先日、知人は電車で知らない人からジーっと見つめられ続けたそうです。なんだか怖いですよね。ですが、その見つめられていた理由は意外なものでした。今回はそんな知人から聞いたエピソードをご紹介します。

電車で『なんか見られてる?!』

先日、ひとりで電車に乗っていたときのこと。空いている座席に座ってボーっとしていたら、なんだか対面に座っている人が気になりました。

その人は中年の女性なのですが、なんだか私のことをジッと見ている気がするのです。そちらに目をやると目がばっちり合い、その瞬間にそらされました。

理由がわからなくて不気味!

一度そう思うと、気になって仕方がなくなってしまいます。

目の端でちらっと見ると、やっぱりこっちを見ているようです。でも私が目を合わせると、すぐにそらされます。これが何度か繰り返されました。
こちらを見ていることは明らかでした。『知り合いだったかな?』とか『もしかしてメイク崩れてる?』と考えてみたものの、理由がわかりません。

いくら同性と言っても、理由がわからない状態で知らない人からジロジロ見られるのはなんだか不気味でした。私はもうその女性と目を合わせないようにし、もうすぐ到着する目的の駅まで下を向いてジッと耐えていました。

下車した瞬間

ドアが開いた瞬間、即座に下車した私。するとうしろから「すみません」と女性の声が。

ドキッとしました。
うしろを振り返ったら、あの中年女性でした。

ごめんなさい!!

「はい……」と怯えながら返事をすると、女性が「これ、あなたのではないですか?」と何かを差し出しました。

それは私の定期券でした。

「あなたの足元に落ちているのに気がついたのですが、もし違ったらと思うと声をかけるタイミングを逃してしまって」

どうやら、私の落としていた定期券が気になり、声をかけようか悩んでいた結果、ジッと私を見ていたそうです。

不気味だと思い込んでしまっていたこの方は、実はただただ親切な人でした。それを知って、『私はなんて失礼なことを思っていたのだ』ととても申し訳ない気持ちになりました。

まとめ

一度「不気味」と感じてしまうと、なかなか「もしかしたら親切な人かも」なんて想像するのは難しいですよね。ですが、思い込みの中にはこのような誤解もあるかもしれない、ということだけでも心にとめておきたいものです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:橘るい