「明らかに早すぎた…」16歳でブレイクしたFWの末路は…

アーセナルはイングランドを代表する名門クラブで、これまで数々の著名な選手を獲得してきた。額面通りの活躍を見せた選手もいれば、期待を裏切った選手も少なくない。ここでは、アーセナルが高額な移籍金を支払って獲得したものの、それに見合う活躍ができなかった選手を紹介する。※移籍金などのデータは『transfermarkt』を参照
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FW:フランシス・ジェファーズ
生年月日:1981年1月25日(40歳)
移籍金:1530万ユーロ(約18億円)
在籍期間: 2001年夏〜03年夏、
リーグ戦成績:22試合4得点2アシスト

 リバプール出身のフランシス・ジェファーズは、16歳にしてエバートンのトップチームデビューを果たした。そこから3シーズンでプレミアリーグ18得点を記録したジェファーズは、1530万ユーロ(約18億円)という移籍金でアーセナルに青田買いされる。

 9月のボルトン戦でゴールを決めたが、その後は怪我の影響もあり、ほとんどの試合でベンチにすら入ることができなかった。2年目はプレミアリーグでの出場数を6試合から16試合まで増やしたが、先発で起用された試合はわずかだった。

 03年夏には古巣エバートンに貸し出されたが、トップフォームを取り戻すことができず。その後はチャンピオンシップ(2部)やスコットランド、オーストラリアでもプレー。12/13シーズンはリーグ2(4部)でプレーし、32歳で現役を引退。20歳でアーセナルに移籍したことについて、のちに「明らかに早すぎたし、間違った移籍だった」と振り返っている。

1年間で両膝を手術、呪われたように怪我に悩まされたFW

FW:ダニー・ウェルベック
生年月日:1990年11月26日(30歳)
移籍金:2000万ユーロ(約24億円)
在籍期間:2014年夏〜19年夏
リーグ戦成績:88試合16得点12アシスト

 8歳からマンチェスター・ユナイテッドのアカデミーに在籍したダニー・ウェルベックは、ローン移籍を経てトップチームに定着している。23歳までにシーズン9得点を2度マークしたウェルベックは、トッテナムとの争奪戦の末に、アーセナルへ2000万ユーロ(約24億円)の移籍金で加わった。

 しかし、移籍後のウェルベックは呪われたように怪我に悩まされた。1年の間に両膝の手術を経験し、18年11月には試合中に足首を負傷して病院に緊急搬送されたこともあった。アーセナルでは5年間で公式戦126試合に出場したが、32得点という数字に留まっている。

 ウェルベックは18/19シーズン限りでアーセナルとの契約が満了となり、昨シーズンはワトフォード、昨年10月からはブライトンでプレーしている。昨季はハムストリング、今季も膝の負傷で離脱。怪我との戦いは続いている。

ドイツでは香川真司らと最強カルテットを結成、8か国語を操るインテリ系MF

MF:ヘンリク・ムヒタリアン
生年月日:1989年1月21日(32歳)
移籍金:3400万ユーロ(約41億円)
在籍期間:2018年冬〜19年夏
リーグ戦成績:36試合8得点8アシスト

 プロサッカー選手の父を持つヘンリク・ムヒタリアンは、アルメニアでプロキャリアをスタートさせた。ウクライナのシャフタール・ドネツクを経由して、ドイツのボルシア・ドルトムントへ。香川真司、ピエール=エメリク・オーバメヤン、マルコ・ロイスとの攻撃陣はファンタスティック4と呼ばれ、トーマス・トゥヘル監督が指揮を執るチームの代名詞ともなった。3年間プレーしたドルトムントでは公式戦41得点49アシストという数字を残している。

 創造性をもたらす攻撃的MFで、テクニックと献身性を備えている。マルチリンガルとしても有名で、8か国語を話すことができる。これまで住んだことのある国の言語を習得しているという。

 16年夏にはジョゼ・モウリーニョ監督が就任したマンチェスター・ユナイテッドに移籍する。しかし、プレミアリーグへの適応に苦しみ、ドイツ時代はほとんどなかった怪我を繰り返した。18年1月にはアレクシス・サンチェスとのトレードでアーセナルに移籍。アーセン・ベンゲル監督の下では結果を残した試合もあったが、ウナイ・エメリ監督がやってきた18/19シーズンは再び怪我に泣かされた。

 19/20シーズンの開幕直後にローマへの期限付き移籍が決まる。昨季は怪我に悩まされたが、パウロ・フォンセカ監督の信頼は勝ち取った。昨夏にアーセナルとの契約が満了となり、完全移籍へ移行している。

ローマとの違いは「監督」。ベンゲルの信頼を得られず…

FW:ジェルビーニョ
生年月日:1987年5月27日(33歳)
移籍金:1200万ユーロ(約14億円)
在籍期間:2011年夏〜13年夏
リーグ戦成績:46試合9得点8アシスト

 コートジボワール出身のジェルビーニョがアーセナルに加入したのは24歳のとき。ベルギーとフランスを経由し、リールでは2シーズンで28得点をマーク。リーグ・アンで注目を集めるジェルビーニョを獲得するために、11年夏にアーセナルは1200万ユーロ(約14億円)を費やしている。

 しかし、アーセン・ベンゲル監督の信頼を得ることはできなかった。プレミアリーグデビュー戦で相手選手の顔をはたいて退場処分を受けた。復帰後は結果を残したが、アフリカネーションズカップ出場を境に序列を下げてしまう。同大会が2年連続で行われたことも、ジェルビーニョのアーセナルでの活躍を妨げる要因となった。

 ジェルビーニョは13年夏にローマに完全移籍する。リュディ・ガルシア監督の信頼を掴み、13/14シーズンは9得点12アシストと活躍。ローマとアーセナルの違いを聞かれたジェルビーニョは「監督」と答え、イングランドでの2年間は「正直に言ってあまり多くのことは学べなかった」と振り返っている。

異色の経歴で加入したスペイン人FW

FW:ルーカス・ペレス
生年月日:1988年9月10日(32歳)
移籍金:2000万ユーロ(約24億円)
在籍期間:2016年夏〜17年夏
リーグ戦成績:11試合1得点0アシスト

 アトレティコ・マドリードのカンテラ(下部組織)出身だが、ルーカス・ペレスは異色のキャリアを歩む。22歳のときにウクライナに渡り、ギリシャを経てスペインに戻ってきた。ディポルティーボ・ラ・コルーニャで17得点10アシストと大活躍すると、アーセナルが2000万ユーロ(約24億円)という移籍金を支払って獲得している。

 スピードを活かしたプレーが特徴で、裏に抜け出す動きや、鋭いカウンターで持ち味を発揮する。しかし、プレミアリーグという舞台への適応に苦しみ、1年後には期限付き移籍でディポルティーボに復帰。18年夏に完全移籍したウェストハムでも3得点に留まり、昨シーズンには再びラ・リーガに戻ってきた。

 アラベスでは昨シーズンにチームトップとなる11得点をマーク。今季はチームが降格圏に沈んでいるが、ペレスは3試合連続ゴールを決めている。イングランドでは活躍できなかったが、ラ・リーガでの活躍は評価されている。

【了】