替えの効かない2人への依存

U-24日本代表は12日、ジャマイカ代表との国際親善試合を行い、4-0で勝利した。オーバーエイジ組が初めてそろい踏みしたU-24ガーナ代表戦に続く快勝。金メダルを目標に掲げるU-24日本代表のチーム作りは、東京五輪本番に向けた仕上げの段階に入っている。(文:西部謙司)
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 東京五輪のメンバーと戦い方がみえてきた試合だった。ジャマイカのA代表を相手に4-0と圧倒し、前回のU−24ガーナ戦に続いて手ごたえ十分の内容でもあった。

 先に気になることに触れると、遠藤航と田中碧がフル出場している。本番の予行演習でもあるので当然かもしれないが、五輪でメダルを狙うならバックアップは必要になる。このコンビのクオリティは申し分なく、替えの効かない存在なのは確かだが、酷暑も予想される東京五輪だけに要のボランチを疲弊させることは避けなければならない。

 中山雄太、板倉滉、旗手怜央がプレーできると思うが、いずれも他のポジションとの兼任だ。遠藤&田中の専属バックアップがおらず、この2人にすべてを託すのは明らかにリスクである。どこかにリスクを冒さなければならないのは仕方ないのだが、2人のプレーぶりが素晴らしいだけに逆に一抹の不安は残る。

18人中16人はほぼ決まった?

 フォーメーションは定着した4-2-3-1でスタート。トップ下と右サイドは久保建英と堂安律がポジションを入れ替えながらプレーする。そこに酒井宏樹が絡む右サイドは強力だった。個人技でもコンビネーションでも破る力がある。

 左は三笘薫と旗手の川崎フロンターレのペア。前半は右に比べると目立たなかったが、後半には三笘が自陣から一気にドリブルで駆け抜けて上田綺世のゴールをアシストするスーパープレーをみせた。

 1トップは前田大然が先発、後半から上田。上田はガーナ戦に続く連続得点、パスを引き出す動きの良さがあるので当確だと思う。6人目の交代だった三好康児は、右とトッププレーできる。こちらもかなり有力だろう。

 負傷している冨安健洋、板倉に問題がないなら、18人中16人はほぼ決まったのではないかと思われる。上田のバックアップを誰にするか、右SBとCBのバックアップのどちらを優先するかという選択だろうか。

 3-4-2-1のオプションも試した。ウイングバックの左に相馬勇紀、右が橋岡大樹だった。縦突破の両翼なので攻撃はよりシンプルになる。ただ、3-0とリードした後の変更だったので主眼は試合を終わらせるほうにあるのかもしれない。

 東京五輪のグループステージは、フランス、南アフリカ、メキシコという非常に厳しいグループに入っている。ただし、五輪はワールドカップではないのでチームとしてはさほどまとまっていないケースが多い。今回の日本は個の力もあり、チームとしても予想外に素早く仕上がっている。開催国で気候への耐性もあり期待していいのではないか。

(文:西部謙司)

【了】