バルセロナ、最悪のシナリオ

ラ・リーガ第37節、バルセロナ対セルタが現地時間16日に行われ、1-2でバルセロナが敗れた。今節の結果により、バルセロナのラ・リーガ優勝の可能性は消滅。セルタ戦の逆転負けは、ロナルド・クーマン監督の1年目を象徴するような展開だった。(文:加藤健一)
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 今季のバルセロナはバッドエンドだった。女子チームのバルセロナ・フェミニがチェルシーを破って初の欧州制覇を成し遂げた日に、男子はラ・リーガ優勝の可能性が消滅した。

 チャンスを作りながらも得点が生まれない展開が続いたが、リオネル・メッシのゴールで先制。ここまでは良かったが、38分に同点とされる。後半はゴールが生まれない時間が続き、クレマン・ラングレが2枚目のイエローカードをもらい退場。残り10分弱を10人でこらえることはできなかった。

 同時刻に行われた試合で、アトレティコ・マドリードとレアル・マドリードがともに勝利していた。バルセロナは勝っていても優勝の可能性はなかったが、あまりにも後味の悪い最後だった。

 優勝を逃した原因を作ったのは自分たちである。一時は自力優勝の可能性も出たが、直近5試合で勝ち点はわずか5に留まった。グラナダ戦では逆転負けを喫し、レバンテ戦では2点を先行しながらドロー。この日もセルタに逆転負けを喫した。

 ロナルド・クーマン監督が就任した今季、何度も見てきたような負け方だった。ボールを握りながらも、なかなか得点が奪えずに時間が進んでいく。そして後半の交代策で焦れてその裏を突かれてしまう。ラングレの不用意な退場は今季2度目。セルタ戦で2試合とも退場になるという不名誉な記録を残してしまった。

デストとデンベレの同時起用

 クーマン監督に助言を聞く時間があるからなのだろうか。ハーフタイムの交代策が的中することが多い印象がある。一方で、接戦のまま終盤に突入すると、自滅のような采配で勝ち点を落とすこともしばしば。この試合も同じような形で流れを手放していた。

 ハーフタイムにペドリを下げ、リキ・プッチを投入する。ペドリは終盤戦に入って元気のない試合が続いていた。交代で入ったプッチはアグレッシブにセルタの守備をかき回した。

 しかし、試合は1-1のまま動かない。すると、クーマン監督はさらに動く。ジェラール・ピケに代えてセルジーニョ・デストを入れ、3-5-2から4-3-3へ変更。さらにアントワーヌ・グリーズマンとウスマン・デンベレを下げ、マルティン・ブライスワイトとトリンコンをメッシのパートナーにした。

 デンベレのドリブルは効果的だった。右ウイングバックで起用されたことで、1対1で仕掛ける場面を増やすことができた。データサイト『WhoScored』によれば、メッシに次ぐチーム2位タイの5回のドリブルを記録。ゴールにこそつながらなかったが、攻撃のアクセントになっていたことは確かだった。

 しかし、デストを入れてデンベレのポジションを上げたことで、デンベレのドリブルは影を潜めた。デストともレーンが被り、どちらかが消えてしまう状態に。デスト投入からわずか6分で、デンベレはベンチに下がっている。

 ドリブルを得意とし、足下でボールを受けることを好むデンベレとデスト。本職こそ違うが、スタイルの似た両者の同時起用によって、バルセロナは自ら敗北へと向かっていった。

(文:加藤健一)

【了】