ロッテ・佐々木朗希投手(22)が17日、日本ハム戦(ZOZOマリン)に先発し8回1失点。今季最速の162キロ&最多12三振を奪ったが相手ベンチが仕掛ける揺さぶりへの対処は急務だ。

この日は初回からフォークで2三振を奪うと、2回には160キロ台を連発し、変化球とのコンビネーションを駆使して今季対戦成績1勝7敗の日本ハム打線を手玉に取った。ところが4回、先頭の松本剛に自らのカバーが遅れて初安打を許すと、そこから二盗、三盗を決められピンチに。それでも後続を断ち難を逃れた。7回には犠飛で同点に追いつかれ、8回限りで降板。それでも試合後は「自分らしい投球ができた。次につながる」と手応えを口にした。

10日の日本ハム戦(エスコン)は初めて踏んだマウンドが合わず5回⅔を投げて自己ワーストタイ5失点KO、ベンチでは珍しく感情をあらわにする場面もあった。その一因は水野、野村に計3盗塁を許しペースを乱されたことにある。中6日で迎えた一戦ではフォーム修正に成功したが、同じ盗塁数を許したことは見過ごせない。

他球団からは「力勝負のパ・リーグでは少ない戦法だが、日本ハムは佐々木を崩す手本のような攻め方を成功させた。クイック投球が得意じゃないのはみな知っているが、オーソドックスに足でかき回すのが最も効果がある証拠」。今月末から交流戦で戦うセ・リーグ球団も「追随するところが出てくる」とみる。

今季はフォームを改良しながら省エネ投法で長いイニングを投げて、一歩ずつ大リーグ移籍実現に向けて必死だが弱点を克服しなければ、ネット裏に集まった10球団のメジャースカウト陣の表情も曇ってしまいかねない。 (山戸英州)

■ロッテ―日本ハム10回戦(日本ハム8勝1敗1分、18時、ZOZOマリンスタジアム、2万7973人)

日本ハム000000100000−1

ロッテ000100000000−1

(延長十二回規定により引き分け)