プレミアリーグでは6月の全クラブが参加する会議で、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズが提案した「VAR廃止」に関して投票を行う予定だ。VARの廃止論がイングランド国内で高まる中、米メディア『The Arhletic』は、ヨーロッパ各国のVAR運用の現状とサポーターの反応について現地時間18日に報じている。

 同メディアは、「すでにVARの限界に達した」と述べた上で、「プレミアリーグはVARを導入した後に、方針を転換してシステムを廃止する最初の主要なリーグになるだろう」と指摘していた。

 スペインのラ・リーガでもVARに関する議論は盛んに行われており、バルセロナのシャビ監督は「(VARによる)チームの不利な決定について定期的に不満を述べている」と同メディアは紹介。同監督が指摘するようにシステムの運用方法や意思決定に問題を指摘されることも多く、23年12月からはVARとピッチ上の審判の間の音声会話を事後的に公開することを決定している。

 イタリアのセリエAでは、過去のスキャンダルの影響から審判は他の国よりも厳しく監視されており、文化的な理由からVAR導入自体は歓迎されているようだ。同国では、セリエAの主要国内放送局DAZNが「Open Var」と呼ばれる番組を開始しており、週末に行われた試合の物議を醸す判定について検証が公の場で行われている。そのため、プレミアリーグのようにVAR廃止を求める声は少ないようだ。

 一方で、ブンデスリーガでは「VARは人気がない」と述べた上で、「おそらくイングランドよりもひどい状況だ。VARは中途半端な実験であり根本的な改革が必要だと非難しているドイツメディアも存在する」と、ドイツ国内ではVARに対して否定的であることを同メディアは紹介していた。

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