電車の中で迷惑行為を行う人に遭遇してしまうこともありますよね。勇気を持ってその人を注意したとしても、相手が反省するとは限らないもので、窮地に陥ってしまうこともあります。今回は知人から聞いた「電車の中でツバを吐く男の話」をご紹介します。

電車に乗っていると……

Aさんはその日、彼女と一緒に電車に乗っていました。一緒に遊園地に行くつもりだったのです。しかしそこで事件が起こります。

Aさんたちがつり革に掴まって、楽しく会話していると、途中の駅で1人の男性が乗り込んで来ます。40代ほどに見える、スーツを着たサラリーマンの男性です。

男性は電車を見渡し、座る場所がないことがわかると「チッ!」と大きな舌打ちをしました。

態度が悪い乗客……。その時点で、Aさんは嫌な予感を感じました。

男性のまさかの行動

その後、その男性は手すりを掴み、Aさんたちの近くに立っていました。その間も、機嫌が悪そうな様子……。そしてAさんの嫌な予感が当たることになります。

なんとその男性は突然、電車の中で「ぺっ!」と唾を吐いたのです。

しかもその唾は、Aさんの彼女の靴をかすめ、思わず彼女は「きゃっ!」と声をあげます。そんなことをされたら、当然Aさんも黙っているわけにはいきませんでした。

男性に注意すると……

「ちょっと! 何やってるんですか!」Aさんは声を張り上げます。

すると男性は「あっ?」と声をあげ、Aさんを睨みつけます。一瞬、Aさんが怯むと、車内に響き渡るような大声で、男性はAさんを恫喝してきました。

「なんか文句あんのかこのガキ! 俺に逆らったらどうなるのかわかってんのか!」

そんな怒声に、Aさんは恐怖で言葉が出てこなくなってしまいます。

「おらっ! 何黙ってんだ! さっきの威勢はどうしたんだよ!」

そう言われ、詰め寄られるAさん。逆ギレされ、大ピンチの状況でした。しかしそこで助けが入ります。

1人の男性が声をあげ……

「お前が汚ねえツバ吐いたからだろ!」

突然、別の男性がそんな声をあげます。Aさんとツバを吐いた男性が同時にそちらに目を向けると、そこには体の大きな、怖い顔をした男性の姿が……。

その大きな体と、怖い顔を見たツバを吐いた男性は、思わず怯みます。

すると「誰が悪いかなんて一目瞭然だ。この兄ちゃんに謝れ!」と、男性は言ってくれました。

ツバを吐いた男性は一瞬、迷っていた様子でしたが、絶対に敵わないその男性の姿を再確認し、諦めた様子。

「すいませんでした……」Aさんにそう謝罪し、逃げるように去っていきました。

Aさんは助けてくれた男性に「ありがとうございました」と告げると、男性は「大丈夫」と一言。こうしてAさんはなんとかピンチを脱することができたのです。

電車の中で怒声をあげられたら、思わず怯んでしまいますよね。助けてくれた男性には感謝です。

ltnコラムニスト:ふくろうクジラ