あなたのお弁当には何が入っていますか? 手作りのおかず、大好物の唐揚げ、そしてアレも入っているのではないでしょうか。今回は、筆者のママ友Eさんから聞いたスーパーで遭遇したアレにまつわるエピソードをご紹介します。

仕事をしながらお弁当作りに奮闘するEさん

Eさんには、幼稚園に通う6歳の息子がいました。Eさんは幼稚園の延長保育を利用して、時短勤務で仕事をしていましたが、園のお弁当作りがいつも苦手で、冷凍食品に頼っていました。息子も美味しい美味しいと言いながら毎度完食してくれるし、スーパーに一緒に買い物に行くと冷凍食品売り場で「これが食べたい! 今度お弁当にこれ入れて!」と楽しく買い物ができるほどでした。

スーパーで会った嫌味なママ

ある日の夕方、息子を幼稚園までお迎えに行った足で、Eさんはスーパーに買い物に来ていました。この日は夕飯の買い物と、お弁当のおかずを探しに冷凍食品売り場にいました。息子と一緒にどれにしようかと選んでいると、同じ幼稚園に通うYさんに会いました。そして、「あらこんにちは〜え、冷凍食品? Eさんのお家は幼稚園のお弁当に冷凍食品を使ってるの? ダメよ〜手作りしてあげないと〜」と、まさかの冷食批判が始まったのです。
(こんなところで……やめてよ)とEさんが気まずそうな顔をしていると、息子が「おばちゃん、なんでこれがダメなの? これはお弁当のプロの人が作ったおかずだよ? 何がだめなの?」と素朴な疑問を投げかけたのです。

強気な息子に援護射撃が入る!

Eさんは息子が突然発言したことに驚いただけでなく、冷凍食品のおかずに対してそこまで考えていたことにも驚きました。Yさんはそんな息子に少し圧倒されつつも、「え、だってね〜……」と何かを言い始めようとしていました。
その時、「私にも理由を教えてくれないかしらねぇ」と、近くで冷凍食品のお弁当を選んでいた年配の女性も話に入ってきました。「最近はお弁当自体が冷凍になっている便利なものもあって、一人暮らしにも助かってるんだけどね〜冷凍食品の何がどうダメなのか、私にも説明してくれるかい?」と詰め寄っていったのです。思わぬ援護射撃に、Eさんは呆気に取られてしまいました。

悪気はなかったのでしょうが、結局、Yさんは何も言わずに、その場をそそくさと離れていきました。Eさんが戸惑っていると、Yさんに詰め寄っていた年配の女性が話しかけてくれました。
「大丈夫よ、私だって息子のお弁当、いーっつも冷凍のおかずを頼ってたから! 今じゃ立派に健康な大人になってるから、心配いらないよ」と言って、その方も去っていったのでした。
女性の温かい言葉に助けられ、「お母さん! 早く買って帰ろう!」と、息子が自分の好きなおかずの冷凍食品を手にしながら呼んでいる姿を見て、頼もしい子に育ってくれたなと、しみじみ感じたEさんなのでした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:南さおり