今回は筆者が知人から聞いたお話を紹介します。50代半ばになり、同じ話を繰り返すようになった旦那を「まだ若いし」と放置していたら、脳検査によって衝撃の事実が発覚して……!?
旦那にかすかな異変……そのまま放置していたら、事件が!?
私は60歳を目前にした主婦です。子供も家を出て、これから同い年の旦那と「2人で老後を満喫しよう」と話していた矢先、ある出来事が起こりました。
50代半ばくらいから、同じ話を繰り返ししてくることが増えた旦那。しかし、もの忘れなどの他の症状はありませんでしたし、何より私たちは認知症にはまだ早い年齢だと思っていました。
そのため、旦那が同じ話をしてきても、「その話、昨日も聞いたよ〜! 最近同じ話多くない?」と笑い飛ばしていたのです。
しかし2人で一緒にショッピングモールに行った時、信じられないことが起こりました。
買いたい商品を物色していた私が、「この商品買っていい?」と話しかけようとして旦那に目をやると、なんと旦那が会計が済んでいない商品をカバンに入れようとしていたのです!
その時は私が「何やってるの!」とすぐに止めに入ったため、事なきを得ました。
しかし旦那に、なぜそんなことをしたのか聞いても、「自分でも全くわからない」と言うばかり。
そして「また変な行動をとってしまうのではないか」という恐怖から、仕事に行く以外は全く出かけなくなってしまった旦那は、次第に元気をなくしていきました。
見かねた私は、旦那に脳検査に行くよう勧めました。そしてその検査結果によって、私たちは老後の計画を大きく変更することになったのです。
脳検査の結果で驚きの結果が
旦那は脳検査で「ピック病」と診断されました。ピック病とは、前頭側頭が萎縮して起こる認知症で、60代までの比較的若い人がかかることも多いそうです。
未会計の商品をカバンに入れてしまったのは、「理性的な行動ができなくなる」という症状からきた行動で、今後は家族の理解と付き添いが必要だと医師から言われました。
まさかこんなに早く、旦那の介護問題が降りかかると思いませんでした。
しかし「同じ話や行動を咎めない」「外出をする時は必ず私が同行する」など、いくつかルールを決めたことで、今のところは大きな事件もなく生活できています。
旦那も私も仕事を早めに退職することにしたので、生活費の不安がありましたが、フィナンシャルプランナーに相談したところ、貯蓄や退職金などを運用することで賄えそうです。
当初の予定からはかけ離れた老後になりそうですが、なんとかやっていけそうなことがわかった時にはホッとしました。
最後に
「自分は大丈夫」と思っていても、いつ何が起こるかわからないものですね。この話を聞いて、私も将来のために備えることの大切さを感じました。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N