思いがけず金銭トラブルに巻き込まれそうになったことはありませんか?
今回はそんな危険を感じたエピソードについてfuelle編集部が取材しました。
■初めての新車購入での交渉で…
2010年の夏、転勤を期にマイカーが必要になったため、ディーラーに行って新車購入の契約を進めていた時の話です。平日のお昼頃のことでした。
当時、私にとって新車を買うのは初めての経験でした。値引きのルールや交渉の仕方などの知識がなく、少しでも事前に知っておこうと、インターネットで相場を調べてからお店に行きました。
ちょうど私を担当してくれたのがそのディーラーの店長で、「店長権限で多めに値引きできますよ!」と提案してくれました。期待して具体的な金額を尋ねると、確かに提示された値引き額は事前に調べた相場より多めに値引きされていたようでした。
私は店長に当たって運が良かったと満足し、新車を購入するつもりで頭金を振り込み、ローンの支払い契約書にサインして帰宅しました。
不慣れな交渉にすっかり疲れていた私は、正常な判断力を失っていたのかもしれません。その後に店長からかかってきた電話に対して慌てるばかりで、今になって思い返すと対応を間違えてしまったような気がするのです。
店長からの電話は「すみませんが、やっぱり値引きはできなくなりました」というものでした。
すでに値引き後の額で支払い契約も交わしているはずなので、突然の言葉に完全に慌ててしまった私はそのときの会話を正確には覚えていません。
最終的に、「値引きができない代わりに、オプションで購入予定のスタッドレスタイヤを一番良い物にする」という内容でOKしてしまいました。
そして、実際に冬が近くなった頃に渡されたスタッドレスタイヤは、特に高級品ではなく普通の値段の物でした。
実質、値引きは書面だけで、支払い自体は値引き無しの金額になってしまったのです。
これは詐欺にはならないのかと、未だに悩んでいます。
(40代・男性)
■給与未払いのまま、社長がまさかの夜逃げ
私の友人が働いていた会社のエピソードです。
福祉事業を営んでいたその会社では、資金がショートしてしまい従業員への給与が払えなくなりました。
売上は下がったものの利用者などがいる関係で事業そのものは安定しており、簡単に廃業することも出来ないため、私の友人を含めて全ての従業員に対し給与の支払いを待ってもらっていたそうです。
しかし、この資金ショートの実態は後から教えられたそうで、給与が振り込まれなかった時点では「銀行のせいで給与の支払いができない」ということになっていたとのこと。
給与の支払いを待ち始めてから一ヶ月後、本来であれば二ヶ月分の給与が振り込まれるはずのタイミングでしたが、給与は一ヶ月分しか振り込まれていませんでした。
一ヶ月分の未払い給与の支払いは、その後もありませんでした。
そうこうしているうちに、ある日会社の社長が会社のお金を持って夜逃げしてしまい、従業員だけが取り残されてしまいました。
もちろん警察には相談はしましたが、夜逃げしたという証明や、そもそもその社長がお金を横領したという証明が難しい、仮に会社のお金を横領していたとしても、本当にそのお金を全て私的に使っていたという証拠を掴むのが困難…などの理由で、被害届を出すのは難しいと言われてしまったそうです。
夜逃げもしているので、裁判を起こそうにも、どこで何をしているのか分からない。また、夜逃げをするぐらい切羽詰まった状態の人に、裁判で勝っても支払い能力がないという点から、裁判をしても時間の無駄だろう。従業員同士の話し合いの結果、そのような結論になったようです。
その後、私の友人含め従業員は全員、会社に辞表を置いて、大家に任せることにしたそうです。
給与は結局未払いのままです。
(20代・男性)
■ねずみ講に誘ってくる高校の友人
社会人1年目の秋のこと、高校の同級生で仲良くしていた友人に騙されそうになった話です。
急にその友人から「元気にやってる?仕事は順調?」とのSNSのメッセージがありました。
コロナの影響が凄まじく大きく、業界的にも大打撃を受けた職種だったので、素直にそのことを伝えました。
高校生の頃、その友人とは比較的仲良くしていた方だったので、疑いもなく返信した形です。
すると、「新しい職場を紹介してあげる、久しぶりにランチでもどう?」という流れになり、私の方も時間があったので賛成し、ランチに行くことになりました。
数年ぶりに会った友人とは、高校の時の思い出話に花を咲かせたりして、最初はとても楽しく話をしていました。
次第に悩み相談、つまり今の仕事や給料の話になりました。
コロナ禍で職場の勤務体制が変わったこと、週に数日働かない日があり、それに伴って給料の額面が減ってしまったこと、転職しようか迷っていることなど、私の相談をしました。
友人は事前に約束していた通り、コロナの影響が比較的少ない仕事や、リモートワークで働ける環境のある職場をいくつか紹介してくれました。
そこまでは普通の会社を案内してくれたのですが、一番最後にお勧めしてくれたのがいわゆる「ねずみ講」の勧めでした。
今思い出せば、完全に詐欺だったのですが、話をしていたときはまさか自分がねずみ講に荷担する寸前にいるとは思いもしませんでした。
その日はまだ前職を退職していなかったため、話を持ち帰ると伝えて解散しました。
幸いなことに他の知り合いに詐欺であることを教えてもらい、詐欺に荷担せずに済む結果に終えられましたが、人生が終わる前に気づけて良かったです。
(20代・女性)
■金銭トラブルは意外に身近
今回は、意外に身近な金銭トラブルのエピソードについてまとめました。
金銭トラブルに巻き込まれないよう、最低限のお金の知識はつけておきたいですね。
文・fuelle編集部