GK

 日本代表MF中島翔哉が所属するポルトは昨季、国内リーグと国内カップ戦の二冠を達成した。セルジオ・コンセイソン監督が就任して4シーズン目の今季はタイトル獲得に貢献してきた主力が数多く退団し、戦力ダウンも懸念される。そんな状態の現在のポルトではどんな選手たちが活躍しているのだろうか。最新スターティングメンバー11人を、フォーメーションとともに紹介する(直近数試合のメンバーとフォーメーションを元に作成)。

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アグスティン・マルチェシン(アルゼンチン代表/背番号1)
生年月日:1988年3月16日(32歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/7失点

 心臓に問題を抱えていたイケル・カシージャスに復帰の見込みが立たなくなり、昨季開幕前にメキシコのクラブ・アメリカから獲得された。31歳での欧州初挑戦となったが、すぐさま正守護神に定着してリーグ優勝と国内カップ戦制覇の二冠に貢献した。そして今季から現役引退を表明したカシージャスの背番号1を受け継いだ。

 ビルドアップ面で過度な期待はできないが、セービング力の安心感では他のGKたちを大きく上回る。ただ、時折試合を壊しかねない大きなポカがあるのは玉に瑕。今季も立場は揺るがないものの、シーズンを通しての安定感を高めたいところだ。

DF

ウィルソン・マナファ(ポルトガル/背番号18)
生年月日:1994年7月23日(26歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/0得点1アシスト

 左右両サイドを遜色なくこなし、慢性的な人材不足のサイドバックで最もコンスタントなプレーを披露している。昨季途中からは主に右サイドバックに定着し、今季はアレックス・テレスがマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した左サイドバックに入ることもあるだろう。

 右利きだが、なぜか左サイドに入った時の方が生き生きとプレーしているように見える。それは彼の攻撃的なスタイルゆえで、左サイドなら直線的なドリブルで密集にも臆することなく突っ込み、積極的にカットインしてシュートまで持ち込むことも。守備対応の軽さをなくすことができればポルトガル代表入りも見えてくるか。

チャンセル・ムベンバ(DRコンゴ代表/背番号19)
生年月日:1994年8月8日(26歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/1得点0アシスト

 昨季はセンターバックに負傷者が続出したが、ムベンバが見事にその穴を埋めた。ぺぺやイバン・マルカノに比べてビルドアップ面の貢献がほぼ望めないという欠点こそあるものの、対人戦やスピード対応も苦にしないフィジカル面が大きな強みだ。

 マルカノがひざの負傷から復帰を目指してリハビリ中、ぺぺも負傷離脱中の現在はディフェンスラインを束ねるリーダーとして頼られる。中盤アンカーや右サイドバックに対応する万能性も。

マラン・サール(U-21フランス代表/背番号32)
生年月日:1999年1月23日(21歳)
20/21リーグ戦成績:2試合出場/0得点0アシスト

 移籍市場閉鎖間際にチェルシーから期限付き移籍で借り受けた若手有望株だ。マルカノが長期離脱中のため、センターバックの主戦はぺぺとムベンバになるが、前者が負傷しているなかで徐々に存在感を増している。

 身長182cmはセンターバックとして小柄な部類に入る。しかし、ジャンプ力が非常に高く、空中戦で不利になるような場面はほとんどない。今夏、5歳から過ごしたニースを退団してフリーでチェルシーに加入したことからも、いかにポテンシャルが高く評価されているかわかるだろう。大切に育てたい逸材だ。

ザイドゥ・サヌシ(ナイジェリア代表/背番号12)
生年月日:1997年6月13日(23歳)
20/21リーグ戦成績:5試合出場/0得点1アシスト

 大黒柱のアレックス・テレスがユナイテッドへ移籍し、その穴を埋めるべくポルトガル1部で躍進したサンタ・クララから獲得された。豪快にスプリントをかける攻撃参加と鋭い弾道のクロスが持ち味で、賢さよりも身体能力の高さを前面に押し出したプレーをする。CLは全試合先発出場中で、グループステージ第4節のマルセイユ戦で初ゴールも挙げた。

 3シーズン過ごしたポルトガル3部から昨季1部にステップアップし、1年でポルトへ。驚異の成り上がりで名門の一員になると、今年10月にはナイジェリア代表デビューも果たした。キャリアには謎が多く、プレーは全体的に荒削りだが、爆発力は秘めている。今後のさらなる成長が楽しみだ。

MF

マテウス・ウリベ(コロンビア代表/背番号8)
生年月日:1991年3月21日(29歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/1得点0アシスト

 行動範囲が広く、積極的に動き回って攻守の様々な局面に顔を出す。危機察知能力が高く、強烈なタックルで相手の攻撃の芽を摘み、的確にパスをつないで自らもゴール前に飛び込んでいくことも。このアグレッシブさが裏目に出て、ポジションを留守にしがちな点は要改善だが。

 昨夏、マルチェシンと同じクラブ・アメリカからポルトに加入し、28歳にして欧州発上陸。妻の誕生日会を主催して南米出身の選手とともに明け方までパーティーに興じ、チームの規律に違反したとしてセルジオ・コンセイソン監督の信頼を失いかけたが、自らのプレーで取り戻した。

セルジオ・オリヴェイラ(ポルトガル代表/背番号27)
生年月日:1992年6月2日(28歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/4得点3アシスト

 国内の下位クラブやベルギー、フランス、ギリシャと幾度となくレンタルを繰り返してきた生え抜きMFは、20代後半になってようやく花開いた。昨季序盤は筋肉系の故障に苦しんだものの、シーズン終盤になるとチームに欠かせない存在になっていた。

 右足のキック精度が非常に高く、中盤から長短織り交ぜた正確なパスでゲームを組み立て、ゴール前では高い得点力も発揮する。身体的な力強さはないが、意外にヘディングからのゴールが多いのも特徴だ。PKやフリーキックの名手でもあり、今季はすでに公式戦で7得点を挙げてチームのトップスコアラーとなっている。

ヘスス・コロナ(メキシコ代表/背番号17)
生年月日:1993年1月6日(27歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/2得点3アシスト

 昨季は手薄だった右サイドバックにコンバートされてシーズンをスタートさせたが、無難にこなした。中盤戦以降は本職のウィングとして起用され、終わってみればポルトガルリーグの年間MVPに。常に高いパフォーマンスを維持し、かつ攻守に効果的なプレーを連発してポルトの国内二冠に大きく貢献した。

 超絶技巧を駆使したドリブルはより洗練され、仕掛けるタイミングもよく心得ている。シンプルにプレーすべきときはシンプルに徹し、チャンスと見るや自ら突破してクロスやラストパスを供給。守備でも懸命にサイドを上下動して体も張る。今夏はビッグクラブ行きも噂されたが、残留することに。今のポルトで最も価値も質も高い選手であることに疑いはない。

オターヴィオ(ブラジル/背番号25)
生年月日:1995年2月9日(25歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/2得点1アシスト

 10番タイプの攻撃的MFだが、泥臭い仕事も忠実にこなす。ハードワークで攻守に高いクオリティを発揮し、中心選手となった。昨季は右サイドを主戦場にしながらポゼッション時に内側へ絞って中盤と前線のつなぎ役となるインサイドウィング的な役割を与えられて躍動。今季はトップ下か、ルイス・ディアスと立ち位置を入れ替えて左ウィングに入ることもある。

 イエローカードの多い気性やプレーの荒さは勝利に貪欲な精神性や闘争心の強さゆえだろう。それでも昨季はリーグ戦で10アシストを記録し、ラストパスの質の高さを証明した。得点力が備わってくれば鬼に金棒だ。昨季は自らの試合中に、幼い子どもと妻がいた自宅に強盗に入られるという事件もあった。

ルイス・ディアス(コロンビア代表/背番号7)
生年月日:1997年1月13日(23歳)
20/21リーグ戦成績:5試合出場/1得点1アシスト

 中島翔哉と同時期に加入した、同じポジションの最大のライバルとも言える存在だ。プレーの波は大きいが、ハマった時は誰も止められない。切れ味鋭いドリブル突破から強烈なシュートを見舞う。

 昨季はなかなか結果が出ず、ポジションを失って腐りかけた時期もあった。だが、今季は左サイドか2トップの一角で常に主力として扱われており、信頼を得たことで好調を維持できている。精神面の未熟さからくるムラっ気をなくせれば、さらなるステップアップも見えてきそうだ。

FW

ムサ・マレガ(マリ代表/背番号11)
生年月日:1991年4月14日(29歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/2得点1アシスト

 セルジオ・コンセイソン監督から絶大な信頼を寄せられる不動のエースストライカー。昨季は得点数が伸びなかったものの、チャンスの場面以外での貢献度は依然として高く、中央でもサイドでも起用された。

 まるでアメフト選手が防具を着けているかのような異常に発達した上半身がトレードマークで、明るい性格のムードメーカーでもある。昨季は人種差別チャントに耐えかねて、試合途中でプレー継続を拒否する熱い漢気も見せた。今季はブラジル人有望株のエヴァニウソン、ファマリカンで台頭したトニ・マルティネス、そして昨季リーグ得点王のメフディ・タレミと多くのストライカーが新たに加入したが、ライバルたちに取って代わられる気配は一切ない。

フォーメーション

▽GK
アグスティン・マルチェシン

▽DF
ウィルソン・マナファ
チャンセル・ムベンバ
マラン・サール
ザイドゥ・サヌシ

▽MF
マテウス・ウリベ
セルジオ・オリヴェイラ
ヘスス・コロナ
オターヴィオ
ルイス・ディアス

▽FW
ムサ・マレガ