在宅ワークが増えた影響で、地方への移住を考える人が増えてきました。地方のほうが家賃や物価が安い傾向のため、のびのびと暮らしやすいのが田舎暮らしのメリットです。では、収入や生活コストの観点で実際にお金を貯められるのは、田舎暮らしと都会暮らしのどちらなのでしょうか?

■年収は田舎よりも都会のほうが高い

総務省が公表している2021年の「家計調査」によると2021年度の全国の平均年収(二人以上世帯)は633万円でした。最も年収が多かった県庁所在地に都市は、埼玉県さいたま市の818万円で、最下位の沖縄県那覇市が471万円ですから、なんと約347万円もの収入差があることになります。

都会を見ると大阪府大阪市(564万円)を除く愛知県名古屋市(682万円)・福岡県福岡市(692万円)などは軒並み平均を上回っている状態です。富山県富山市(677万円)や岐阜県岐阜市(669万円)、石川県金沢市(682万円)のように地方でも大きく平均を上回っている地方もあります。

しかし全体的に見て年収は都会のほうが高いといえるでしょう。

■貯蓄額は東京がトップ!地方でも多いところもある

総務省の同調査によると2021年の貯蓄額の全国平均は1,880万円でした。都道府県庁のある都市別の貯蓄額トップ10は以下の通りです。

順位 都市名 平均貯蓄額
1位 東京都区部 2,621万円
2位 奈良県奈良市 2,538万円
3位 愛知県名古屋市 2,487万円
4位 千葉県千葉市 2,447万円
5位 京都府京都市 2,290万円
6位 岐阜県岐阜市 2,208万円
7位 神奈川県横浜市 2,180万円
8位 静岡県浜松市 2,070万円
9位 滋賀県大津市 2,041万円
10位 徳島県徳島市 2,011万円

1位は、東京都区部の2,621万円で千葉市や横浜市といった首都圏と名古屋市などがトップ10にランクインしています。

一方地方では、2位の奈良市(2,538万円)を筆頭に、岐阜市や浜松市、大津市、徳島市がトップ10入りしました。この結果から、必ずしも都会ばかりが貯蓄額が多いわけではないことがうかがえます。

また年収が高ければ貯蓄が多い傾向にあるものの、全国平均より年収が低い徳島市(594万円)もトップ10にランクインしており、貯蓄額には地域的な要因もあるといえるでしょう。

■都会と田舎の平均支出の差

いくら年収が高かったとしても生活費となる支出が多ければ貯蓄はできません。そこで総務省の「家計調査(家計収支編)」をもとに大都市と地方都市の支出を比較してみました。

2021年の全国平均の消費支出は約334万円で、都道府県別に見ると年収トップの東京都区部は約387万円、年収最下位の那覇市は約274万円で消費支出の差は約113万円です。

つまり都会と田舎を比べても年収の差ほど支出の差はありません。

■収入の多い都会暮らしのほうがお金を貯めやすい

総務省の「家計調査」のデータから考えると都会と地方では収入ほど支出に大きな差がありません。そのため収入の高い都会に暮らしたほうがお金を貯めやすいといえます。また地方暮らしで収入アップを図るよりも都会暮らしで節約して生活コストを抑えるほうが実現しやすいのではないでしょうか。

文・藤野こと(ライター)