筆者のママ友の同僚Kさんは、息子3人を持つ母親です。子どもたちが思春期のころは、きつい言葉で反抗されたり、家に帰ってこなくなったりで苦労しました。今回はそんなKさんから聞いた、現在社会人1年目の次男が、高校時代の頃に起きた心温まるエピソードをご紹介します。

家では全くしゃべらない次男

次男は、思春期の男の子によくありがちな、家では全くしゃべらない子でした。

Kさんが「最近、学校どう?」「友達とはうまくいってるの?」と声をかけても、いつも無視。

それでもKさんは、なんとか次男とコミュニケーションを取ろうと考え、お弁当にメッセージを添えることを思いつきました。

次男のお弁当にメッセージを添える母

付箋に『お疲れ! 午後からも頑張って!』『時間なくて、冷凍食品ばっかりでごめん!』『毎日、綺麗に食べてくれてありがとう』など、たわいもないことを一言書いてお弁当の蓋の上に貼り付けました。

もちろん次男から返事が来ることはありませんでしたが、Kさんは毎日欠かさずメッセージを添え続けました。

勉強机の引き出しに、お菓子の箱を発見! 中身はなんと……

高校卒業が近づいたある日、県外の大学へ進学する次男は家を出る準備をしていました。

Kさんも一緒に荷物をまとめていると、次男の勉強机の引き出しに、お菓子の箱を3つ見つけました。

Kさんが「こんなところにお菓子隠してたんだ〜かわいいところもあるじゃん」と思いながら箱を手に取ると、なんと中には大量の付箋が入っていたんです。

実は次男は、3年間Kさんがお弁当に添えていた付箋を全て大切に保管してくれていたのです。

この時、たまたま次男は近くにはいませんでした。

Kさんは、嬉しくて泣き出しそうになるのを必死に堪え、箱をそっと引き出しに戻しました。

大学卒業のとき次男から感謝を伝えられ→母、号泣

それから4年後、大学を卒業し社会人になる次男が今まで育ててくれたお礼を伝えてくれました。

その時「実は、高校時代に母ちゃんが弁当に貼り付けてくれた付箋、全部取ってるわ。毎日、俺のことを気にかけてくれて嬉しかった。高校生の時は恥ずかしくて言えなかったけど、母ちゃんありがとう」と感謝の言葉を言ってくれたんです。

Kさんは、嬉しくて号泣しながら、次男を抱きしめました。

子どもが思春期になると、コミュニケーションが難しくなる場面も増えます。

そんな時でも、Kさんのように諦めずに子どもへ愛情を伝え続けることは大切ですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:広田あや子