普段の生活ではあまり意識することがなくても、冠婚葬祭ではマナーが身に着いているかどうかが問われる場面って多いですよね。今回は参加した葬儀の最中に起こったトラブルのエピソードを友人が聞かせてくれました。

上司が亡くなり……

友人のA子は両親ともに1人っ子で親戚も少なく、これまで正式な葬儀に参列したことがありませんでした。
ところが、先日会社の上司が亡くなり、同僚たちとともに葬儀に参列することに。

A子は大慌てで服装や持ち物を調べて、必要なものを購入。
香典袋の書き方やお札の入れ方などもネットで調べ、失礼がないように準備しました。

これで抜かりはないはず! と気を引きしめて葬儀に臨んだA子でしたが……

え、みんな何してるの?!

しかし葬儀が進み、弔問客の焼香が始まるとA子はビックリ!

葬儀に参列したことがないため、焼香が何をするものなのか分からなかったのです。
他の人の動作を見ようとしても、みんな後姿で何をしているのかがいまいち分かりません。

「何かを指で摘まんで、顔に近づけて、別の容器に入れてる……?」A子は焦りながら必死で予想。シーンとした会場で近くの同僚に聞くわけにもいかず、そのまま自分の番を迎えてしまいました。

静かな会場に響いたのは、まさかの……!

仕方なくA子は「きっと、あの粉の匂いを嗅ぐんだ!」と予想。
焼香台に進むと、抹香を指で摘まみ鼻に近付け、スゥーッ! と思い切り吸い込みました。

あまりに深く息を吸い込んだため、抹香はA子の鼻の中に!

次の瞬間、A子は静かな会場中に響き渡るほど大きな音で、「ハ、ハ、ハックショーンッッ!!!」とくしゃみをしてしまいました……。

知らずに大恥をかくことに

ご存知のとおり、焼香とは抹香を指で摘まみ香炉に落として香りを立てる行為で、故人のあの世での幸せを祈るとともに、焼香する側の邪気を祓うためのものとも言われています。

宗派にもよりますが、摘まんだ抹香を自分の額に近づけて、目の位置より高くかかげ、香炉の上に落とすのが正しい作法です。

A子はそれを知らず、匂いを嗅ごうとしてしまったのでした。

まとめ

静粛な葬儀の場で大失態をしてしまったA子。もちろんその後すぐご遺族に謝罪したそうですが、「故人もきっと笑顔になってたと思いますよ」と温かい言葉をかけてもらえたそうです。

とはいえ、マナー違反なのは変わりません。それからは絶対に失敗しないよう、葬儀の際には宗派などをしっかり調べて予習しているとのことです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの