自転車は気軽に移動できる便利な乗り物ですが、停める場所を守らなければ人に迷惑をかけてしまうことがあります。今回は、迷惑な無断駐輪にまさかの仕返しをした経験のある筆者の知人Yさんに聞いたお話です。

学習塾の駐輪場

当時Yさんが勤めていた会社は、有名な学習塾の隣に位置していました。

そのため夕方になると塾に来る高校生たちが自転車で塾に来るのですが、駐輪場に自転車を自分勝手に停める高校生たちが多いせいか、塾の駐輪場だけではスペースが足りなくなってしまうのです。

そして停めきれなかった学生が、無断でYさんの会社の建物の前にはみ出して自転車を停めるようになってしまいました。
「また無断駐輪か…… 出入りしづらくて困るわ」
Yさんの会社は人の出入りが多いので、建物の前に自転車を停められると出入りがしづらいうえに、営業先から戻って来た社用車の駐車の邪魔にもなるので困っていました。

塾に苦情を入れても無断駐輪禁止の貼り紙を貼っても、直接学生たちに停めないでと言っても効果は一時だけで、またすぐに無断駐輪されてしまいます。

それ、無断駐輪です

「もう我慢できない! みんな手伝って!」
ある日Yさんは、会社の同僚たちを連れて外に出ました。
「自転車を移動させるの? でもスペースがないけど……」
「大丈夫、塾のオーナーには動かしていいって許可取ったから」
Yさんはそう言って、同僚たちと一緒に無断駐輪されている自転車のところに行きました。

「この自転車たちを可能な限り詰めて!」
「わ、わかった!」
Yさんたちは自転車を一台一台移動させ、敷地の端に寄せていったことで、建物の前のスペースが空き、出入りしやすくなりました。
「でもこれ、出すの大変じゃない?」
そうつぶやいた同僚に、Yさんはにっこり笑って建物の前に貼られた一枚の紙を指さしました。そこには『無断駐輪お断り、万が一駐輪された場合、トラブルがあっても一切責任は負いません』と書いてあります。

案の定、その日の授業が終わる時間には、「自転車が出せない!」という悲鳴が響いていたとのこと。少しやり過ぎかなとも思いましたが、本来の塾の駐輪スペースに全員分の自転車を停めようとすると、ハンドルとペダルが絡み合ってしまうほど、自転車の数が多いことは明らかです。これを見た塾のオーナーも、ようやく事態を把握。無断駐輪が発生しないように対策を考えると約束してくれました。

他の人の迷惑にならないよう、自転車は決められた場所に整列して駐輪するのが大切ですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子