進学から一転「プロ入り」表明…吉田“心変わり”で振り回された大人たち 八戸学院大監督「もっと早く言ってほしかった」

進学から一転「プロ入り」表明…吉田“心変わり”で振り回された大人たち 八戸学院大監督「もっと早く言ってほしかった」

 今夏甲子園大会準優勝右腕でドラフト1位候補の金足農・吉田輝星投手(3年)が10日、秋田市内の同校で会見を開き、プロ志望届を提出したことを明かした。

 「チームとして甲子園で力を発揮して勝ち進んでいく中で自信につながって、大学への進学から元々の夢だったプロに行きたいという気持ちに変わっていった」

 緊張気味の面持ちで心境の変化を口にした。7月の秋田県大会の時点では青森・八戸学院大への進学を決めていたが、甲子園での大ブレークとともにプロの評価も2、3位クラスから急上昇。会見前の時点でプロ9球団から調査書の記入依頼が寄せられ、地元東北の楽天、横浜DeNA、阪神などの1位指名が有力視されている。

 本人が「好きな球団」と公言した巨人への気持ちは封印した。「特定の球団に関する質問はご遠慮ください」と司会者から事前に要請があったにもかかわらず、民放テレビ局アナウンサーが「以前は巨人が好きと言っていたが、気持ちに変化はないか」とド直球のNG質問を投げ掛け、即刻打ち切られる一幕も。

 吉田が決断を下したのは福井国体を終えて秋田に戻った翌日の4日。両親とともに野球部の中泉一豊監督(46)、前監督の嶋崎久美氏(70)、渡辺勉校長と話し合い、プロ入りへの強い決意を明かした。

 中泉監督は翌5日に渡辺校長と共に八戸学院大に足を運び、吉田が昨年10月から指導を受けていた正村公弘監督(55)に進学断念の意志を伝えた。

 「やはり恩がありましたから。甲子園期間中も何度か正村監督とやりとりをして、(進学の意志を)確認していた。甲子園が終わってからですかね、吉田が自信を付けてプロに対する気持ちが強くなってきたと感じたのは…」と中泉監督。

 「正村監督は『もっと早く(心変わりを)言ってほしかった』とおっしゃっていて、報告が遅くなってしまったのは本当に申し訳なかったと思っています。ですが、最後は受け入れてくださった」というとおり、大学側にも事情がある。

 大学の野球部入部を前提とした推薦入学の“内々定”は、高校3年の6月に決まることが多い。まさに吉田が八戸学院大に決めたのが、いわゆる“野球推薦”の一般的な時期。だが、今回の吉田のように推薦入試が行われる直前での進学辞退は、代わりの人材確保がままならないという。

 中泉監督に正村監督を紹介した嶋崎氏は「吉田君を先例に金足農から八戸学院大への進学の道が開けていたが、そこがなくなったのは残念」と悔しがった。

 プロで元気に躍動する姿を見せることが、奔走してくれた周囲への何よりの恩返しとなるのは間違いない。(片岡将)


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