DFデイヴィスの将来に大きく関わるか

 日本代表DF伊藤洋輝のドイツ1部バイエルン・ミュンヘン完全移籍が決まった。センターバック(CB)と左サイドバック(SB)をカバーするユーティリティーな伊藤の存在は、バイエルンの主力選手の去就にも影響を与えることになりそうだ。

 シュツットガルトの不動のレギュラーとして活躍した伊藤はイングランド1部トッテナムからの関心も伝えられていたなかで、ドイツ屈指の名門への移籍が決定。FW宇佐美貴史、DF福井太智に続く、日本人として3人目の同クラブ移籍となる。

 今季のバイエルンはブンデスリーガで3位に終わり、リーグ連覇が「11」でストップ。新シーズンに向けて守備の立て直しが急務とされ、最終ラインの補強に積極的に動いているとされる。CBは伊藤の他にも王者レバークーゼンのドイツ代表DFヨナタン・ターの獲得も噂されていた。

 そして左SBでは、カナダ代表DFアルフォンソ・デイヴィスの去就が注目される。残り1年となった契約の延長に向けて交渉中だが、デイヴィス側が高額年俸を要求していることもあって話し合いは進展していない。同選手にはスペイン1部レアル・マドリードからの関心が伝えられているなかで、バイエルンとしては今夏中に契約延長するか、売却するかの2択だと考えられていた。

 そうしたなかで、ドイツ紙「キッカー」は「バイエルンはデイヴィスについてリラックスしている」と伝えた。デイヴィスとの契約延長が上手くいっていない状況に対してもクラブは焦りを見せていないようで、その理由はCBだけでなく左SBもカバーできる伊藤の加入が関係しているという。デイヴィスがこのまま契約最終年を迎え、来夏にフリートランスファーで退団する流れも「第3の選択肢」になったと伝えている。

 これを受け、ドイツ「Wetterauer Zeitung」紙も「伊藤との契約はバイエルンにデイヴィスとの交渉におけるアドバンテージをもたらした」と報じている。デイヴィスの動向次第ではクラブが戦力的にも財政的にも打撃を受ける可能性があったが、伊藤の存在によって楽観視することができているようだ。

FOOTBALL ZONE編集部