今回は、私の友人から実際に遭遇した非常識なクレクレ親子のお話を聞きました。クレクレはママ友だけかと思っていましたが、どこにでも出没するようです。

大好きなピアニストが地元に

私は30代半ばの主婦。幼稚園から中学までピアノを習っていて、大人になってからも趣味としてずっと続けています。
地元の文化会館に大好きなピアニストがやってくると発表された時、こんな片田舎に来ることは滅多にないので大興奮! せっかくなので指使いも見られるような良席で見たいと思い、予約開始日にはわざわざ会社の半休を取って予約しました。

見知らぬ母親が突然!

リサイタル当日、狙い通り鍵盤が見える席に陣取った私は、今か今かと開演を待ちわびていました。すると、私の前に小さな男の子を連れた母親がやってきて、
「この子と席を替わってほしい」
と言ってきたんです。
驚きましたが、もちろんお断りしました。しかし、母親は全く引き下がることなく、子どもを私の前に立たせてまくし立ててきました。

「ピアノを習っている息子にいい席で見せてやりたいの! この子の将来がかかってるのよ! あなたなんかただのファンでしょ? ほら、あの席でも十分見えるからいいじゃない! 大人なんだから子どもに譲るのは当たり前でしょ!」

せっかくのリサイタルが台無しに

自分勝手な言い分で責められ固まっていると、周囲の人たちも騒動に気付いて声を掛けてくれましたが、母親の勢いは止まらず……。

その様子を見ていた人たちが係員を呼んできてくれて、親子はホールの外に連れていかれました。騒動は落ち着きましたが、見ず知らずの人に絡まれたのは初めてだったので、私は精神的に不安定になってしまい、せっかくのリサイタルも楽しく見ることができませんでした。

その後

後で周囲にこのことを話すと、アイドルのコンサートや野球の試合で同じように席を替わってくれと言われた経験があるという人がいて驚きました。

非常識な人がいるとは知っていたけど、まさか自分の身に降りかかるとは……。子どもにいい席で見せたいという親心はわかりますが、それ以降、コンサートや舞台に行くと、また言われないかとビクビクしてしまいます。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kato Rira