誰にでも意外な面というのは存在するものです。付き合っていく中で、良い意味でも悪い意味でも「こんな人だとは思わなかった」と思う瞬間もありますよね。しかし、時にはそれが思わぬ形でトラブルに発展することも……。今回は友人から聞いたエピソードをご紹介します。

入院中、何度も来てくれる同僚

私は数年前、持病の悪化で1年ほど入院生活を送っていました。
当時、私は夫が経営する会社で事務員として働いていたのですが、当然その仕事も長期で休むことになってしまい、落ち込む毎日……。

そんな私を心配して、同僚のM美という女性が何度もきれいなお花を持ってお見舞いに来てくれました。

しかし、看護師さんは

家のことも会社のこともできず、気持ちだけが急く入院生活に、M美が持ってきてくれるお花は束の間の癒しを与えてくれました。

私はM美に心から感謝していたのですが、何度かM美が訪れたあと、いつもお世話をしてくれる看護師が真剣な表情で「あの人には気をつけたほうがいいかも」とコッソリ注意してきました。
一体どうしてそんなことを……?

意味を知ってゾッ……!

詳しく理由を聞くと、なんとM美の持ってくる花に理由がありました。

・シクラメン→「死」や「苦しみ」を連想させる
・アジサイ→枯れて色あせる様子が縁起が悪い
・チューリップ→花が落下する様子が縁起が悪い

などなど、普通はお見舞いに持ってこない花をあえて毎回持ってきていると言うのです。

偶然かもしれませんが、闘病でナイーブになっていることもあり、やはりこれだけ重なると不気味に感じてしまいます。それに、たしかに私も「珍しいチョイスだなぁ」と思っていました。

看護師も「1度だけなら偶然かな? と思うけど、もっと他にお見舞いに適したお花がたくさんあるのにこんなに何度も不適切な花が続くのはおかしいよ」と言うし、私は夫を通してこれからは面会を控えてもらえるようにそれとなくお願いしました。

良い人だと思っていたのに

しばらくして、夫からさらに衝撃の事実が!

「実は、M美さんに言い寄られてしまった。もちろん断ったけど、仕事にも影響が出ていてほかの社員にも迷惑がかかっているし、今年度で辞めてもらうことにしようと思う」と言うのです。

M美はおそらく、夫の妻である私のことが憎かったのでしょう。それで、花にその感情を込めたのではないでしょうか。

お花が好きで、穏やかな女性だと思っていたのに……。他にも理由があったのかもしれませんが、まさか内側にそんなギャップを秘めていたなんて驚きました。
私が退院したころにはすでにM美は退社していたので、あれから会うことはありませんでしたが、今でも思い出すとゾッとする出来事です。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの