Jリーグが公式サイト上に掲載している2021シーズンのスプリント回数ランキングを参照すると、横浜F・マリノスのFW前田大然が上位をほぼ独占状態になっている。

 今季のトップ5のうち4枠は前田が埋めている。残りの1枠に割って入っているのは、ヴィッセル神戸のFW古橋亨梧だ。同選手はJ1第11節の鹿島アントラーズ戦でスプリント「53回」を記録し、現時点で今季の2位に食い込んでいる。

 前田と古橋、Jリーグのスプリント王の座を争う2人は、9日に行われた明治安田生命J1リーグ第13節のマリノス対神戸で同時にピッチに立った。前者は先発して73分までプレーし、後者はフル出場。

 では、直接対決で2人のスプリント回数はどうだったのだろうか。

 Jリーグ公式サイト内の試合スタッツで確認すると、前田は73分間のプレーでスプリント「44回」を記録。一方、フル出場だった古橋は「40回」だった。果敢なディフェンスラインの背後への飛び出しで何度も決定機を作った古橋だが、直接対決でも前田を上回ることはできなかった。

 ちなみに「前田大然スプリントランキング」で、今節の「44回」は今季の5位になる。J1全体の今季のスプリントランキングでは6位に入る数値で、5月9日時点のトップ10のうち7人が前田の顔写真で埋まっている。

 他のスタッツを見ると、マリノス対神戸での走行距離は、前田が73分間で9.2kmだったのに対し、古橋は90分間で10.99kmを走破していた。こちらでは古橋が上回っているように見えるが、前田の走行距離を90分間で換算すると約11.34kmとなる。最終盤まで同じペースで走れていた保証はないが、スプリント回数も運動量も驚異的だったのは間違いない。

 以前、チアゴ・マルチンスは「僕たちの守備はFWから始まるので、大然がすごくプレッシャーをかけてハードワークしてくれていて、すごく助かる。大然は好調だし、ああやってプレスをかけて守備に貢献し、ハードワークしてくれた結果、得点という形で報われていると思うので、今後も彼の価値はどんどん上がってくるはず」と前田のことを絶賛していた。

 すでにリーグ戦で8得点を挙げ、9得点の古橋とともに得点王争いの上位にも絡んでいる前田は、Jリーグ史に残るスプリントキングになれるだろうか。夏の東京五輪出場も目指す韋駄天は、さらなる高みに向かって立ち止まることなく、爆速で走り続ける。

(取材・文:舩木渉)