あけましておめでとうございます。

 とっくに2020年の世の中は動き始めている中で、今さら感はありますが、『あれからこれから』を今年もよろしくお願いします。

 ところで。2019年の日本レコード大賞はFoorinの「パプリカ」でしたね。そこは異論の少ないところかと思いますが、ノミネートおよび優秀作品賞などを見るに「嵐いないじゃん?」「髭男は?」「アニソンないやん」などなど、人それぞれ納得いかん! と感じる方もいらっしゃるでしょう。

 とはいえ、いまや音楽業界と一言でいっても、演歌からパンク、メタル、テクノ、アニソンにアイドル、その他いろいろと、特に主流、傍流ということもなく、それぞれがそれぞれの場所でしっかり根付いて花開いている、そんな時代です。どう比較してそこに優劣をつけるのか、というのも難しい問題です。今やCDの売り上げというものさえ、楽曲がどれだけ世の中に愛されているかという指標にはならない時代ですから。

 昭和の時代は明確に主流としての歌謡曲、それに対抗するカウンターカルチャーとしてのフォークやロック、という構図がありました。主流が明確でこそ、カウンターカルチャーの熱気が高まるという要素もあります。巨人が強ければ強いほど、アンチ巨人の人たちが燃えるというわけですね。

 ですが、今は世界的な傾向として、音楽において明確に主流と呼べるものも、カウンターカルチャーと呼ぶべき存在もありません。かつては明らかに日陰者的扱いだったアニメ系が、いまや日本が世界に誇る文化であったりします。こういった音楽ジャンル的には百花繚乱ともいうべき状態の象徴として、2019年の紅白歌合戦は、私にはとても面白かったです。

 出演者は演歌歌手からKISSまで、そこに筋肉体操、オリンピック、アニメと、まあほとんど闇鍋みたいなぶち込み方でした。中でも現在のそんな音楽業界のあり方の象徴として圧巻だったのが氷川きよしさんでしたね。演歌とアニソン、ロックなシャウトという、いかにも食い合わせの悪そうな要素が無理なく“氷川きよし”というエンターテインメントに集約されていました。

 今後も紅白歌合戦は“祭り”として、とことん派手な闇鍋を展開していってほしいと思います。私は『ゆく年くる年』に変わる瞬間が子供の頃から大好きなのですが、祭りが派手であればあるほど、あの静寂がいとおしく感じられるものではないでしょうか。

 と、徒然なるままにPCにむかひて書きなぐっておりますが、今年もよろしくお願いします。

 ■織田哲郎(おだ・てつろう) シンガーソングライター、作曲家、プロデューサー。1958年3月11日生まれ。東京都出身。現在「オダテツ3分トーキング」をYouTubeで配信中(毎週土曜日更新)。

 2月9日(日)に「東北復幸祭2020」コンサートに出演。観覧者応募中(1月27日まで)。

 弦カルテットとの共演による『幻奏夜IV』は2月16日(日)=東京・丸の内コットンクラブ▽23日(日)=名古屋ブルーノート▽同24日(月祝)=ビルボード大阪−で開催。一般予約を受付中。さらに同29日(土)には「幻奏夜+」を下関市民会館大ホールで開催。詳しくは公式サイトt−oda.jpへ。