心霊現象を体験したことはありますか? これは私がまだ小学生のころ、私と母が体験した不思議なお話です。
来客
近所に住む父の友人Aさんが遊びにきたときのこと。
父は仕事からまだ帰宅しておらず、私と母はAさんと玄関で話をしていました。
その日は少し肌寒い11月だったため、家中の窓を閉めていました。ドアが閉まっているとは言え玄関も少し寒かったことを覚えています。
雑談の最中、Aさんは「実は僕ね、少し霊感があるんだ」と言い、自身が今日体験した心霊現象について話してくれました。
半信半疑でしたが、Aさんは話し上手だったため、母と2人で聞き入ってしまいました。
不思議な心霊現象
話を聞き始めて数分経ったころでしょうか。
廊下に隣接する部屋のドアが勢いよく開いて、「バンッ」と音を鳴らして閉まったのです。
部屋にいる妹の仕業かと思いましたが、妹は「どうしたの?」とリビングから顔を出しました。
すぐに先ほどの部屋を確認しましたが、やはり窓は閉まっていて、中には誰もいません。
「一体、どうして……?」と私と母は身を寄せ合い怯えました。
まさかの展開に
そのときAさんが口を開きました。
「ごめんね、こういった話をしていたから連れてきてしまったみたい。」
普段からお調子者のAさんだったので、私たちの気を紛らわすために言っているのだろうと思いました。
しかし、Aさんは続けてこう言うのです。
「大丈夫、連れてきてしまった子は僕が連れて帰るよ。
これから玄関の風鈴が鳴るのが合図だからね。」
その直後、玄関にある風鈴が、風も吹いていないのに「チリンチリン」と2回音を鳴らしました。
そのままAさんは帰っていき、私と母は現実に起こったことなのか? としばらく呆然としました。
その後
それからしばらくはその部屋に近寄るのに怖さを感じていましたが、その後とくに心霊現象に遭遇することはないまま。
私たちは、本当にAさんが連れ帰ってくれたんだなと確信しました。
後日Aさんと話したときに聞いたのですが、面白おかしく霊の存在について話していると呼び寄せてしまうことがあるそう。
幽霊は何か伝えたいことがあったのでしょうか?今でも忘れられない不思議な体験です。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Emi.A