GK紹介

 セリエAも2021/2022シーズンが開幕した。11年ぶりのスクデット獲得を狙うミランは今夏、オリビエ・ジルーやアレッサンドロ・フロレンツィ、マイク・メニャンらを補強し、新たな冒険をスタートさせている。今回は、ミランの最新のスターティングメンバー11人をフォーメーションとともに紹介する(直近数試合のメンバーとフォーメーションを元に作成)。

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マイク・メニャン(フランス代表/背番号16)
生年月日:1995年7月3日(26歳)

 パリ・サンジェルマン(PSG)へ去ったジャンルイジ・ドンナルンマの後釜として迎え入れられたフランス代表守護神。身長191cmという恵まれた体格と身体能力の良さを武器にシュートを防ぐだけでなく、足元の技術にも優れているなどGKとしての総合能力が非常に高い。リールからの移籍金は1500万ユーロ(約20億円)とされているが、お手頃価格だったと言えるだろう。

 今年で26歳となった守護神はセリエA第1節サンプドリア戦で公式戦デビューを飾った。するとそこでさっそくハイパフォーマンスを披露し勝利に貢献すると、その後もピッチ上で安定感のあるプレーを連発。スタートダッシュに大きく成功したと言っていいだろう。ドンナルンマのことを恋しく思っているミラニスタは、すでにいないかもしれない。

DF紹介

ダビデ・カラブリア(イタリア代表/背番号2)
生年月日:1996年12月6日(24歳)

 ミラン生え抜きのライトバックだ。一時はパフォーマンスレベルの低さから批判の的になりベンチを温める機会も珍しくなかったが、ステファノ・ピオーリ監督就任後にまるで別人かの如く覚醒。今や、チームの最終ラインには欠かせないピースの一つとなった。その活躍もあり、昨年冬には嬉しいイタリア代表も飾っているなど、24歳のDFはまさに上昇気流に乗っている。

 豊富な運動量を駆使した積極的な攻撃参加が持ち味で、サイドに張るだけでなく中央に入り自らフィニッシュに持ち込んでしまうことが少なくない。以前まではディフェンスが最大の課題と言われていたが、今では簡単に振り切られることが目立たなくなるなど、粘り強さが確実にアップ。24歳ながらトップチームにおける“最古参”であるこの男には今季も期待だ。

シモン・ケアー(デンマーク代表/背番号24)
生年月日:1989年3月26日(32歳)

 今夏のユーロ2020(欧州選手権)では突如ピッチに倒れ込んだクリスティアン・エリクセンの命を医療スタッフと共に冷静かつ迅速な対応で救出。リーダーとしての頼もしさを発揮し世界中から称賛を浴びた。その「頼もしさ」はミランでも変わらない。昨年途中にセビージャから加入すると瞬く間に最終ラインの要となり、以降チームを大きく牽引。昨季はリーグ戦2位フィニッシュの立役者となった。

 今年で32歳となりスピード不足は否めないものの、対人守備の強さは健在でカバーリングや読みの鋭さが目立つなどクレバーな対応もピカイチ。前線のターゲットへピタリと合わせられるなどロングフィードの質にも定評がある。フェネルバフチェ在籍時に現在のチームメイトであるズラタン・イブラヒモビッチとピッチ上でかなり揉めたことがあったが、もちろん遺恨はない。

フィカヨ・トモリ(イングランド代表/背番号23)
生年月日:1997年12月19日(23歳)

 2019年にイングランド代表デビューを飾っている若きセンターバックだ。今年の冬に下部組織時代から過ごしたチェルシーを離れミランへレンタル移籍すると、そのポテンシャルの高さを遺憾なく発揮しすぐにレギュラーの座をゲット。そして今夏、2920万ユーロ(約35億円)での完全移籍を掴み取ることに成功している。スクデット獲得に向け、今季はフル稼働が求められることになりそうだ。

 身長185cm・体重78kgの体格から繰り出されるパワーで相手FWを封じ込めることが可能なのはもちろん、その見た目からは想像できないほど非凡なスピードも持っているため、簡単に背後を突かれることがないという特徴もある。また、足元の技術も水準以上とかなり万能だ。ちなみに本名はオルワフィカヨミ・オルワダミロラ・フィカヨ・トモリ。覚えるのには一苦労だ。

テオ・エルナンデス(フランス代表/背番号19)
生年月日:1997年10月6日(23歳)

 下部組織時代を過ごしたアトレティコ・マドリードや2017年に加入したレアル・マドリードで確固たる居場所を築くことはできなかった。それでも、2019年の夏に移籍したミランで覚醒。1年目にDFながらセリエAで11得点に関与する活躍を見せると、昨季はそれを上回り実に13得点に関わった。その輝きが評価され、今月には嬉しいフランス代表デビュー。まさに勢いに乗っている。

 爆発的なスピードとフィジカルを兼ね備えていて、それらを融合して繰り出すドリブルの破壊力は間違いなくセリエAトップレベル。そう簡単には止まらない。また、最後には精度の高いクロスやパンチ力のあるシュートでしっかりと決定的な仕事を果たせることもストロングポイントだ。一方で失点に繋がりかねない危険なボールロストや軽い守備が見られるのも事実。ここは改善が必要である。

MF紹介

サンドロ・トナーリ(イタリア代表/背番号8)
生年月日:2000年5月8日(21歳)

 ミラン加入1年目だった昨季は新たな環境に慣れるのに時間がかかり、不完全燃焼に終わってしまった。しかし、2年目となる今季は大きく期待できそう。開幕からスタメンに名を連ね続けており、すでに1得点1アシストを記録しているなど、2020/21シーズンとは違った姿をさっそく披露している。「サンドロが成長しているのは全ての人の目に明らかだ」とステファノ・ピオーリ監督も称賛する。

 アンドレア・ピルロを彷彿とさせるような正確なパスで攻撃にリズムを生むだけでなく、ジェンナーロ・ガットゥーゾが憧れと公言するように豊富な運動量とフィジカルを駆使した泥臭い守備でも存在感を放つ。攻守に万能な頼れるMFと言えるだろう。ちなみに『FIFA22』の発売に先駆け行われたレーティング当てゲームではチームメイトに対しクールに毒を吐き続け爆笑をさらっていた。

フランク・ケシエ(コートジボワール代表/背番号79)
生年月日:1996年12月19日(24歳)

 アタランタから加入した直後はそれほどの存在感はなく、一時は放出候補にも挙がっていた。しかし、ステファノ・ピオーリ監督が就任すると周囲の雑音をかき消すかのような勢いで爆発し、今やミランには欠かせない柱に。昨季は各コンペティションでほぼフル稼働を果たし、リーグ戦ではほとんどPKだが13得点をマーク。この男がいなければ、今季のチャンピオンズリーグ(CL)出場はなかった。

「プレジデント」の愛称で知られる24歳のMFは半端ないフィジカルを誇っており、あらゆる敵を圧倒することを可能としている。運動量も抜群に豊富で幅広いエリアをパトロールすることができ、隙を突いたダイナミックな前線への飛び出しも長所となっている。今後しばらくはミランで活躍…と言いたいところだが、未だクラブとの契約延長には至っておらず、全ミラニスタがその結末を気にしている。

ブラヒム・ディアス(スペイン/背番号10)
生年月日:1999年8月3日(22歳)

 ルート・フリットやマヌエル・ルイ・コスタ、クラレンス・セードルフなど偉大な選手たちが身に着けてきた伝統ある10番を今季より受け継いだスペインの若きMF。両利きという特別な能力の持ち主であり、巧みなドリブルやテクニックで相手を翻弄しチャンスを作り出すプレーが最大の売り。ライン間でパスを受けることも非常に上手い。更なる成長が楽しみな選手の一人である。

 昨季はあまり出場機会に恵まれなかったが、今季はハカン・チャルハノールが抜けたことでトップ下のファーストチョイスに君臨。開幕節のサンプドリア戦でさっそくゴールを奪い、続く第2節カリアリ戦ではアシストを記録するなど申し分ないスタートを切ることに成功している。過去にジネディーヌ・ジダンから「大好きな選手」と称賛された“天才肌”はこの勢いのまま覚醒といけるだろうか。

FW紹介

アレクシス・サレマーカーズ(ベルギー代表/背番号56)
生年月日:1999年6月27日(22歳)

 ベルギーの強豪アンデルレヒトからやって来た2020年冬の時点ではそこまで知られた存在とは言えなかった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大による中断明けからステファノ・ピオーリ監督の信頼を掴むことに成功し、名門ミランの右サイドにおけるレギュラーの座を奪取。昨季も重要なピースとして1年を駆け抜け、久々のチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に貢献することとなった。

 爆発的なスピードや圧倒的なドリブルセンスがあるわけではなく派手さという意味では欠けているが、チームで最も万能と言っていいだろう。とにかく運動量が豊富で終盤まで走り続けることができ、攻撃時はフリーランニングを繰り返してチャンスをうかがい、守備時は一人で広いエリアをカバーするなど、ピッチ上で様々なタスクをこなしている。まさに縁の下の力持ちである。

ズラタン・イブラヒモビッチ(元スウェーデン代表/背番号11)
生年月日:1981年10月3日(39歳)

 サッカー界にその名を残すであろう偉大なるストライカーだ。現在39歳でさすがにスピードやスタミナは落ちたかもしれないが、強靭なフィジカルとピカイチな決定力、そして圧倒的すぎるオーラは今なお健在。そこにいるだけで若手選手に刺激を与えられる、唯一無二の存在と言っていいだろう。昨季はセリエAだけで15得点という数字を残したスウェーデンの「神」だが、果たして今季は。

 年齢的にも怪我が増えてきており、シーズンフル稼働はやはり難しい。しかし、第3節ラツィオ戦で途中出場ながらゴールを決めた通り、ピッチに立てばかなりの確率で数字を残すのがこの背番号11である。今季リーグ戦二桁得点への期待は変わらず高いと言っていいだろう。仏誌のインタビューで「バロンドールが恋しいか?」と問われ「恋しいのはバロンドールの方だろ」と答えたのは流石だった。

ラファエル・レオン(ポルトガル/背番号17)
生年月日:1999年6月10日(22歳)

 ミランでの覚醒が待たれている選手の一人と言っていいだろう。身長188cmとサイドアタッカーとしては十分すぎる体格を誇っていて、その長い足と爆発的なスピードを融合させたドリブル突破で違いを生み出す能力に長けている。以前までは緩慢な守備対応が目立っていたが、ここ最近は指揮官の指導もあり守備時の意識が向上。もちろんまだ伸ばしていく必要はあるが、存在感は着実に濃くなっている。

 昨季、セリエA開幕5試合で2得点3アシストを記録した背番号17は今季もスタートダッシュに成功。第2節カリアリ戦で初ゴールをマークすると、続く第3節ラツィオ戦ではアンテ・レビッチの折り返しを冷静に流し込み貴重な先制点を奪っている。この勢いをどこまで継続できるか。左サイドのファーストチョイスとして、今季はセリエA上陸後初となる二桁ゴールには期待したいところだ。