明治安田生命J1リーグ第15節、横浜F・マリノス対アビスパ福岡が28日に行われ、2-0でマリノスが勝利した。昨年7月に右膝前十字靭帯断裂という怪我を負った宮市亮は後半途中にピッチに立ち、24日のYBCルヴァンカップ・北海道コンサドーレ札幌戦に続いてリーグ戦でも復帰を果たしている。

 その瞬間、2万6115人が詰めかけた日産スタジアムは大きな歓声と拍手に包まれた。宮市はその時のことを「スタジアムが作り出してくれた雰囲気に改めて圧倒しましたし、心が震えました」と振り返る。「感謝の気持ちをピッチで表現したい」と思いながら背番号23はピッチに立った。

 2点を追う福岡は得点の糸口を見つけようと、先発したルキアンと山岸祐也に加え、ウェリントンと佐藤凌我を投入していた。後半開始から4バックに変更した福岡に対し、宮市は積極的に仕掛けていった。

「リードしている展開でスペースもありましたし、スペースを突いて縦に仕掛けたり、スピードをもってプレーすることをチームから求められていた」と宮市は話す。82分にはマルコス・ジュニオールのスルーパスに反応し、左足でクロスを上げた。ボレーシュートを狙った杉本健勇は惜しくもこれをミートできなかったが、宮市らしいダイナミックなプレーを見ることができた。

 得点に絡むことはなかったが、24日の試合よりプレータイムを5分ほど伸ばした宮市。復帰後初のホームゲームとあって、試合後には宮市のユニフォームを掲げるサポーターが多く見られた。「今まで味わったことのないようなサポーターからの熱い思いをすごく感じた」と言い、「単純に楽しかった」と日産スタジアムでの久々のプレーを振り返った。

「本当に試合に出るというときも凄い歓声をくれてありがたいなと思ったし、プロを続けてきてよかったなと思った。そういう人たちがいないと現役を続けるという選択肢はなかったと思うし、本当に感謝でいっぱいでした」

 復帰は果たしたが、札幌戦も含めたこの2試合は復活に向けたスタートに過ぎない。「まだまだスタートラインに立ったところなので、これを積み重ねて出場時間を長くしてチームに貢献できるように頑張りたい」と今後の活躍を誓った。

(取材・文:加藤健一)