バスや電車などの公共交通機関は、マナーを守って利用しなければいけません。これは私の友人Mが実際に出会ったトンデモ乗客のお話です。

大きな声で通話だけじゃなく……

私の友人Mは仕事帰りにいつも利用しているバスに乗っていました。このバスは学校や会社が多い地域を走っているので、常に混雑していたそうです。

その日はいつもよりも混雑していると感じたM。よく見ると一番後ろの座席に足を広げ、荷物で座席の両側を占領している男性がいたそうです。バスが走り出した直後、あろうことかその男性は大きな声で電話をし始めました。

見て見ぬふりの運転手

バスは混んでいて、小さな子供連れの女性や、大きな荷物を持った高齢者の方もいたそうです。Mはあまりにも非常識な男性に腹が立ち、運転手に声をかけました。

しかし運転手は「はぁ……」と言うだけで、何も注意をしません。駅に近づくにつれ、車内がさらに混雑してきたにも関わらず、男性は通話も席の占領もやめませんでした。

ちょっと怖そうな乗客

そんな中、ある高校のバス停に止まると、3人の男子高校生が乗ってきました。見た目が派手で怖そうな感じの高校生だったので、Mは思わず目を伏せてしまったといいます。

しかし後ろの席で大声で話す男性を見た1人の高校生は、すぐ運転手に「電話している人いるけど。注意しないの?」と声をかけてくれたそうです。運転手は困ったような顔をしてはいても、注意はしませんでした。

あんた何してんの?

運転手が何もしないと分かった高校生は、グイグイと乗客を押し分けて後方へ進み、男性の近くまで行きました。Mがハラハラしながら見守っていると、高校生の声が聞こえてきたそうです。

「あんた何してんの? 大声の電話が周りに迷惑かけてるって分からないの?」

決して怒鳴るわけでもなく、冷静な口調の高校生……見た目が怖そうなことから、男性はすぐに電話を切りました。

「ここはあんたの家じゃない。バスなんだから、荷物くらいまとめて膝の上に置けよ。」

周囲の視線もありバツの悪くなった男性は、次のバス停で逃げるように降りて行ったそうです。

まとめ

Mは怖そうだと思った高校生が冷静に注意してくれる姿に、とても感動したと言います。少し無礼な言い方ではありましたが、怒鳴り散らしたわけでもなく、至極当然のことをしっかりと注意できる勇気に、大人として恥ずかしいと思ったとも言っていました。

見た目で判断したり、注意ができなかったりしたことを、周りの人たちも恥ずかしく思ったはず。勇気と常識ある高校生にアッパレ! なお話です。

ltnライター:RIE.K