レアル、新戦力が軒並み負傷で評価は上がらず。それでも追い風となるハメス&ベイルの復調【欧州主要クラブ補強診断(1)】

レアル、新戦力が軒並み負傷で評価は上がらず。それでも追い風となるハメス&ベイルの復調【欧州主要クラブ補強診断(1)】

新戦力が負傷で出遅れ。評価は伸びず

 2019/20シーズンは、夏の移籍市場が終了した。この夏も各チームで様々な移籍があったが、それぞれ主要クラブの動きはどうだったのだろうか。今回はレアル・マドリーの補強を読み解く。(文:編集部)

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 2度の監督交代を行うなど不安定さが目立ち、まさかの無冠に終わった昨季のレアル・マドリー。絶対エースであったFWクリスティアーノ・ロナウドが抜けた2018/19シーズンは同クラブにとってある意味で真価が問われるものとなっていたが、残念ながら満足いく1年にすることができなかった。

 迎えた今シーズン。マドリーはタイトル奪還へ向け、夏の移籍市場でかなり積極的に動いた。補強総額は、なんと3億750万ユーロ(約367億3000万円)。これは、今夏の移籍市場において最も高額なものになっている。

 中でも目玉となったのが、チェルシーから獲得したFWエデン・アザールだろう。マドリーはこの世界屈指のドリブラーとも称される同選手をおよそ1億ユーロ(約130億円)にプラス2000万ユーロ(約26億円)のボーナス、合計1億2000万ユーロ(約156億円)という巨額な移籍金で獲得。マドリーの新エースとして期待されているのは間違いなく、タイプなどは異なるがC・ロナウドの抜けた穴を埋めるほどの活躍が求められるだろう。チェルシーやベルギー代表で残してきた功績が大きいだけに、その分期待値も高くなるはずだ。

 また、マドリーはフランクフルトでブレイクを果たしたFWルカ・ヨビッチやブラジル代表DFのエデル・ミリトン、リヨンでの活躍が印象的であったDFフェルラン・メンディなど数多くの実力者を補強。MFポール・ポグバやMFクリスティアン・エリクセン、MFドニー・ファン・デ・ベークらの獲得は実現しなかったが、基本的に若く、将来性のある選手を加えることには成功した。

 ただ、現時点で補強評価を高くすることはできない。というのも、アザールを始めヨビッチ、F・メンディ、FWロドリゴ・ゴエスら新戦力がシーズン早々に負傷し、まだその効果というものを発揮できていないからである。現地時間14日に行われたリーガ・エスパニョーラ第4節のレバンテ戦でアザールやロドリゴらはベンチ入りを果たしていたものの、やはり出遅れた感は否めず。選手層を厚くしたことは評価できるが、夏にあれだけの金額を支払っておきながら、新加入選手があまり戦力となれていないのはマドリーにとってダメージが大きいだろう。

 また、最大の不安はMFカゼミーロのバックアッパーの不在だ。このブラジル代表MFはマドリーの特に守備面において絶大な貢献度を誇っており、この男がいるといないとではまるで別のチームになってしまう。それはインターナショナル・チャンピオンズカップ(ICC)でも明らかとなっていた。この辺りの人員を確保できなかったのも、マドリーとしては痛いのかもしれない。

 その中で追い風となりそうなのが、今夏に放出されることが濃厚と思われていたFWガレス・ベイルとMFハメス・ロドリゲスが好調であるということ。前者は現在リーグ戦3試合で2得点、後者はリーグ戦2試合出場で得点はないものの、試合の中でのパフォーマンスは決して悪くない。新戦力が負傷で出遅れている中、こうした選手が調子を上げてきたという事実は、マドリーにとって大きいのかもしれない。

補強・総合力診断

IN
GK アルフォンス・アレオラ(パリ・サンジェルマン/期限付き移籍)
GK アンドリー・ルニン(レガネス/期限付き移籍期間満了)
DF エデル・ミリトン(ポルト)
DF フェルラン・メンディ(リヨン)
DF テオ・エルナンデス(レアル・ソシエダ/期限付き移籍期間満了)
MF ルーカス・シウバ(クルゼイロ/期限付き移籍期間満了)
MF ハメス・ロドリゲス(バイエルン・ミュンヘン/期限付き移籍期間満了)
MF アルベルト・ソロ(サラゴサ)
MF 久保建英(FC東京)
FW ロドリゴ・ゴエス(サントス)
FW ルカ・ヨビッチ(フランクフルト)
FW エデン・アザール(チェルシー)
FW ラウール・デ・トマス(ラージョ・バジェカーノ/期限付き移籍期間満了)
FW マルティン・ウーデゴーア(フィテッセ/期限付き移籍期間満了)
FW ボルハ・マジョラル(レバンテ/期限付き移籍期間満了)

OUT
GK ケイラー・ナバス(パリ・サンジェルマン)
GK アンドリー・ルニン(バジャドリー/期限付き移籍)
GK リュカ・ジダン(ラシン・サンタンデール/期限付き移籍)
DF ヘスス・バジェホ(ウォルバーハンプトン/期限付き移籍)
DF テオ・エルナンデス(ミラン)
DF ハビ・サンチェス(バジャドリー/期限付き移籍)
DF セルヒオ・レギロン(セビージャ/期限付き移籍)
MF マテオ・コバチッチ(チェルシー/期限付き移籍期間満了→完全移籍)
MF ダニ・セバージョス(アーセナル/期限付き移籍)
MF マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリー)
MF 久保建英(マジョルカ/期限付き移籍)
MF アルベルト・ソロ(サラゴサ/期限付き移籍)
MF ルーカス・シウバ(未定)
FW マルティン・ウーデゴーア(レアル・ソシエダ/期限付き移籍)
FW ラウール・デ・トマス(ベンフィカ)
FW ボルハ・マジョラル(レバンテ/期限付き移籍)
FW ホルヘ・デ・フルトス(バジャドリー/期限付き移籍)

補強評価:D

 アザールやヨビッチら実力者を数多く揃えたものの、新加入選手がシーズン序盤に軒並み負傷離脱。既存選手に比べると出遅れた印象は否めず、未だチームにとって効果的なものとなることができていない。もちろん選手層に厚みを加えることはできているが、やはりスタメンで力を発揮してほしいところ。今後、これらの選手たちが力を示すことができれば当然ながら評価も上がるが、今はD評価に留めておきたい。

総合評価:B

 新加入選手は出遅れたが、昨季の主力選手はおおむね残留を果たしており、層は2018/19シーズンと比べても厚くなったと言えるだろう。また、放出濃厚と思われていたハメス・ロドリゲスとガレス・ベイルの復調も追い風となるはずで、攻撃陣はやはり豪華と言える。不安はカゼミーロのバックアッパー不在。ブラジル人MFの負担を減らすためにも解決策を見出したいところだが、ここはジネディーヌ・ジダン監督の手腕が試されることとなりそうだ。

(文:編集部)


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