私の家の近所のスーパーの中にあるパン屋さんは、焼き立てパンの試食もできる人気のお店。そこで見かけた名物女性は、試食が始まるたびにやってきては試食レベルではない量のパンを食べ、ついにはまさかの行動に……。何があったのか私が見た目撃談をご紹介します。
焼き立てパンの試食コーナー
私の家の近所のスーパーの中にあるパン屋さんは、新しいパンが焼きあがるとベルを鳴らして焼き立てを知らせてくれます。
焼き立てパンの良い香りにつられ、私もいつもついつい買ってしまいます。
同時に焼き立てパンの試食コーナーもあって、新作が出ると試食をして買うこともしばしば。
味も美味しくてとても人気のパン屋さんです。
いつも現れる名物女性
そのパン屋さんには焼き立てのベルが鳴ると同時にいつも現れる名物女性がいました。
パン屋さんの店員さんがベルを鳴らして、試食用のパンを持ってくるのを待ち構えるようにやって来て、試食を始めるのですが、それはもう試食のレベルではない量のパンをむしゃむしゃ食べているのです。
後からやって来た小さな子どもが、その様子をポカンと口を開いて見ているくらいです。
他の人が試食をしようとしたら全部なくなっていることもあるくらいでした。
お店の人も困惑しているようで、「お客様、試食はお一人様一つでお願いします。」と注意を受けているのを見かけたこともあります。
まさかの行動にドン引き
ある日、買い物中にまたその名物女性を見かけました。
どうも次のパン屋さんの試食を待っているようでスーパーの店内をウロウロしながら様子を伺っています。
パン屋さんから焼きたてを知らせるベルが鳴ると、一目散にかけて行って試食を始めました。
その日はそれだけにとどまらず、ビニール袋に試食用のパンをコソコソ入れてカバンの中に隠しているのを目撃してびっくりしました。
さすがにお店の人からも注意を受けていましたが、それにもまだ凝りず次の試食時間には上着を脱いでマスクをして、帽子をかぶり、また次の試食を狙っていました。
本人は変装しているつもりのようでしたが、もちろん周囲にはバレバレです。
それから数日後、いつものように買い物に行き、パン屋さんを覗くと、「パンの試食は終了させていただきます。」の案内が……。
名物女性のせいかはわかりませんが、試食コーナーはなくなってしまいました。そして、それ以来その女性をスーパーで見かけることもなくなりました。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kumi.M