日本サッカー協会(JFA)は18日、東京五輪に向けたなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)のメンバー18人とバックアップメンバー4人を発表した。

 高倉麻子監督が読み上げたリストの中に、DF鮫島彩の名前はなかった。4月まではなでしこジャパンに名を連ね、主力の1人として試合にも出場していながら、6月のウクライナ女子代表戦やメキシコ女子代表戦に向けた招集メンバーから漏れた。そして、東京五輪もまさかの選外となってしまった。

 鮫島が落選したことで、2011年の女子ワールドカップ優勝を知るメンバーはDF熊谷紗希とFW岩渕真奈の2人のみとなってしまった。高倉監督は「日本のチームを作る時に、やはり自分たちがボールを持ったときにいかに優位にゲームを進めるかに重点を置いて考えた時に、いまの選手たちになりました」と語る。

 高倉監督は就任以降、熊谷や岩渕とともに鮫島にも信頼を置いてきた。2019年の女子ワールドカップにも招集しており、33歳になった現在も左サイドバックでは日本屈指の実力者であり続けている。

 しかし、今年9月のWE.リーグ開幕に向けて長く過ごしたINAC神戸レオネッサから新設された大宮アルディージャVENTUSに移籍したベテランは、代表キャリアの集大成になるはずだった東京五輪出場を逃すことになった。

「鮫島選手は、私が監督に就任して少し経ってから代表に入ってきて、非常に勉強熱心で、サッカーに対する思いの強さがあり、向上心も非常に強く、様々な合宿の中で成長して、今も成長を続けている選手なんじゃないかと思っています。

本当に合宿の中でいいパフォーマンスがあったり、もちろん課題があったりというなかで、間違いなく日々彼女の100%の努力をしてきたと思いますし、私自身も最後までなかなか喉を通らないご飯を食べている姿や1人で怪我の治療をしている後ろ姿を見てきました」

 こうした弛まぬ努力を認めながらも、メンバー外に。やはり鮫島を外すのは「大舞台にチャレンジするなかで、この決断は簡単ではなかった」と高倉監督は語る。一方で「若い選手の勢いや成長も同じように感じていて」今年に入ってなでしこジャパンデビューを飾った選手もいるフレッシュなメンバー構成になった。

「鮫島だけでなく、他の選手も自分の特徴を精一杯出し、日々勉強する気持ち、素直な気持ち、または葛藤がありながら合宿中もプレーしている姿は私の中にはずっとあります。そういった選手たちがいてのの18人、(バックアップメンバーを含めた)22人だと思っているので、彼女たちの分も背負って、最後まで諦めずになでしこジャパンらしい戦いをしていきたいと思います」

 経験の浅い選手たちは自国開催で重圧のかかる東京五輪で、目標である金メダル獲得を達成できるだろうか。鮫島らベテランを選外にしたことを悔やまなくて済むような戦いに期待したい。

(取材・文:舩木渉)