このままではマズイ…。Jリーグで伸び悩む日本の超逸材6人。いまだ出場ゼロの若き才能は?

フットボールチャンネル8/24(土)7:00

このままではマズイ…。Jリーグで伸び悩む日本の超逸材6人。いまだ出場ゼロの若き才能は?

【Getty Images】

●MF:北野颯太(きたの・そうた)

今季の明治安田Jリーグも後半戦を迎え、熾烈な優勝争い、そして残留争いが展開されている。ベテランから若手までさまざまな選手が印象的な活躍を残している一方、大きな期待を受けていたものの目立った活躍を残せずにいる選手も存在する。今回は、その才能に疑いはないが伸び悩んでいるように見える若き逸材を紹介する。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』参照。情報は8月23日時点。
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所属クラブ:セレッソ大阪
生年月日:2004年8月13日
今季リーグ戦成績:7試合2ゴール0アシスト

 大きな可能性を秘めた20歳は出場機会に恵まれていない。

 セレッソ大阪でプレーするMF北野颯太は、弱冠16歳のときにJ3デビューを果たし、クラブ史上最年少公式戦デビュー記録を塗り替えた。同選手は瞬発力の高さを活かしたプレーが魅力的で、その脚力を駆使してゴールに迫る姿にはかなりの見応えがある。

 そんな北野は2022年2月にプロ契約を結び、ルーキーイヤーでは公式戦29試合に出場。途中出場がほとんどであり、負傷の影響を受けてベンチ外の試合も少なくなくなかったが、プロ1年目からしっかりと場数を踏むことができたことには大きな意味がある。この年はYBCルヴァンカップで3ゴールをあげる活躍を残し、ニューヒーロー賞を受賞した。

 しかしながら、プロ2年目の昨季、そしてプロ3年目の今季は、十分な出場機会を得ることができていない。

 昨季は10月に右膝半月板損傷により戦線離脱を余儀なくされたことも影響して、リーグ戦の先発出場はわずか2試合。リーグ戦初ゴールが生まれたことは喜ばしいが、合計出場時間はわずか279分だった。そして今季は、第27節終了時点でスターティングメンバーに名を連ねたのは1試合しかなく、最近では後半終盤の起用が続いている。
 
 まとまったプレータイムを掴むことができず、本人にとってもどかしい状況が続いていると言えるのではないか。このような現状も影響して、7月にはアルメレ・シティ(オランダ)のトレーニングに参加した。出場機会に苦しみ、伸び悩んでいるように見える20歳はオランダで何かを掴むことができただろうか。

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●FW:中島大嘉(なかしま・たいか)
生年月日:2002年6月8日
所属クラブ:水戸ホーリーホック ※期限付き移籍中
今季リーグ戦成績:9試合1ゴール0アシスト

 大きなポテンシャルを秘めているものの、FW中島大嘉はその才能を完全に開花させることが出来ていない。

 国見高校を卒業した中島は、2021年に北海道コンサドーレ札幌に加入した。プロ1年目は公式戦9試合の出場に留まったが、限られたプレータイムの中で4ゴール1アシストとインパクトのある活躍を披露。勢いをそのままに、プロ2年目となる2022年にはリーグ戦15試合に出場して2ゴール、YBCルヴァンカップでは5試合で4ゴールという結果を残し、ブレイクの兆しを見せている。さらにこのシーズンはU-23日本代表として6試合に出場しており、彼にとって充実した1年だったと言えるだろう。

 しかしながら、“いまのところ”それが中島のピークになってしまっている。

 札幌で迎えたプロ3年目は定位置確保に苦しみ、シーズン後半には名古屋グランパスへの期限付き移籍を決断。だが、その名古屋でもFWキャスパー・ユンカーなど前線の強力なライバルたちに阻まれ、十分な出場機会を得ることは叶わず。最終的にリーグ戦でゴールを奪うことはできなかった。

 今季は藤枝MYFC、水戸ホーリーホックとJ2のクラブで武者修行を続けているが、公式戦の先発出場は2試合に留まっている。中島の市場価値は現在17.5万ユーロ(約2800万円)だ。名古屋へ期限付き移籍していた2023年6月から現在まで市場価値は下降を続けており、そろそろ一定の活躍を見せて上昇気流に乗りたいところ。8月より所属している水戸ではリーグデビュー戦でゴールを奪った。この調子を維持して2022シーズンの再現といきたい。

●DF:中野伸哉(なかの・しんや)
生年月日:2003年8月17日
所属クラブ:ガンバ大阪
今季リーグ戦成績:11試合0ゴール0アシスト

 サガン鳥栖で輝きを放った若きサイドバックは、ここのところ伸び悩んでいる感じが否めない。

 現在21歳の中野は鳥栖のアカデミー出身の選手だ。世代別日本代表に何度も招集されてきた同選手は2020年にトップチームへ2種登録されると、第8節FC東京戦においてクラブ史上最年少となる16歳11か月でJリーグデビュー。シーズン後半には定位置を確保し、最終的にルーキーイヤーでは公式戦15試合に出場した。

 2021シーズンはさらに飛躍を遂げた1年となった。センターバック、サイドバック(SB)と複数のポジションでリーグ戦34試合に出場し、2アシストを記録。左右両足を使って精度の高いパスを供給することができることに加え、鋭い読みと豊富な運動量で相手FWに自由を与えない。世代を代表する左SBとして注目を集め、パリオリンピックの主力を担う存在として期待されていた。

 しかし、2022シーズンに川井健太監督が就任すると、中野は徐々に序列を低下させていくことに。昨季はほぼ試合に絡めなくなり、こうした状況を受けて夏にガンバ大阪でプレーすることを決断した。が、ここでも定位置を確保しているとは言い難い状況に陥り、今季は公式戦13試合の出場に留まっている。リーグ戦ではそのほとんどが試合終盤の投入で、「未完の大器」がもどかしい時間を過ごしていることは言うまでもない。

 所属クラブで十分な出場時間を得ることが出来ていないからか、中野は2023年9月を最後に世代別日本代表に招集されず。結局、パリの地で日の丸をつけて戦うことは叶わなかった。

 苦しい時期を過ごす青黒の背番号33だが、彼にはまだ十分すぎるほど時間が残されている。先月には、FW坂本一彩とともにオランダの名門アヤックスのトレーニングに参加。欧州トップクラブで過ごした9日間で経験したものを自身のプレーに反映させることはできるだろうか。中野の今後のパフォーマンスに注目だ。

●MF:安部裕葵(あべ・ひろき)
生年月日:1999年1月28日
所属クラブ:浦和レッズ
今季リーグ戦成績:0試合

 スペインの名門「バルセロナ」という大きな看板は彼にとって足かせになってしまうのか。

 MF安部裕葵は、2017年に鹿島アントラーズに加入。高校時代には全国高校総体で大会優秀選手に選ばれるほどの実力者であり、彼の加入は大きな期待とともに迎えられた。事実、彼はその期待に応えるパフォーマンスを披露する。プロ1年目となる2017シーズンは公式戦17試合に出場し、4ゴール2アシストを記録。2018シーズンにはJリーグの「ベストヤングプレーヤー賞」を受賞し、2019シーズンには背番号10を背負うにまで至った。

 さらに同年には、コパ・アメリカに臨む日本代表メンバーに招集。そして大会終了後にスペイン屈指の名門バルセロナのBチーム(バルセロナ・アトレティック)に完全移籍することが決定するという、順風満帆に思えるプロキャリアを歩んでいた。

 しかしながら、度重なる怪我によって彼のキャリアは徐々に険しいものになる。2020年冬に大腿二頭筋の怪我を負うと、それが尾を引いて戦列復帰直後も再発を繰り返した。怪我の影響に苦しみ2020年以降まともにプレーすることが出来ないまま、バルセロナとの契約満了を迎えることになってしまっている。

 その後、安部は昨夏に浦和レッズへ移籍することを決断した。負傷などもあって、ピッチでその姿を見ることが長い間出来ていなかったが、今年7月に行われた『Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo』のニューカッスル(イングランド)戦でようやく浦和デビューを果たした。これが約1年ぶりとなる実戦復帰。スペインへ渡ってから厳しい時期が続いていたが、ここから再スタートだ。

●MF:鈴木冬一(すずき・といち)
生年月日:2000年5月30日
所属クラブ:京都サンガF.C.
今季リーグ戦成績:15試合0ゴール0アシスト

 将来を期待された逸材はスイスで磨かれた能力を発揮できず、伸び悩んでいるように見えてしまう。

 京都サンガF.CでプレーするMF鈴木冬一は、セレッソ大阪の下部組織在籍時から各世代別代表に招集されるほどの実力者だ。高校2年次にはC大阪のトップチームに2種登録され、U-23チームの一員としてJリーグ初出場を果たしている。

 そんな鈴木は高校卒業後に湘南ベルマーレで2年間プレーしたのち、2021年冬にローザンヌ(スイス)へステップアップ。左右両足を遜色なく使うことができ、さらに高いゲームメイク能力を兼ね備える同選手は、右ウイングバック、ボランチ、そして攻撃的MFなど様々なポジションで起用された。22/23シーズンはリーグ戦30試合に出場し、4ゴール3アシストを記録。決して華麗なプレーを連発するタイプの選手ではないが、その堅実なプレーはしっかりと評価されていたと言えるだろう。

 スイスで一定の活躍を残した万能型MFは、今冬に湘南時代の恩師である曺貴裁氏が監督を務める京都サンガF.C.へ移籍することを決断した。

 久しぶりのJリーグ復帰となった鈴木は今季開幕から2試合連続で先発に名を連ねた。しかし、その後は途中出場やベンチ外の試合が続いている。京都はここまでリーグ戦27試合を消化したが、先発出場はわずか4試合。加入当初はレギュラーとして期待されていたものの、信頼を掴みきれていないのが現状だ。

 不調にあえいでいたチームは後半戦で調子を上げており、現在は降格圏を脱している。熾烈な残留争いの中で、鈴木は自身の存在感を発揮することができるだろうか。

●MF:本田風智(ほんだ・ふうち)
生年月日:2001年5月10日
所属クラブ:サガン鳥栖
今季リーグ戦成績:0試合0ゴール0アシスト

 サガン鳥栖の至宝は度重なる怪我に苦しんでいる。

 MF本田風智は鳥栖の下部組織で育ち、2020年にトップチームに正式昇格を果たした逸材だ。卓越したスキルをもつテクニシャンであり、相手の意表を突くドリブルで狭いエリアを突破できる。また、中盤から左右両足を使って精度の高いパスを繰り出して好機を演出することも可能だ。

 パス、ドリブル、シュートの3拍子が揃った素晴らしい選手だが、一方で「怪我」という最大の敵を抱えている選手でもある。昨季は第13節アビスパ福岡戦までコンスタントに出場していたが、この試合で左ひざ外側半月板断裂の重傷を負って無念のシーズンアウトに。リーグ戦は12試合に出場し3ゴールという記録で終わった。

 再起を図りたい今季は、川井健太監督によって背番号10を任された。チームメイトも、そしてサポーターも新たな背番号を身に付けた本田に大きな期待をしていたはずだが、7月にクラブから再び左ひざ外側半月板を断裂したことが発表された。1日でも早い戦列復帰が待たれていた中で、追い打ちをかけるように怪我が再発。今季はここまで一度もピッチに立てておらず、新10番のお披露目はお預けの状況だ。いまのところ同選手の復帰時期は明かされていない。

 サッカー界では、素晴らしい才能の持ち主ではあるものの、怪我に苦しんだことで思うような活躍を残せなかった選手が多く存在する。鳥栖の未来を背負う本田には焦らずしっかりと怪我を治してもらい、「ガラスの天才」と呼ばれるようになって欲しくない。

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6/23(月) 21:28更新

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