私の友人から聞いた話です。友人が働いている会社に入社してきた新入社員さんは、素直で一生懸命で誰もが応援したくなる人でした。そんな新人さんが起こした思わずヒヤッとしたエピソードをご紹介します!

素直でまじめな新入社員

先日、私の所属している営業部に新しい人が入社してきました。
営業ははじめてだということで、私が教育係となり一から教えることになりました。

大変ではありましたが素直で一生懸命な彼女の姿に、私だけでなく部署メンバー全員が協力しようという気持ちになっていました。

名刺交換の練習を終えた彼女に、上司が「名刺にお会いした日付やその人の特徴をメモしておくと覚えやすいよ」とアドバイスしていました。
彼女は目をキラキラさせて「ありがとうございます!」とメモをしていました。

はじめての営業先訪問

ついにはじめての営業先訪問の日がやってきます。
私の得意先に同行して、ごあいさつと名刺交換をしてもらうことになりました。

彼女は緊張しながらも「いってきます!」と元気いっぱいに出発しました。

名刺交換で「やめてー!」

今回ごあいさつするのは50代くらいの男性で、部長をされている方でした。
事前に新入社員を連れて行くことを伝えていました。

そしてとうとう名刺交換デビューです。
彼女の緊張が伝わってきます。
手際は決して良くないものの無事に名刺交換を終えることができ、安堵した空気に包まれました。

その時です。

彼女は胸ポケットからボールペンを出し、お相手の目の前で名刺に「メガネをかけて……」と書き込みをはじめました。

伝え方って難しい

その瞬間、走馬灯のように上司の「名刺にメモを〜〜」というアドバイスが頭の中を駆け巡りました。

私は、全身の血の気が引くのを感じました。
とっさに彼女の両手を握りしめ「やめてーー!」と小声で叫び、先方に土下座の勢いで謝罪しました。

先方はびっくりしていたものの、事情を説明すると笑って許してくれました。

まとめ

まさか本人の目の前で書いてしまうなんて、友人も「予想外だった」と話していました。
ですが「目の前で名刺にメモするのは失礼」というのは、社会人には当たり前だったとしても、名刺交換をしたことがない人にとっては当たり前ではありません。
それからはできる限り、言葉不足にならないようきちんと説明することにしているそうです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:橘るい