私の知人Aさんは、最近長年の結婚生活に終止符を打ちました。そのきっかけとなったのは娘の結婚。Aさんは娘の夫を見ていて、自分の夫がモラハラだったことに気がつき……。
「幸せになってね」娘の結婚
Aさんは先日結婚したばかりの娘夫婦の家に招かれて、お茶を飲んでいました。すると、Aさんはあることに気がつきます。
それは娘ではなく、娘の夫Cくんが甲斐甲斐しくAさんをもてなしてくれることです。使った調理器具や食器はすぐにCくんが洗い、Aさんが買っていったケーキもCくんが切り分けてくれました。
娘はずっと座ってAさんと話をしているだけ。Aさんは娘夫婦の様子を見ていると心配になってきました。
「こんなの当たり前」って本当に?
A「あなた何でもCくんにやらせて大丈夫なの? そんなんじゃ愛想尽かされちゃうわよ」
Aさんの言葉を娘は笑い飛ばします。
娘「何言ってるのお母さん。こんなことで愛想尽かされるなんてありえないって!」
C「そうですよ。これくらい当たり前ですよ」
娘夫婦によると女だから男だからといって関係なく、お互いに家事をするのが令和のスタンダードだとのこと。「お母さんたちみたいな夫婦のスタイルなんて私には無理!」とまで言われてしまい、Aさんは娘は良い夫を見つけたなあと思いました。
もしかしてうちの夫ってモラハラ……?
Aさんが帰宅すると夫はおかえりも言わず、座ったまま「お茶」とAさんに言います。これまで当たり前の光景だったはずですが、今日のAさんはこれに違和感を覚えてしまいました。
「帰ってきたばかりの妻に挨拶もせずにお茶を注がせるなんて、私のこと人だと思ってるのかしら?」
Cくんを見た後だと余計に夫の態度のひどさが目に付きます。Aさんはいい機会だと思い、夫にも娘の家で見てきたことを話しました。そして、もう少し家事を手伝ってほしいと夫に伝えたのです。しかし、夫は「バカバカしい」と言っただけだったのです。
これ以上やっていくのは無理!
Aさんは夫の態度を見ていてゾッとしました。「このままこの人と結婚生活を続けていたら、私は一生奴隷みたいに暮らしていくんだ」そう思ったAさんはすぐに離婚について調べ始めました。
娘に相談しても離婚を反対されるどころか応援される始末。金銭的にも何とかやっていけそうだったので、Aさんは30年の結婚生活にピリオドを打ったのです。
プライドだけは高い夫はAさんを引き止めることもせず、「お前1人でやっていけるわけがない!」と暴言を吐き離婚を了承。その後、1人では何もできずに汚屋敷に住んでいるそうです。
一方のAさんは長年のストレスから解放され、いきいきと暮らしています。新しい時代の新しい価値観が誰かを解き放つこともあるのですね。
ltnライター:安藤こげ茶