孫という存在は実の子よりかわいく感じるという話はよく聞きますが、世の中には孫によって態度を変えるおじいちゃん・おばあちゃんもいます。今回はひょんなことからお姑さんが自分の子と他の孫を差別していることに気付いた経験のある私の知人、Cさんから聞いたお話です。

お誕生日のお祝い

Cさんには中学生の娘がいて、そろそろ15歳のお誕生日を迎えようとしていた頃でした。

「お母さん、おばあちゃんがお誕生日のお金振り込んでくれたって!」
誕生日が近づいていたある日、Cさんの娘は電話を握りしめて嬉しそうに言いました。

お姑さんにはCさんの娘が初孫。誕生日が近づくと毎年欠かさず電話をくれるなど、とてもかわいがってくれているのです。

本来なら会いに行って一緒にお祝いをしたいところですが、あいにく旦那さんの実家は遠く、Cさん一家が住んでいるところから飛行機でないと行けない距離にあります。

そのため毎年お姑さんが娘の口座に、お誕生日のお祝いのお金を振り込んでくれていました。

「わかった、じゃあ銀行でおろしてくるね」
「よろしくお願いします、何買おうかな〜」
ウキウキとした様子の娘を家に残し、Cさんは銀行に向かいました。

金額に違和感

「あれ、今年はなんか多いな」
Cさんはまず振り込みを確認するために、通帳記入をしました。

すると、お誕生日のお祝いは毎年1万円と決まっていたはずなのに、今回はその3倍の3万円が振り込まれていることがわかったのです。

「どうしたんだろう、高校の入学祝にはまだ早いし 」
もしかしたら何かの間違いかもしれない、でももし好意で増額してくれてたら気まずい、とCさんはしばらく悩みました。

「うーん、やっぱ聞いてみよ!」
Cさんは意を決して、お姑さんに電話をかけてみることにしました。

「もしもしお義母さん、お誕生日のお祝いをありがとうございました!」
「ああCさん、わざわざ電話くれてありがとう。いつもの1万円だけど、好きなもの買わせてあげてね」
「1万円? 今回は少し多く振り込んでいただいているようですが……」
やっぱり何かの間違いだったのかとCさんが思った瞬間、お姑さんの口から出たのはまさかのセリフでした。

孫差別発覚

「あら、娘の方の孫と間違えちゃったわ。悪いけど2万円返金してくれる?」
「え……?」
娘の方の孫とは、旦那さんの妹の子どものことだとすぐにわかりました。

旦那さんの妹の子は娘と誕生日が近いため、送金するときに間違えてしまうのは仕方のないことです。

それよりCさんが気になったのは、旦那さんの妹の子はまだ小学生でCさんの娘よりもずっと小さいのに、3倍の金額を貰っているということでした。
「間違えちゃってごめんねー、アハハ」
金額に差をつけていることがバレたのが気まずいのか、お姑さんは電話の向こうでごまかすように笑っているのが聞こえました。

そしてCさんは3万円を全額、お姑さんに返金したのです。

「はい、おばあちゃんからお祝いだよ」
Cさんは自分のお給料から、1万円を娘に渡しました。

そして旦那さんに今日あったことを話すと、旦那さんは激怒。
「2人しかいない孫を差別するなんて、信じられない!」

翌日旦那さんはお姑さんに電話をして、「差をつけられるくらいなら、もう誕生日のお祝いはいらない」と伝えたそうです。

人間ですから好き嫌いがあるのは仕方のないことですが、たった2人の孫なのですから、できれば平等に愛を注いで欲しかったですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子