困った時にはお互い様ですから、急用ができた時などにママ友同士で子どもを預け合った経験のある人も多いのではないでしょうか。しかしその用事が全くの嘘であることがわかったら、あなたはどうしますか? 今回はそんな嘘の用事で子どもを預かった筆者の知人Mさんのお話です。

ママ友の子を預かることに

Mさんは小学校低学年の子を持つママ。

ある日、近所に住む同じクラスのママ友が突然Mさんの家を訪ねてきました。
「先日姑が急に亡くなってしまって…… 夫の実家に誰もいなくなるから、実家を処分することになって。それでね、これから実家の片付けをする間、夕方から夜までうちの子を預かってほしいの」
「それはご愁傷様でした……片付け大変よね、私も経験したからわかるわ」
Mさんは昨年母を失くしているため、人が亡くなった後の手続きや片付けがどんなに大変かを理解していました。

そしてそれから平日の放課後は毎日ママ友の子をMさんの子と一緒に下校させ、ママ友が実家から帰って来る夜の19時頃まで預かることになりました。

ママ友の嘘が発覚

それから毎日のように子どもが家の前で待つようになり、ママ友の子を預かることになってから、約1ヶ月が経ちました。
さすがにもう片付けは終わっている頃であるはずなのに、片付けはどうなったか尋ねてもはぐらかされてしまいます。

「いったいいつまで預かったらいいのかな…… 」
Mさんはママ友の子どもに、片づけがどうなったか聞いてみることにしました。
「おばあちゃんちはどうなったか、ママから何か聞いてる? 」
すると子どもはおやつを食べながらきょとんとした顔をしています。

「おばあちゃんち? こないだ行ったよー。おばあちゃんがケーキつくってくれた」
Mさんはてっきり子どもがママ友の実母の話をしているのだと思いました。

「それはママの方のおばあちゃんだよね、パパの方のおばあちゃんちのこと……」
「パパの方のおばあちゃんだよ、ケーキつくってくれたの」
「え? おばあちゃん最近死んじゃったんじゃない? 」
「えー、死んでないよ。パパの方もママの方もこないだ会ったもん! 」
衝撃の発言に、Mさんは耳を疑いました。

「じゃあママは今日どこ行ってるの?」
「ママはお仕事に行ってるんだよ! あ、でも言っちゃいけないんだった……」

ママ友の子は慌てて口を押さえましたが、もう後の祭りです。
Mさんがお迎えにきたママ友を捕まえて問いただすと、なんとママ友はMさんに子どもを預けて、フルタイムで働いていたというのです。

「学童に預けるとお金がかかるから……ごめんなさい」
ママ友は平謝りでしたが、Mさんはもう子どもを預からないことを告げて、そのママ友とは距離を置いたそうです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子