●「三笘薫はインパクトを残してきたけど…」

サッカー日本代表は27日、キリンチャレンジカップ2022でエクアドル代表と対戦し、0-0の引き分けに終わった。カタールワールドカップに向けた貴重なテストとなるこの試合中、日本サッカーに精通するイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。(語り手:ショーン・キャロル)
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――本日もよろしくお願いします! 森保一監督は予告通り、先発メンバーを23日の試合から全員替えてきました。これについてはどう思いますか?

「あまり驚きはないですね。ワールドカップまでは2か月あるので、『直前』の準備をするより、選手の組合せやチームのオプションをテストしたいんだと思う」

――アメリカ合衆国代表戦でゴールを決めた三笘薫も先発です。

「(昨年の)東京五輪を含めて日本代表ではベンチからインパクトを残してきたけど、先発でも同じような影響のあるプレーができるか期待したいですね!」

――試合が始まりました。エクアドルはテクニックのある選手が多いですね。アメリカ戦とは違った展開になるかもしれません。

「全然違う展開になると思います。エクアドルはイキイキしているね! ブラジルと同じ色(黄色)だし、楽しい試合になりそう」

――三笘が抜け出そうかという場面がありましたが、ファウルで止められました。相手サイドバックとのマッチアップは激しいですね。

「さすが南米のディフェンダーです。良いバトルになりそうですね」

●「なぜ日本代表はうまくいっていないのでしょうか」

――エクアドルにはブライトンの選手が3人います。三笘とチームメイトですね。ブラジルやアルゼンチンではなく、エクアドルの選手が3人もプレミアリーグの同じチームにいるというのは珍しいですよね。

「そうですね。でも、ブライトンのスカウティングは他とは少し違います。『ブレイクした選手』より『これからブレイクするポテンシャルがある選手』をターゲットにしています。三笘もね」

――インプレー中にスプリンクラーの誤作動が…。

「日本がボールを奪った瞬間で…。エクアドルベンチが操作しているのかもしれない(笑)」

――15分が経過しましたが、ここまでは日本代表が押し込まれる時間が長くなっています。

「そうですね。アメリカ戦とは反対の流れ。日本代表はボールキープやビルドアップがあまりうまくいっていません。エクアドルの姿勢が非常に激しく、日本は落ち着くことができていませんね」

――なぜ日本代表はうまくいっていないのでしょうか。

「吉田麻也や遠藤航といったいつもの『屋台骨』がいないのは大きいかな。アメリカ戦の遠藤や守田英正は素晴らしかった。日本は守備と攻撃の距離感があまり良くない。MFがいなくなるときもあります。攻守のバランスは修正する必要がありますね」

●「ボランチ2人だけのせいじゃなく…」

――エクアドルはボールを奪うと一気にゴールに迫ってきますね。

「エクアドルは全体的にプレッシングが激しい。監督も激しいですね」

――ベンチのコーチがイエローカードをもらいましたね(笑)。

――相手ペナルティーエリア内でボールを奪いましたが、古橋のシュートはGKにキャッチされてしまいました。

「やっとチャンスが来たのに! 古橋はガッカリしているでしょうね」

――反対にピンチもありましたが、前半を失点せずに終えました。

「ギリギリですね。ボクシングの試合だったらラウンド1はエクアドルの勝ちだね。エクアドルが主導権を握っていたし、攻撃も危険だった。逆に日本代表があまり機能していなかったね」

――後半に向けて修正すべきポイントはどこでしょうか。

「ライン間の距離感はもっと縮めないといけない。ボールを持つときはもう少し冷静になってほしいですね。エクアドルのプレスは激しいし、ピッチコンディションもあまり良くないので簡単ではないけど」

――たしかに、前線の4人と中盤が離れてしまっていたように見えました。

「そうですね。でもボランチ2人だけのせいじゃなくて、チーム全体の動きがよりスムーズにならないと」

●「相馬勇紀は何か違う」

――後半開始から古橋亨梧に代わって上田綺世が入りますね。

「始まる前から決まっていたのかもしれないね。古橋はワンチャンスあったけど、日本代表が前半はあまり前に行けなかったので、インパクトを残せなかった」

――後半の日本代表に何か変化は見られますか?

「今のところはあまりないですね。攻撃でまだ少し慌てている」

――上田が起点となってチャンスの数は増えてきましたね。

「さっきの柴崎のパスはすごかった! 上田の動きでエクアドルのディフェンスは迷ってきている」

――相馬勇紀、鎌田大地、遠藤航が入りました。

「相馬はいきなりチャンスを作りましたね! 何か違うスタイルを持っている。エクアドルのディフェンダーは困りますね」

――堂安律のシュートはGKに弾かれました。

「惜しかったですね! 鎌田からチャンスが生まれた」

――谷口彰悟のファウルがPKとなってしまいました。でも、シュミット・ダニエルが完璧なセーブ!

「よかったですね! バレンシアが蹴る前のパフォーマンスが影響したかな?」

●1トップの人選は誰がベスト?

――ワールドカップのメンバー発表前最後の試合は0-0という結果に終わりました。

「ラウンド1(前半)はエクアドルだったけど、ラウンド2(後半)は日本だったと思います。アメリカ戦に比べるとパフォーマンスはあまり良くなかったけど、11人を入れ替えるとこうなるよ。今日分かったのは遠藤と鎌田は絶対に外してはいけないことですね。2人は本当に頼もしい」

――1トップの人選は気になりますが、どう思いますか?

「相手にもよりますね。前からプレッシングをかけたいなら前田大然がベスト。2列目の選手が絡むためには上田がいいかな。僕が監督ならドイツ戦は前田にして、2列目は久保、鎌田、堂安(か三笘)かな」

――良かった部分と修正すべき部分が見えた2試合でした。

「そうですね。今日の後半は落ち着きましたし、攻めてチャンスも作った。でも、90分で考えれば引き分けは相応しい結果だと思います」

――今日もありがとうございました。

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。