GK

 EURO2020(欧州選手権)が1年の延期を経て現地時間6月11日に開幕を迎えた。世界が注目するビッグイベントに、果たしてどのような選手たちが挑むのだろうか。今回は、8大会連続10回目の出場となるフランス代表の招集メンバー全26名と基本スタメン&フォーメーションを紹介する。(代表通算成績は本大会開始時点のもの)

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ウーゴ・ロリス(背番号1)
生年月日:1986年12月26日(34歳)
所属クラブ:トッテナム(イングランド)
20/21リーグ戦成績:38試合出場/45失点
代表通算成績:125試合出場/98失点

 リリアン・テュラムに次いで歴代2位となるフランス代表キャップ数を誇るベテラン。失点に直結するようなミスが散見されるのも事実だが、抜群の反応力を活かして神懸かり的なシュートセービングを披露することもかなり多い。トロフィーを掲げたロシアワールドカップ同様、GKのファーストチョイスとして、そしてキャプテンとしてチームを牽引していく。

スティーブ・マンダンダ(背番号16)
生年月日:1985年3月28日(36歳)
所属クラブ:マルセイユ
20/21リーグ戦成績:37試合出場/45失点
代表通算成績:34試合出場/31失点

 今大会に挑むフランス代表の最年長メンバーだ。同チームでは長くウーゴ・ロリスのバックアッパーとなっているが、10年以上も所属しているマルセイユでは今なお絶対的な守護神。持ち前の俊敏性や反射神経に大きな翳りは見られていない。そんな36歳のベテランは「これ(EURO)が私にとって最後の国際大会になる可能性が大きい」とコメントを残している。

マイク・メニャン(背番号23)
生年月日:1995年7月3日(25歳)
所属クラブ:リール
20/21リーグ戦成績:38試合出場/23失点
代表通算成績:1試合出場/1失点

 ウーゴ・ロリスの後継者候補の一人だ。好不調の波が小さく、身体能力が抜群に高いというのが大きな魅力。また、過去に最恐FWズラタン・イブラヒモビッチに「クソみたいなGKだな」と言われるも、恐縮せず「クソみたいなFWだな」と言い返すなど、強心臓の持ち主でもある。ちなみに2021/22シーズンから、そのイブラヒモビッチと再びチームメイトになることが決定した。

DF

バンジャマン・パバール(背番号2)
生年月日:1996年3月28日(25歳)
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:24試合出場/0得点0アシスト
代表通算成績:35試合出場/2得点3アシスト

 母国ではなくドイツの地で評価を高めた右サイドのファーストチョイス。爆発的なスピードやフィジカルを備えているわけではないが、堅実な守備対応が光る選手で、足元のスキルも水準以上なためゲームの組み立てにも高いレベルで関与できる。ロシアワールドカップ・ラウンド16、アルゼンチン代表戦での芸術的ボレーシュートは、今でも多くの人の記憶に刻まれている。

プレスネル・キンペンベ(背番号3)
生年月日:1995年8月13日(25歳)
所属クラブ:パリ・サンジェルマン
20/21リーグ戦成績:28試合出場/0得点0アシスト
代表通算成績:17試合出場/0得点0アシスト

 パリ・サンジェルマン(PSG)生え抜きのレフティー。身長183cmと特別大柄なタイプではないが実にパワフルで、非凡なスピードも兼ね備える。また、以前までは失点に直結するような凡ミスが多々見受けられていたが、近年はそれが激減。頼もしさは着実に増している。超個性的なファッションがたびたび話題になるなど、サッカー界屈指のオシャレ番長。

ラファエル・ヴァラン(背番号4)
生年月日:1993年4月25日(28歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
20/21リーグ戦成績:31試合出場/2得点0アシスト
代表通算成績:75試合出場/5得点1アシスト

 ロシアワールドカップ制覇に貢献した最終ラインの要。足元の技術に圧倒的に優れているとは言い難いが、とにかくアスリート能力が抜群に高く、あらゆるタイプのFWを平気な顔で無力化する。それに加えクレバーな守備対応も光るなど、DFとしての総合力はピカイチだ。すでに両手では数えきれないほどのタイトルを手にしてきたが、EUROでも頂点に立ってしまうのか。

クレマン・ラングレ(背番号5)
生年月日:1995年6月17日(25歳)
所属クラブ:バルセロナ(スペイン)
20/21リーグ戦成績:33試合出場/1得点0アシスト
代表通算成績:12試合出場/1得点0アシスト

 バルセロナで主力を担う25歳が初のEUROに臨む。DFとして圧倒的なフィジカルやスピードを持っているわけではないが、ポジショニングセンスや読みの鋭さは抜群。ビルドアップの質も極めて高い。ちなみに幼少期はパリ・サンジェルマン(PSG)のファンで、父親と共にトレーニングを見学した経験も。そこで見たロナウジーニョやペドロ・パウレタを「よく覚えている」と話す。

クルト・ズマ(背番号15)
生年月日:1994年10月27日(26歳)
所属クラブ:チェルシー(イングランド)
20/21リーグ戦成績:24試合出場/5得点0アシスト
代表通算成績:8試合出場/1得点0アシスト

 2013年の初招集以降なかなかフランス代表に定着できなかったが、ロシアワールドカップ後から継続して名を連ねるように。そして、今回EURO初出場を掴むことになった。足元の技術は凡庸だが、身長190cm・体重95kgの体格から繰り出されるパワーはピカイチで、スピードも非凡だ。実に表情が豊かな選手で、チェルシーでもレ・ブルーでもチームメイトからの人気は高い。

リュカ・ディーニュ(背番号18)
生年月日:1993年7月20日(27歳)
所属クラブ:エバートン(イングランド)
20/21リーグ戦成績:30試合出場/0得点7アシスト
代表通算成績:38試合出場/0得点5アシスト

 プレミアリーグでメキメキ成長中の左サイドバックだ。最大の武器は左足のキックにあり、精度抜群のクロスやロングフィードで一気に得点の可能性を引き上げる。守備も粘り強く、簡単には突破を許さない。胸に「I'll Never Walk Alone」というタトゥーが刻まれており、一時リバプールのファンなのでは? とも噂されたが、後に両親へのオマージュであることを明かしている。

リュカ・エルナンデス(背番号21)
生年月日:1996年2月14日(25歳)
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:23試合出場/0得点3アシスト
代表通算成績:26試合出場/0得点5アシスト

 ロシアワールドカップ制覇に貢献した左サイドバックのファーストチョイス。攻撃面での貢献度が抜群にあるとは言えないが、アトレティコ・マドリード在籍時にディエゴ・シメオネ監督の下で培ったタイトなマークで相手を封じ込むことができ、スピード勝負でも劣ることがないなど守備力は非凡だ。ミラン所属の弟テオとレ・ブルーで会うことを望んだが、叶わず。

レオ・デュボワ(背番号24)
生年月日:1994年9月14日(26歳)
所属クラブ:リヨン
20/21リーグ戦成績:37試合出場/2得点4アシスト
代表通算成績:7試合出場/0得点1アシスト

 ロシアワールドカップの1年後に代表初招集を受け、そこから「常連」になった男が嬉しいEURO初出場を掴み取ることに。献身的なディフェンスに加え、多彩なクロスと意外性のあるミドルシュートを発揮して攻撃に厚みをもたらせる点が魅力だ。ちなみに、EUROメンバー発表の日は家族と過ごしていたよう。自身の名前が表示されると、父と共に涙を流したのだとか。

ジュル・クンデ(背番号25)
生年月日:1998年11月12日(22歳)
所属クラブ:セビージャ(スペイン)
20/21リーグ戦成績:34試合出場/2得点1アシスト
代表通算成績:1試合出場/0得点0アシスト

 それまで一度もフル代表に呼ばれたことはなかったが、ディディエ・デシャン監督から確かな評価を得て「サプライズ招集」。上背はさほどないが圧倒的なジャンプ力を誇っているため長身選手とのマッチアップを苦にしておらず、水準以上のスピードを活かした鋭い攻め上がりでも存在感を誇示する。序列は決して高くないが、今大会で見てみたい若手選手の一人である。

MF

ポール・ポグバ(背番号6)
生年月日:1993年3月15日(28歳)
所属クラブ:マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
20/21リーグ戦成績:26試合出場/3得点5アシスト
代表通算成績:80試合出場/10得点8アシスト

 ロシアワールドカップ制覇の立役者になった中盤の要だ。身長191cmと大柄で規格外のフィジカルを誇るだけでなく、世界トップレベルのテクニックも兼備。組み立て、崩し、そしてフィニッシュとすべての面で高いクオリティーを発揮する。「僕らはプレイステーション・チームだけど、トロフィーを獲得しなければプレイステーション・チームのままだ」と今大会に向けコメント。

トマ・レマル(背番号8)
生年月日:1995年11月12日(25歳)
所属クラブ:アトレティコ・マドリード(スペイン)
20/21リーグ戦成績:27試合出場/1得点4アシスト
代表通算成績:25試合出場/4得点1アシスト

 ロシアワールドカップ後に移籍したアトレティコ・マドリードで長く苦戦したものの、2020/21シーズンはハイパフォーマンスを披露。おおむね良い状態でEUROに臨めると言えるだろう。切れ味鋭いドリブルと非凡な精度を誇る左足のキックを武器に、他国の脅威となれるか。ちなみに先月、サポーターの前でリーグトロフィーを掲げたところ手すりにぶつけてしまい、焦りの表情を見せた。

コランタン・トリッソ(背番号12)
生年月日:1994年8月3日(26歳)
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:16試合出場/1得点0アシスト
代表通算成績:25試合出場/2得点3アシスト

 バイエルン・ミュンヘンでは怪我の影響でほとんど試合に絡むことができなかったものの、EUROメンバー26人に名を連ねることに。ディディエ・デシャン監督からの信頼は確かと言えるだろう。ただ、この選出に対して疑問を抱く人が決して少なくないのも事実。非凡なダイナミズムと確かなコントロール力を活かして攻守に奮闘し、存在価値を証明できるだろうか。

エンゴロ・カンテ(背番号13)
生年月日:1991年3月29日(30歳)
所属クラブ:チェルシー(イングランド)
20/21リーグ戦成績:30試合出場/0得点2アシスト
代表通算成績:46試合出場/2得点1アシスト

 誰からも愛される世界最高のMFだ。豊富な運動量を武器に幅広いエリアをカバーしてピンチの芽を確実に摘み取り、ボールを持てば縦への推進力を活かして前線を活性化させるなど、90分間でこなす仕事量は計り知れない。所属するチェルシーでは先月、チャンピオンズリーグ(CL)制覇に大きく貢献。今回のEUROでも頂点に立つことになれば、バロンドール受賞もありえるか!?

アドリアン・ラビオ(背番号14)
生年月日:1995年4月3日(26歳)
所属クラブ:ユベントス(イタリア)
20/21リーグ戦成績:34試合出場/4得点1アシスト
代表通算成績:15試合出場/0得点1アシスト

 3年前、ロシアワールドカップメンバーから漏れたことを不服とし、予備登録メンバー入りを拒否。これにより、そこからしばらく代表に呼ばれることはなかった。しかし、ユベントスでの活躍もあり昨年復帰すると、以降は継続して招集。そして今回、初のEURO行きを掴み取ることになった。大柄の技巧派レフティーは「僕は進化した」と大舞台での活躍に自信をのぞかせる。

ムサ・シソコ(背番号17)
生年月日:1989年8月16日(31歳)
所属クラブ:トッテナム(イングランド)
20/21リーグ戦成績:25試合出場/0得点0アシスト
代表通算成績:69試合出場/2得点6アシスト

 所属するトッテナムで不発に終わるも、EUROへの出場を掴み取ることになった。技術力が抜群とは言えないが、フィジカルを前面に押し出したドリブルは破壊力満点で、ハードワークを怠らないという魅力がある。母国で行われた前回大会は予想以上の活躍を見せて評価を高め、そこからキャリアが上昇気流に乗った。今回も“サプライズ”を起こすことができるだろうか。

FW

アントワーヌ・グリーズマン(背番号7)
生年月日:1991年3月21日(30歳)
所属クラブ:バルセロナ(スペイン)
20/21リーグ戦成績:36試合出場/13得点7アシスト
代表通算成績:91試合出場/37得点27失点

 ロシアワールドカップ制覇に中心的存在として貢献したレフティー。ゴールパターンが豊富で味方の得点を演出するようなパスを出すことができ、守備面ではハードワークを厭わないなど、前線でなんでもこなしてしまう器用な選手だ。当然、今大会での注目度も高い。先日のトレーニング中に後輩プレスネル・キンペンベを煽ったところ、軽く急所を蹴られて悶絶。

オリビエ・ジルー(背番号9)
生年月日:1986年9月30日(34歳)
所属クラブ:チェルシー
20/21リーグ戦成績:17試合出場/4得点0アシスト
代表通算成績:108試合出場/46得点13アシスト

 FWとして圧倒的な得点力を持っているわけではないが、長身を活かしたポストプレーの上手さはピカイチ。周囲の選手の能力を引き出せる存在として、ディディエ・デシャン監督から全幅の信頼を寄せられている。そんな背番号9は8日に行われたブルガリア代表戦後、自身の元にボールがなかなか来ないと不満を漏らし、これが物議を醸すことに。その後、謝罪することになった。

キリアン・エムバペ(背番号10)
生年月日:1998年12月20日(22歳)
所属クラブ:パリ・サンジェルマン
20/21リーグ戦成績:31試合出場/27得点7アシスト
代表通算成績:44試合出場/17得点14アシスト

 ロシアワールドカップで主役になった男が、今度はEURO制覇を狙う。一瞬で相手を置き去りにする爆発的スピードにフィジカル、テクニック、決定力のすべてが揃っており、89分間ダメでもラスト1分で仕事を果たせる破壊力を持つ。今大会の得点王候補と見ていいだろう。先日、ボールが来ないと不満を漏らしたオリビエ・ジルーに対し未だ腹を立てているようだが、本番への影響は…。

ウスマンヌ・デンベレ(背番号11)
生年月日:1997年5月15日(24歳)
所属クラブ:バルセロナ(スペイン)
20/21リーグ戦成績:30試合出場/6得点3アシスト
代表通算成績:25試合出場/4得点2アシスト

 気が付けば怪我をしていることでお馴染みだったが、食事やトレーニングの改善を意識したことでフィジカルを強化。20/21シーズンはバルセロナ加入後最多となるリーグ戦30試合の出場を果たした。左右両足をそん色なく使えるだけでなく、爆発的なスピードもあるという「怖さの塊」のようなアタッカーは、その成長ぶりをEUROという大舞台でも示すことができるだろうか。

カリム・ベンゼマ(背番号19)
生年月日:1987年12月19日(33歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
20/21リーグ戦成績:34試合出場/23得点9アシスト
代表通算成績:83試合出場/27得点19アシスト

 2015年、マテュー・ヴァルブエナを恐喝した事件に関与したとして逮捕。フランス代表から「追放」されることになった。しかし、レアル・マドリードでの大活躍もあったことで、約6年ぶり、それもEUROという大舞台でレ・ブルーに帰ってくることになった。坊主頭のFWはディディエ・デシャン監督へ感謝の言葉を述べていたが、真の恩返しはピッチ上で目に見える結果を残すことだ。

キングスレー・コマン(背番号20)
生年月日:1996年6月13日(25歳)
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:29試合出場/5得点12アシスト
代表通算成績:30試合出場/5得点1アシスト

 前回大会は20歳の若さで挑み、7試合中6試合に出場。しかし、0得点0アシストに終わり、チームも準優勝と悔しさを味わっている。本人は昨年「次のユーロに参加する機会があれば、今度はとことんやりたい。未だに2016年を忘れていない」とコメントを残していた。そのリベンジのチャンスはやって来た。あとは、自慢のスピードとドリブルを武器に結果を出すだけだ。

ウィサム・ベン・イェデル(背番号22)
生年月日:1990年8月12日(30歳)
所属クラブ:モナコ
20/21リーグ戦成績:37試合出場/20得点8アシスト
代表通算成績:14試合出場/2得点3アシスト

 リーグ・アン屈指の点取り屋が30歳で初のEUROに挑む。フットサルの代表に選ばれたこともあるほど左右両足の技術が高く、ゴール以外の貢献度も絶大。レ・ブルーでは基本的に切り札として使われるが、申し分ない存在だ。昨年、大人気ゲーム『FIFA20』で自身の特別なカードが出た際、「これで何個のコントローラーが壊れた?」とツイートするなど、その能力に惚れ惚れ。

マルクス・テュラム(背番号26)
生年月日:1997年8月6日(23歳)
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラードバッハ(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:29試合出場/8得点7アシスト
代表通算成績:3試合出場/0得点1アシスト

 リリアン・テュラムという偉大な男を父にもつサラブレッドが、並み居るライバルたちを抑え大舞台への切符を掴み取った。アタッカーながら身長192cmと大柄でアスリート能力が非凡。さらに馬力のあるドリブルとインテリジェンス溢れる動きにも定評があるなど、魅力の多い選手だ。EUROで狙うはもちろん、記念すべきレ・ブルーでの初ゴールということになるだろう。

基本フォーメーション

▽GK
ウーゴ・ロリス(トッテナム/イングランド)

▽DF
バンジャマン・パバール(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
ラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード/スペイン)
プレスネル・キンペンベ(パリ・サンジェルマン)
リュカ・エルナンデス(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)

▽MF
ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
エンゴロ・カンテ(チェルシー/イングランド)
コランタン・トリッソ(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
アントワーヌ・グリーズマン(バルセロナ/スペイン)

▽FW
キリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)
カリム・ベンゼマ(レアル・マドリード/スペイン)

▽監督
ディディエ・デシャン