セルビア代表は11日にキリンチャレンジカップ2021で日本代表と対戦する。かつて名古屋グランパスを率いたドラガン・ストイコビッチ監督は、縁の深い日本との一戦にどんなメンバーを送り出すだろうか。予想スタメン11人とフォーメーションを紹介する(※成績、所属クラブは2021年6月10日現在)。

GK

プレドラグ・ライコビッチ(スタッド・ランス[フランス1部]/背番号1)
生年月日:1995年10月31日(25歳)
20/21リーグ成績:37試合出場/49失点
セルビア代表通算成績:19試合出場/15失点

 2015年にU-20ワールドカップを制した当時のU-20セルビア代表の中心選手で、2013年に17歳でA代表デビューを果たした早熟の守護神。世界一になった直後にイスラエルへ移籍したものの、なかなか欧州トップレベルに到達できず。昨季からフランス1部のスタッド・ランスでレギュラーポジションを確保し、ようやく欧州5大リーグでの評価を確立しつつある。7日のジャマイカ代表戦ではジョルジェ・ニコリッチとマルコ・イリッチの2人が45分ずつ出場したため、日本戦では今回の遠征で未だ出番のないライコビッチにチャンスが与えられそうだ。本来の正GKマルコ・ドミトロビッチの壁は厚いが、日本戦をポジション奪取のきっかけにしたい。

DF

ウロシュ・スパイッチ(フェイエノールト[オランダ1部]/背番号5)
生年月日:1993年2月13日(28歳)
20/21リーグ成績:19試合出場/0得点0アシスト
セルビア代表通算成績:16試合出場/0得点0アシスト

 フランス、ベルギー、ロシア、オランダと渡り歩いてきた国際経験豊富なセンターバックで、現在はロシア1部のクラスノダールからオランダ1部のフェイエノールトに期限付き移籍中。今季は前半戦こそレギュラーだったが、後半戦に入って定位置を失った。セルビア代表でも今年3月は3試合のうち2試合でベンチを温めることに。とはいえ2018年ロシアワールドカップ出場の経験もあり、今回のメンバーの中では経験値も高い方だ。3バックにも4バックにも柔軟に対応し、ステファン・ミトロビッチらとともにゴール前で高い砦を築く。

ステファン・ミトロビッチ(ストラスブール[フランス1部]/背番号13)
生年月日:1990年5月22日(31歳)
20/21リーグ成績:32試合出場/2得点0アシスト
セルビア代表通算成績:25試合出場/0得点0アシスト

 日本遠征でキャプテンを任された経験豊富なリベロだ。所属するストラスブールでは日本代表GK川島永嗣と同僚で「チームメイトが対戦相手にいるのは嬉しい。エイジは僕のお気に入りのチームメイトの1人。素晴らしいプロであり、彼の母国で対戦できるのを楽しみにしている」と語る。名門レッドスターの下部組織で育ったがトップチームには昇格できず、スロバキア2部でプロキャリアをスタート。その後、チェコ、セルビア、ベルギー、ポルトガル、スペイン、ドイツ、ベルギー、フランスと渡り歩いて現在の地位を築いた苦労人でもある。欧州5大リーグのうち3つを経験した叩き上げの実力者。

ストラヒニャ・パブロビッチ(セルクル・ブルッヘ[ベルギー1部]/背番号2)
生年月日:2001年5月24日(20歳)
20/21リーグ成績:11試合出場/1得点1アシスト
セルビア代表通算成績:8試合出場/1得点0アシスト

 フランス1部のニーム・オリンピックへ移籍した植田直通と入れ替わる形で、モナコから提携するセルクル・ブルッヘへ期限付き移籍したセンターバックの有望株。194cmの長身に加え左利きやスピードという付加価値もあり、移籍先ではすぐにレギュラーを獲得して大きく成長した。セルビア代表では昨年9月にデビューし、今年3月にはカタールワールドカップの欧州予選に3試合連続で先発出場、そして今月7日のジャマイカ代表戦で途中出場からの初ゴールと着実に階段をのぼっている。3バックを採用するならパブロビッチが左ストッパーに適任だろう。パルチザン・ベオグラード時代の同僚だった浅野拓磨は闘争心旺盛な若者のタックルに要注意だ。

MF

マルコ・グルイッチ(ポルト[ポルトガル1部]/背番号16)
生年月日:1996年4月13日(25歳)
20/21リーグ成績:23試合出場/2得点0アシスト
セルビア代表通算成績:11試合出場/0得点0アシスト

 ポルトへ期限付き移籍中の大型MFで、レンタル元のリバプールで短期間ともにプレーした南野拓実と仲がいい。ポルトガルの名門では定位置をつかみきれなかったが、終盤にかけて徐々に重要な存在になった。「非常に体が大きくて、それでいて技術も高くて、中盤でボールも捌けるし、こっちとしては非常に厄介な選手」というのが南野によるグルイッチ評。ピッチ上で2人がマッチアップする可能性も十分にありそうだ。

ネマニャ・グデリ(セビージャ[スペイン1部]/背番号8)
生年月日:1991年11月16日(29歳)
20/21リーグ成績:30試合出場/0得点0アシスト
セルビア代表通算成績:38試合出場/1得点0アシスト

 日本遠征で攻守の軸を担う戦術上のキーマン。日本代表の森保一監督も「相手の中盤のグデリや、ディフェンスラインの起点をしっかり潰せるようにしたい」と名前を挙げて警戒していた。ディフェンスラインに落ちてビルドアップをサポートしつつ、必要に応じてチャンスメイクの局面にも絡む。セビージャでは出場時間が限られていたが、その分シーズンを戦い抜いた疲労もなく元気いっぱいだ。

ネマニャ・マクシモビッチ(ヘタフェ[スペイン1部]/背番号6)
生年月日:1995年1月26日(26歳)
20/21リーグ成績:35試合出場/1得点0アシスト
セルビア代表通算成績:30試合出場/0得点1アシスト

 ヘタフェで久保建英とチームメイトの万能型MFだ。妻のYouTubeチャンネルに久保がゲスト出演するなど、2人の関係性は良好だった様子。プレー面では、派手さはないが極めて堅実、特にフィジカルコンタクトに抜群の強さを発揮する。対人戦を怖がらず、安定してパスもさばけるためホセ・ボルダラス監督率いるヘタフェは彼にとって天国だった。A代表では30キャップを超えるが、まだゴールがない。

アレクサ・テルジッチ(エンポリ[イタリア2部]/背番号17)
生年月日:1999年8月17日(21歳)
20/21リーグ成績:21試合出場/0得点1アシスト
セルビア代表通算成績:1試合出場/0得点0アシスト

 フィオレンティーナが保有権を持つ左サイドバックの有望株で、今季はセリエB(イタリア2部)のエンポリでセリエA昇格に貢献した。セルビア代表は今回の遠征が初招集で、7日のジャマイカ代表戦でA代表デビューも飾っている。定着には猛アピールが必要。名手アレクサンダル・コラロフの後継者となれるか。

FW

デヤン・ヨベリッチ(ヴォルフスベルガーAC[オーストリア1部]/背番号9)
生年月日:1999年8月7日(21歳)
20/21リーグ成績:32試合出場/17得点3アシスト
セルビア代表通算成績:1試合出場/0得点0アシスト

 鎌田大地や長谷部誠が所属するアイントラハト・フランクフルトが保有権を持つ、将来有望なストライカー。今季はオーストリア1部のヴォルフスベルガーACに期限付き移籍し、リーグ戦で得点ランキング2位となる18得点を挙げた。U-16から世代別代表の常連で、今回の遠征でA代表初招集とデビューを経験。新シーズンは鎌田らとの共演が見られる可能性もあり、ピッチに立てば要注目だ。

ネマニャ・ヨビッチ(パルチザン・ベオグラード/背番号11)
生年月日:2002年8月8日(18歳)
20/21リーグ成績:20試合出場/5得点2アシスト
セルビア代表通算成績:1試合出場/0得点0アシスト

 パルチザンで浅野とチームメイトだった逸材アタッカー。U-19リーグでゴールを量産し、今季途中からトップチームに定着した。そして徐々に出場時間を伸ばし、18歳でA代表初招集を受けている。大柄な選手が揃うセルビア代表のなかではひときわ小柄な身体が目立ち、スピードとテクニックで対峙する相手を翻弄する。代表デビュー戦の相手だったジャマイカ代表の選手たちもファウルで止めるしか対処する術がなかった。近い将来、欧州主要リーグへステップアップしていきそうな気配の漂う、注目すべき存在だ。

ミラン・マカリッチ(FKラドニク・スルドゥリツ/背番号18)
生年月日:1995年10月4日(25歳)
20/21リーグ成績:38試合出場/25得点8アシスト
セルビア代表通算成績:2試合出場/0得点0アシスト

 今季のセルビア1部リーグで25得点を奪い、得点王に輝いた国内No.1のストライカーだ。パルチザン時代の浅野拓磨とトップ争いをしていた。今年1月に国内組のみで戦ったドミニカ共和国代表戦でセルビア代表デビュー。バルカン半島の外のクラブでプレーしたことがなく、世代別代表歴もほぼないため国際的には無名に近いが、セリエA昇格が決まったサレルニターナやギリシャの強豪オリンピアコスからの関心が報じられている。今夏の欧州移籍市場で注目を浴びる選手の1人だ。