間も無く中学受験も佳境に入ってくる頃です。同じ学校を目指す友達は、良き友である反面ライバルでもあるので、親の行動には注意が必要になってくるかもしれません。今回は、中学受験バトルに巻き込まれてしまったママ友Uさんから聞いたエピソードをお伝えします。

娘が中学受験真っ只中のUさん

Uさんの娘は中学受験のために塾に通っています。ママ友であるWさんの娘、W子ちゃんが同じクラスで隣の席だったこともあり、次第に仲良くなっていきました。
そして2人は同じ女子中学に行きたい! と言い出し、お互いに切磋琢磨して受験勉強に取り組んでいたのです。Uさんも仲良し同士同じ学校に行けたらいいなぁ〜と考えていました。

しかし、Wさんは違っていて、「うちは絶対に中学受験を成功させたいの!」と、なんとしても志望校に合格させたい! ライバルは1人でも蹴落としたい! と言った思いであることを他のママ友から聞いて、Uさんとしては少し複雑な気持ちでいました。

試験当日に寝坊!

とうとう試験当日になりました。そして、まさかのUさん親子は寝坊してしまったのです!
Uさんは、夜中に間違い電話が何度もかかってきて、そのせいでなかなか寝付けずにいたのですが、まさか娘まで寝坊するとは思いませんでした。
今まで模試でも寝坊したことなかったのに、なんで? と思って娘に聞いたら「昨日、W子ちゃんとのLINEが途切れなかったの……ごめんなさい。」と白状したのです。
(試験の前日に)と叱りたい気持ちをぐっとこらえて、試験会場に向かいました。(ということはWさんの家も寝坊?)と予想しながら、何とかして無事会場に着き、試験も受けられました。

保護者控え室で不穏な発言が……

試験を待っている間に保護者控え室でWさんに会いました。
「あらあら、当日に寝坊? 夜遅くまでスマホでも見てたんじゃないの〜?」と眠そうに言われ、Uさんは違和感を覚えました。

試験が終わって迎えに行くと、娘はしょんぼりしていました。
「W子ちゃんと話したら、昨日の夜にLINEしてないって言ってたの。寝る前にはリビングにスマホを置いてるんだって。私、誰とLINEしてたの?」と涙ぐみながら言ったのです。
Uさんは「娘が寝坊するようにWさんがスマホでLINEをしていたんだ!」とピンときました。

そんな娘の話を聞いていると、Wさんの元にもう一人女性がやってきたのが見えました。
「お疲れさま〜無事終わった?」とWさんに話しかける声を聞いて、(え、この声……昨日の間違い電話の声だ!)とUさんは気付いたのです。「お姉ちゃん、しーっ」とWさんが言っているのも聞こえ、実の姉にも片棒を担がせていたことに気付いたのです。

ヤラレター!!! と怒りが湧いてきたと同時に終わったことはしょうがないと思い、そのあとの試験前日からは、娘とUさんのスマホは電源を切ってリビングに置いて寝ることにしました。

結局、Uさんの娘もWさんの娘も、どちらも無事合格しました! しかし、この後もWさんの毒牙に怯えるのかと思うと、気が気じゃないUさんなのでした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:南さおり