マンCがアーセナルに与えた特大ダメージ。首位奪還へ、デ・ブライネの復調が追い風に

マンCがアーセナルに与えた特大ダメージ。首位奪還へ、デ・ブライネの復調が追い風に

力の差が明らかとなった上位対決

 現地時間3日に行われたプレミアリーグ第25節、マンチェスター・シティ対アーセナルの一戦は3-1でホームチームが勝利している。マンチェスター・Cは終始アーセナルを圧倒し、後半はシュートを1本も許さないなど完璧なゲーム運びを見せた。チームとして大きな意味のある勝ち点3獲得となったが、ケビン・デ・ブライネの復調も首位奪還への追い風となりそうだ。(文:小澤祐作)

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 力の差がこれほど如実に表れた90分間は珍しいのではないだろうか。それも、“ビッグ6”の2クラブによる上位対決において。

 チャンピオンズリーグ出場権獲得を目指すアーセナルは、プレミアリーグ2位につけるマンチェスター・シティとアウェイで激突。しかし、攻守両面で後手に回り、エティハド・スタジアムで無残に散ってしまった。

 前半開始早々、自陣深い位置でアレックス・イウォビがアイメリック・ラポルトにボールを奪われると、そのままクロスまで持っていかれた。最後はゴール前にポジショニングしていたセルヒオ・アグエロに頭で押し込まれ、わずか1分で先制ゴールを献上してしまった。

 最悪の入りを見せてしまったアーセナルだったが、その10分後、CKから同点に追いつくことに成功した。その後はマンチェスター・Cのペースでゲームが進んでいったが、アウェイチームの守備陣は中央をしっかりと固め、ことごとく相手の攻撃を跳ね返す。次第にカウンターからチャンスも作れるようになるなど、前半の半ばまでは悪くない試合運びを見せていた。

 しかし、44分だった。フェルナンジーニョが中央から左サイドのラヒーム・スターリングへ長いパスを送る。ボールを受けた背番号7はツータッチ目でイルカイ・ギュンドアンへマイナスのパスを出すと、そのままPA内に侵入し、リターンパスを受ける。スターリングはダイレクトで中央へ折り返し、アグエロがこれを押し込んだ。

 ギュンドアン→スターリング→アグエロと繋がったパスは、すべてワンタッチ。この流れるような崩しに対して、アーセナルは何もできなかった。アウェイチームはこれで前半を1-2で終えることになったが、徐々にリズムを掴めていただけに、2失点目はかなりの大ダメージだった。

迷いのないマンCのパスワーク

 後半に入ってもマンチェスター・Cのペースで試合は進む。ホームチームはカイル・ウォーカー、フェルナンジーニョ、ラポルト、ニコラス・オタメンディが4バックを組んだが、攻撃時はフェルナンジーニョがボランチの位置でプレーするため、事実上の3バックで戦っていた。

 一方アーセナルはアレクサンドル・ラカゼットとピエール=エメリク・オーバメヤンが2トップを組んでいたが、マンチェスター・Cは実質3バックのため、前線は数的不利な状況だった。

 そのため、ホームチームが最終ラインでボールを回していても十分なプレスを与えることができず、後ろに構えるしかなかった。そうすると必然的にラカゼットとオーバメヤンの2人はポジションがやや低めになってしまい、効果的なカウンターもうまく決まらない。中盤でようやくルーカス・トレイラやマテオ・ゲンドゥージがプレッシャーをかけに行くが、迷いのないマンチェスター・Cのボール回しに対しそれらはすべて空回りする形となってしまった。

 そのような状況が続き、アーセナルはただただホームチームの多彩な攻撃に耐えるしかなかった。

 完全にリズムを掴んだマンチェスター・Cの攻撃は非常に美しく、GKベルント・レノを何度か急襲した。スターリングとアグエロの距離感、そして連係もよく、エクトル・ベジェリンの負傷によって懸念されていたアーセナルの右サイドをうまく使う。そこへ中盤のギュンドアンやダビド・シルバが加わることによって、厚みのある崩しを見せられていた。

 反対サイドでは主にベルナルド・シルバとケビン・デ・ブライネが崩しの起点となる。この2人はスタートポジションに固定されることなく、流動的に位置を変えながらアーセナルの守備陣を混乱させた。左利きのB・シルバはカットインからシュートに持ち込むことができ、右利きのデ・ブライネは右サイドに流れれば鋭いクロスを上げられる。同サイドでの崩し方はかなり多彩だった。

内容面で圧倒され、怪我人も…

 そんなマンチェスター・Cの攻撃陣に対し、ギリギリで耐えていたアーセナルだったが、61分、ついに決定的な3点目を奪われた。

 左サイドでボールを受けたスターリングがマークに付いていたイウォビを剥がすと、スピードを上げたままPA内へ侵入。最後はグラウンダーのクロスを中央へ送ると、これに反応したアグエロが再び押し込んだ。

 この時点で試合は残り30分ほどあったが、内容面で考えるとアーセナルが2点差を追いつくことは不可能に近かった。残念ながら、勝負はこの3点目で決まったといっても過言ではないだろう。

 わずかな希望を信じて戦うアウェイチームはアーロン・ラムジー、そしてバルセロナより加入したデニス・スアレスら攻撃的な選手をピッチに送り込んだが、マンチェスター・Cを前にそれらの交代策もすべて「無」と化してしまった。

 試合終盤にはシュコドラン・ムスタフィが負傷交代を余儀なくされるなど、チームにとって最悪の事態が起こった。ソクラティス・パパスタソプーロス、ロブ・ホールディング、ベジェリンと最終ラインに怪我人が続出している現在のアーセナルにおいて、ドイツ人CBまで失うのはかなりの痛手だ。内容でも圧倒され、ここにきてもう一人最終ラインから怪我人が発生。まさに泣きっ面に蜂だ。

 そして、アーセナルはマンチェスター・Cに特大ダメージを与えられたまま試合終了のホイッスルを聞くこととなった。90分間ゲームを支配されたが、後半はとくにチームとして完全に無力化され、シュート数はなんと0本に抑えられた。文字通りの「完敗」である。

 さらに同日に行われていたレスター対マンチェスター・ユナイテッドの一戦で後者が勝利したため、アーセナルは順位を一つ下げ6位となった。CL出場権獲得へ向け、様々な意味で不安の残る一戦となってしまった。

大きかったデ・ブライネの働き

 プレミアリーグ首位を走るリバプールに最後までプレッシャーを与えたいマンチェスター・Cにとってはこれ以上ない完璧な勝利となった。前節ニューカッスルにまさかの敗戦を喫したショックを引きずらずに得た勝ち点3は非常に大きいと言えるだろう。

 そしてもう一つポジティブな要素を挙げるとすればケビン・デ・ブライネがトップコンディションに戻りつつあることだ。

 シーズン序盤を負傷により棒に振ってしまった背番号17。昨年12月頃から戦列に復帰してはいるが、今季リーグ戦においてフル出場は1回のみとなっているなど、まだ本調子でないことは明らかだ。

 しかし、アーセナル戦で発揮したパフォーマンスは復調の兆しを十分に感じさせた。

 同選手はインサイドハーフの位置で先発したが、先述した通りB・シルバと果敢にポジションを入れ替えるなど攻撃面でその存在感をアピール。サイドから相手守備陣が反応できない正確で鋭いクロスを何本も供給するなど、多彩なキックで違いを生んでいた。

 攻撃時の同選手は主に相手の最終ラインとボランチの間にポジショニングし、パスを呼び込もうとしていた。だが、デ・ブライネにはゲンドゥージがマークに張り付いており、試合序盤はそうした対応に苦戦していた印象だ。

 しかしチームが攻撃のリズムを掴み始めると、背番号17も徐々に存在感を発揮。チームが長いボールを織り交ぜながらアーセナルの守備陣を左右に揺さぶるため、次第にゲンドゥージのマークが遅れてくる。その隙を突いたデ・ブライネは相手の背後へ走り込み、パスを呼び込んではクロスやシュートまで持っていく役割を完遂した。アーセナルの守備はこの動きを捕まえることができていなかったのだ。

 また、チームがアーセナル守備陣を深い位置まで押し込み、何名かの選手がPA内へ侵入していく傍ら、デ・ブライネは相手の動きを見定め、PA内手前にポジショニング。完全フリーとなることに成功し、そうした形から何度かシュートへ持ち込んだ。50分のシーンは、まさにその典型的な例だ。

 事実、この日デ・ブライネは全体トップとなるシュート数5本を記録。得点こそ生まれなかったが、攻撃面での存在はかなり光った。

 首位奪還を目指すマンチェスター・Cにおいてデ・ブライネの復調は追い風となるはずだ。アーセナル戦でリーグ4試合連続出場となっており、今後さらにコンディションを上げていくはず。これからのプレーにも注目したい。

(文:小澤祐作)


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