韓国の仁川現代レッドエンジェルスの監督からは「日本サッカーとヨーロッパサッカーを融合させたようなチーム」と評された。

 INACは今季リーグ最少失点の2位だったが、田中は「結果的に下位と勝ち点差はできたけど、毎試合どうなるか分からない。このチームのこういうところが嫌だというのが各チームにある」と話し、北川も「3バックや4バックも戦術で変わるし、今シーズンはバリエーションが多かった」と話した。

 もちろん、個々の選手が発揮する能力はサッカーの基本になってくるが、それだけでなく対戦型ゲームとしての駆け引きや戦術の要素もサッカーの魅力の1つ。ピッチ上の選手たちからも、そうした要素の進化が感じられるWEリーグの3シーズンになっていたようだ。

FOOTBALL ZONE編集部