15位:あだ名はルーニーで、憧れはベッカム

リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。
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DF:キーラン・トリッピアー(イングランド代表/アトレティコ・マドリード)
生年月日:1990年9月19日(30歳)
市場価値:2000万ユーロ(約24億円)
19/20リーグ戦成績:25試合0得点4アシスト

 トップレベルで活躍するイングランド人が海外移籍するケースは珍しい。レアル・マドリードで4年間プレーしたデイビッド・ベッカムは数少ない代表例の1つ。そのベッカムに憧れて育ったのがキーラン・トリッピアーで、2019年の夏からアトレティコ・マドリードでプレーしている。

 右サイドから放たれる右足のキックこそが、トリッピアーの最大の武器となっている。元同僚のジエゴ・コスタからは「ルーニー」と呼ばれていたが、そのキックは憧れだったベッカムを彷彿とさせる。「テクニック」も安定感があり、ビルドアップでも敵陣の崩しでも高い能力を発揮できる。クロスボールを含めたキックの質は、ラ・リーガの右サイドバックの中でもトップレベル。今季はウイングバックでプレーする機会が増えたことで、その能力はさらに相手の脅威となっている。

 攻守における総合力の高さもトリッピアーの特徴と言える。アトレティコ移籍は初の国外移籍となったが、すぐにディエゴ・シメオネ監督の要求に応えるパフォーマンスを見せた。絶え間なくサイドを上下動してハードワークし、アトレティコのスタイルを体現している。

<h2>14位:空中戦を制するPSVの主将

DF:デンゼル・ドゥムフリース(オランダ代表/PSV)
生年月日:1996年4月18日(25歳)
市場価値:1800万ユーロ(約21.6億円)
19/20リーグ戦成績:25試合7得点3アシスト

 オランダ代表のデンゼル・ドゥムフリースは、PSVで不動のサイドバックとして活躍している。昨季途中にチームが不調に陥った際にキャプテンに就任すると、DFながらキャリアハイとなる7得点をマーク。ジョエル・フェルトマンやハンス・ハテブールらがいるオランダ代表でもコンスタントに出場している。

 大きなストライドでサイドを駆け上がり、長い脚を伸ばしてボールを奪う。フィジカル勝負でドゥムフリースが負けることはほとんどない。瞬時に加速するスプリント力で右サイドを突破してチャンスを作りだす。セットプレーではターゲットの1人となり、左サイドからのクロスにも積極的に飛び込む。「空中戦」の強さも、ドゥムフリースの武器の1つとなっている。

 オランダで活躍するドゥムフリースには、ACミランやニューカッスルといった海外からの関心も絶えない。時折クロスの精度を欠くこともあるが、188cmの体躯を活かしたダイナミックなプレーが目を引く。「フィジカル」の能力値は「89」、「空中戦」は「83」で、サイドバックの選手としては非常に高い。その身体能力を活かしたプレーが、攻守において存分に生かされている。

<h2>13位:飲み過ぎで遅刻して代表辞退? ブラジル生まれのロシア代表

DF:マリオ・フェルナンデス(ロシア代表/CSKAモスクワ)
生年月日:1990年9月19日(30歳)
市場価値:1800万ユーロ(約21.6億円)
19/20リーグ戦成績:29試合3得点3アシスト

 CSKAモスクワ在籍9年目を迎えたマリオ・フェルナンデスが13位に入った。生まれ育ったのはブラジルで、グレミオでプロキャリアを始めた。2011年にはグレミオの主力として活躍してブラジル代表にも選ばれたが、個人的な理由で代表を辞退。表向きは辞退だったが、前夜に飲みすぎて飛行機を逃していたようで、当時は食事も含めた私生活が荒れていた。

 それでも、その能力は高く評価されており、2012年にCSKAモスクワに移籍。当時はレアル・マドリードも獲得を狙っていたほどの逸材だった。2014年の日本代表戦でブラジル代表として初めてプレーしたが、のちにロシア国籍を取得し、2017年からはロシア代表でプレーしている。2018年のロシアワールドカップではクロアチア戦の延長戦で劇的な同点ゴールを挙げている。

 187cmの長身で、元々はセンターバックを務めていた。ダイナミックなオーバーラップで見せる「スピード」は十分で、体格を活かした「フィジカル」や「空中戦」も及第点以上のものを見せる。荒んでいた私生活もロシアでは改善され、プレーの安定感も増した。足下の技術も高く、攻守において穴のないサイドバックに成長している。

<h2>12位:CLで2ゴール、とにかく走る長身WB

DF:ハンス・ハテブール(オランダ代表/アタランタ)
生年月日:1994年1月9日(27歳)
市場価値:1800万ユーロ(約21.6億円)
19/20リーグ戦成績:32試合0得点5アシスト

 負荷の高いサッカーを見せるアタランタで、右サイドをカバーするのがハンス・ハテブールだ。フローニンゲンの下部組織出身で、23歳のときにイタリアに渡った。アタランタではジャンピエロ・ガスペリーニ監督から絶大なる信頼を得て、躍進するクラブの象徴的な存在となっている。

「スピード」を活かした攻め上がりでチャンスに絡み、逆サイドから攻撃する際はクロスに対してゴール前に積極的に飛び込んでいく。チームのスタイルが攻撃的であるがゆえオフェンス面がフィーチャーされるが、粘り強い守備能力も印象的だ。90分上下動できる運動量を持ち、守備時はフルスプリントでDFラインに戻る。攻守に渡って高いパフォーマンスを発揮している。

 昨季は無得点だったが、今季は開幕から2試合連続でゴールを決めた。18/19シーズンに5得点を決めているように、得点力の高いウイングバックだ。昨季のUEFAチャンピオンズリーグではバレンシア戦で2得点をマーク。今季は足首の負傷で長期離脱を強いられたが、アタランタにとって不可欠な存在となっている。

<h2>11位:チェルシーで400試合出場を達成したベテラン

DF:セサル・アスピリクエタ(元スペイン代表/チェルシー)
生年月日:1989年8月28日(31歳)
市場価値:1700万ユーロ(約20.4億円)
19/20リーグ戦成績:36試合2得点6アシスト

 セサル・アスピリクエタはチェルシー在籍9年目を迎えたベテランサイドバックだ。2012年夏の加入以来、8人の指揮官の下でプレーし、今年1月にはクラブ史上13人目となる公式戦400試合出場を達成。19/20シーズンからはキャプテンを務めている。

 ジョゼ・モウリーニョ監督は左サイドバック、アントニオ・コンテ監督は3バックの一角など、これまで様々なポジションに適応してきた。トーマス・トゥヘル現監督の下でも3バックの右としてプレーし、堅守を誇るチームを支えている。

 複数のポジションでプレーした経験によって、状況判断とポジショニングはさらに向上した。スピードやフィジカルに長けた相手とマッチアップしても、そのボール奪取能力の高さは際立つ。俊敏性と絶妙な距離感で相手の攻撃を封じている。

 元々は攻撃的なサイドバックで、キックの精度も優れている。3バックとしてプレーする現在はビルドアップでその「パス」能力の高さは活かされており、機を見た攻め上がりで攻撃に厚みを加えている。「メンタル」が「82」と高い数値を出しているように、ここ一番で頼りになる存在だ。

【了】