【FW編】

サッカーU-23日本代表は現地時間19日、AFC U-23アジアカップカタール2024でU-23UAE代表と対戦し、2-0で勝利した。この試合で、大岩ジャパンのパフォーマンスはどうだったのだろうか。この試合での選手たちのパフォーマンス、そして監督の采配はどうだったのか。今回はA〜Dの4段階で評価する。
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●藤尾翔太(背番号9)
U-23 UAE代表戦:73分OUT
評価:A
 攻撃では、ポストプレーの質の高さを見せた。彼が最前線で体を張り続けたことで、味方選手には攻撃に転じる時間と余裕が与えられた。厚みのある攻撃には彼が不可欠だった。また、守備では前線からの果敢なプレスが印象的。パスコースを切りながら猛然とプレスをかけに行き、UAEの守備陣を苦しめていた。FWとしてゴールを奪えなかったことは残念だったが、その献身的なプレーは間違いなくA評価に値する。

●細谷真大(背番号19)
U-23 UAE代表戦:73分IN
評価:D
 試合終盤に投入されたが、再三訪れた決定機を決めきれず。ボールを受けた時の立ち位置は悪くなかったがシュートの精度が低く、フィニッシャーとしての役割を果たしたとは言い難い。今季は所属する柏レイソルでも未だゴールが生まれておらず、良い状態にあるとは言い難いだろう。。次戦こそは、堅く閉まったケチャップの蓋をこじ開けたい。

●内野航太郎(背番号18)
U-23 UAE代表戦:87分IN
評価:出場短く評価なし
 試合終盤にピッチに立った。結果的にゴールには結びつかなかったが、シュート性のクロスから佐藤恵允の決定機を作り出した。

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【WG編】
●佐藤恵允(背番号10)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:C
 積極的にドリブルで仕掛けていき、高い走力と推進力で相手DFを翻弄することに成功。カットインからのミドルシュートも可能性を感じさせた。サイドでの泥臭い守備に走りまわっていたシーンも印象的で、総合的に攻守において相手の脅威になっていたと言える。ただ、ドリブルで深い位置に侵入した後の判断や、パス・クロスの精度にはまだまだ課題が残る。97分には完全フリーの状態でボールが転がり込んできたが、利き足ではない左足で放ったシュートは枠を捉えることが出来なかった。その長所と短所が良く表れた90分だったと言えるだろう。

●山田楓喜(背番号11)
U-23 UAE代表戦:64分OUT
評価:B
 その左足のキックは、この試合でも抜群の輝きを見せた。試合開始早々ミドルシュートを放つと、その後も精度の高いクロスやパスを供給。相手GKのファインセーブに阻まれてしまったが、37分には左足の正確なフリーキックでゴール左隅を強襲している。この飛び道具は次戦以降も日本の大きな武器になるはずだ。

●平河悠(背番号20)
U-23 UAE代表戦:64分IN
評価:B
 この試合では右ウィングとして出場した。94分にはドリブルで縦に仕掛け、深い位置から右足でクロス。このボールは相手選手に触られてしまったが、佐藤恵允の決定機を間接的に作り出すことに成功した。その後も味方との連係プレーから、随所でテクニックの高さを見せつけた。

【MF編】
●荒木遼太郎(背番号13)
U-23 UAE代表戦:74分OUT
評価:B
 インサイドハーフとして、様々なエリアに顔を出しながら攻撃を活性化した。20分には左サイドの高い位置で左SB大畑歩夢と共にプレスを仕掛け、ボール奪取に成功。そのまま荒木が放ったシュートはクロスバーを叩いたが、意外性あふれる良い選択だった。ゴールやアシストといった数字に残る活躍は見せられなかったが、アジアカップ初戦の出来は上々だった。

●山本理仁(背番号7)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:A
 U-23中国代表戦では不完全燃焼の途中交代となったが、この試合ではフル出場を果たし、見事先制点をアシスト。中盤の底から圧倒的な存在感を放った。ゴールシーン以外でも精度の高いパスをどんどん前線に送り込み、日本が攻勢を強める上で大きな役割を果たしたと言えるだろう。アンカーとして、セカンドボールへの対応や味方が空けたスペースのカバーといった守備的なタスクもしっかりと完遂した。

●川﨑颯太(背番号6)
U-23 UAE代表戦:87分OUT
評価:A
 勝利を決定付ける2点目を奪取。この試合では、山本理仁とポジションを入れ替えながら、タイミングを見計らってゴール前へ飛び出すプレーが印象的だった。ゴールシーンでは左SB大畑歩夢のクロスに反応し、ニアサイドで相手DFの前を取ってヘディング。川﨑の強みである豊富な運動量と高い戦術理解度が、大舞台でゴールという形で結実した。

●松木玖生(背番号17)
U-23 UAE代表戦:74分IN
評価:B
 自らのプレーを起点に、チャンスシーンを何度か作った。85分にはペナルティエリア内で相手選手をかわしてゴール前の細谷真大にクロスを供給。これは惜しくもゴールに繋がらなかった。その約1分後には、細谷のパスからゴール前で得点機を迎えたが、放ったシュートは相手GKの正面に飛び、これもネットを揺らすことは出来なかった。しかしながら、短い出場時間で自分の強みを随所に見せていたことは流石の一言だ。

●藤田譲瑠チマ(背番号8)
●田中聡(背番号14)
U-23 UAE代表戦:出場なし
評価:評価なし

【DF編】
●関根大輝(背番号4)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:A
 右ウィング・山田楓喜との好連係が光った。オーバーラップとインナーラップを上手く使い分け、細かくポジションを修正しながら山田のプレーをサポート。前半には思い切りのよいミドルシュートを打った場面も。現状、右サイドからの攻撃にこの男は欠かせないと再認識させられた。また、後半立ち上がりにファインプレーでゴールを守り切った。

●木村誠二(背番号5)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:A
 エアバトルで自らの強みを最大限発揮した。攻撃では、27分に強靭な肉体と抜群の跳躍力を活かして先制点をマーク。ゴールシーン以外でもセットプレーでターゲットとなり、効果的なプレーを見せていた。守備では、相手FWスルタン・アディル(身長184cm)と互角に渡り合い、彼に枠内シュートを打たせなかった。攻守両局面で躍動した木村は、A評価以外は考えられないだろう。

●鈴木海音(背番号15)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:B
 安定したディフェンスでクリーンシート達成に貢献。堅実なラインコントロールで相手に大きなチャンスを作らせなかった。ビルドアップの際には自信をもってボールを持ち続け、中盤まで持ち運ぶ場面も見られた。

●大畑歩夢(背番号21)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:A
 速い、上手い、強いの三拍子が揃っていた。試合を通して惜しみないハードワークを見せ、機を見計らったフリーランニングも秀逸。適切なポジション取りで攻守に安定感あるプレーを見せた。後半に入ってより攻撃的に振舞うようになり、左サイドから何度もチャンスを創出。繰り返したチャンスメイクが実を結び、66分に川﨑颯太のゴールをアシストした。

●内野貴史(背番号16)
●半田陸(背番号2)
●高井幸大(背番号22)
U-23 UAE代表戦:出場なし
評価:評価なし

【GK編】
●小久保玲央ブライアン(背番号1)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:B
 1点を守り切ったU-23中国代表戦に引き続き、守護神として後方からチームを支えた。日本が押し込む展開が続いたが、43分に最大のピンチが訪れる。相手FWにペナルティエリア内からシュートを打たれた。しかし、この窮地をビッグセーブでしのぎクリーンシートを達成。次戦も無失点に期待だ。

●野澤大志ブランドン(背番号12)
●山田大樹(背番号23)
U-23 UAE代表戦:フル出場
評価:なし

【監督編】
●監督:大岩剛
評価:A
 U-23中国代表戦からスターティングメンバーを7人入れ替えたが、結果は相手に大きな見せ場を作らせず、盤石の勝利を飾った。この白星によりノックアウトステージ進出が確定。唯一の気がかりはFW陣が不発に終わったことか。宿敵・韓国に勝つためには前線の爆発が必要である。