マウンティングをするタイプの人は、学歴や年収、容姿など様々な材料でマウントをとろうとするものです。今回はすぐにマウンティングするママ友の、化けの皮が剥がれる瞬間を目の当たりにした経験のある私の知人Yさんに聞いたお話です。

学歴マウントを取るママ友

Yさんは当時小学校低学年の子どもと、旦那さんとの3人暮らし。

近所には子どもが同じ小学校に通うママ友が数人いましたが、その中にちょっと困った人がいました。

その人はCさんといって、自分が隣の市の偏差値の高い高校を出ているため、何かにつけて学歴マウントを取ろうとすることで有名な人でした。

「Yさん、あなたはどこの高校を出たの?」
「〇〇高校だけど……」
「ふーん、普通ね。私は名門校出身なの。学歴が釣り合わないかもだけど、気にしなくていいわよ 」
終始このような感じで、子どもたちの進路の話をするときも、いつのまにか自分の卒業した高校自慢になっているのです。

たしかにCさんが卒業した高校は国立大学に進学する生徒ばかりという評判の、中高一貫の超名門校です。しかし、そのわりにCさんは大学の話は全くしません。少し気になってはいたのですが、とても触れられる雰囲気ではありませんでした。

新しいママ友

そんなある日、最近引っ越してきて、子どもが同じ小学校に転校してきたRさんという女性が、ママ友グループに入ってきました。
「Rです、よろしくお願いします! 」
Rさんはとても明るく感じの良い人で、他のママ友たちに比べると少し年齢が若く、とても目立つ存在でした。

「若いわねー、学校もろくに行かずにデキ婚しちゃったんじゃないの? 」
CさんはRさんに会うなり、嫌味たっぷりに言いました。
「そうなんです、高校卒業してすぐに」
RさんはCさんの嫌味などまるで気にしていないようでした。

「で、Rさんはどこの高校出たの?」
Cさんお得意の質問に、RさんはCさんが卒業したのと同じ名門校の名前を答えました。
「あら偶然ね、私もよ!」
「そうなんですね! 中等部の〇〇先生、めちゃくちゃ怖くなかったですか?」
Rさんは先輩がいて嬉しかったのか、母校トークを広げようとします。
「わ、私は高校から入学したから中等部のことは知らないわ」
「えー、そうなんですか?」
「ええ、私は特に優秀だったから」
フン、と鼻を鳴らすCさんに、Rさんは首を傾げながら言いました。
「おかしいな、あの学校って確か、もう何十年も高校からの生徒は募集してないはずですけど。よーっっっぽど優秀だったんですね、Cさん!」

その言葉を聞いて、Cさんは顔を真っ赤にしてその場を去って行きました。実はRさん、Cさんが学歴自慢をしていることを他のママ友から聞いて知っていたそうです。

最初は同じ学校の先輩がいるということで嬉しかったRさん。偶然CさんとRさんのお兄さんが同じ学校の同じ学年だったため、卒業アルバムを見せてもらったのです。
「Cさん載ってないから、絶対嘘だと思ったんだー」
Rさんはそう言って笑いました。

その後Cさんが学歴マウントを取ろうとすることはなくなったそうです。

何か理由があったのかもしれませんが、学歴マウントを取ろうとする人が、実は学歴詐称をしていたなんて皮肉ですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子