友人K子から聞いた話です。姑の生き甲斐は、嫁いびり! 年末、K子一人でおせちを作らせるほどの鬼姑です。ある年のお正月、嫁いびりに弱りきったK子の目の前に、女神様が降臨しました。
姑「おせちは手作り以外認めない!」
嫁いびりの中で、K子の一番のストレスはおせち作り!
数年前、手作りよりもプロの方が家族も喜ぶだろうし、おせちは高級ホテルに注文したい! とお願いしたところ……。
姑から「そんな手抜きはダメ! 家族のために料理するのも嫌なの!? ダメな嫁ね」と酷いことを言われ、それからは毎年徹夜でおせちを作っていました。
おせちを食べることも許されない嫁
ある年のこと、おせちを家族と囲み、食べようとした瞬間。
姑から「ずっと黙ってたんだけど、嫁は一番下の立場でしょ。だから、家族が食べ終わった後に食べなさい!」と罵声を浴びせられたのです。
姑の言葉に、K子は「はい」と小さく頷き、リビングを出て行きました。
自分で作ったおせちを家族と食べることも許されないんだと思うと、悔しくて涙が止まりません。
しかも、意地悪な姑のことです。
嫁におせちを残してくれるわけもなく、結局K子は一口も食べられませんでした。
お隣の奥さんが桐箱を持って現れた
数時間後、お隣の奥さんが見るからに立派な桐箱を持ってやってきました。
そして「これよかったら、食べてちょうだい」と差し出してきたのです。
あっけに取られるK子。
すると奥さんは「実は息子家族が帰ってくるはずだったんだけど、年末におチビちゃんたちがインフルエンザにかかってね〜帰省やめちゃったの」と教えてくれました。
奥さんは奮発し一流ホテルのおせちを予約していたんだとか。
もちろん直前のキャンセルができず、夫婦だけで5人前のおせちは食べきれないので……とのことで、お裾分けしてくれたのです!
女神様の登場で『高級おせち』を独り占め!
ちょうど、K子以外の家族は満腹だった上に、おせちに飽きてきた頃でした。
K子は、お隣の奥さんから快くおせちを受け取り「腐ると悪いので、私がいただきますね!」と言って、一人で高級おせちを満喫したのでした。
K子はこの時、お隣の奥さんが女神様に見えたと話してくれました。
もしかすると嫁いびりに気づいていて、K子を助けてくれたのかもしれませんね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:広田あや子