一目見ただけで心がほっこりすると口コミで評判が広がり、感謝や喜びを伝えるコミュニケーションツールとして話題の「笑い文字」。デザインが採用された郵便切手が即日完売、2018年には文部科学大臣賞を授賞し、ますます注目が高まっている。このたび、「笑い文字」を習得したいという人々のニーズに応え、「想いが伝わる笑い文字レッスン」(かんき出版)を出版した廣江まさみさんに、「笑い文字」の普及活動に込められた想いを聞いた。 (構成◎丸山あかね 撮影:本社◎奥西義和)

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「笑い文字」で愛の循環を広めたい

先日、ある会合の席で見知らぬ方が「笑い文字であなたの名前を書いてもいいですか」と声をかけてくださいました。その方は私が創始者だとはご存じなかったわけですが、それだけに「笑い文字が広まっている」と嬉しくて。さらに笑い文字が取り持つ人のご縁を実感し、なんともいえない幸せな気持ちになりました。

通常、筆文字というのは書いて完成しますが、「笑い文字」の定義は、「書いて半分、渡して完成」。つまり感謝の想いを書いたら必ず相手に手渡すというところがポイントなのです。

家族や身近な人への感謝の気持ちは多くの人が日常の中で伝えていない、あるいは伝えきれていない想いを抱えているのではないでしょうか。伝える習慣がなかったり、素直になれなかったり、照れくさかったりするのかもしれません。

その点「笑い文字」は「これ可愛いでしょ、ちょっと書いてみたの」と言いながら、さりげなく渡すことができる。でも笑顔と想いはちゃんと相手の心にダイレクトに伝わる。ここに広がりの理由があると分析しています。

笑い文字の大きな魅力は、手書きであること。笑い文字はシンプルなので、コツさえつかめば誰でも書くことができ、「ありがとう」としたためるのに3分とかかりません。とはいえ、自分の時間をプレゼントするという気持ちは尊いもの。贈られた人に、「あなたに感謝してる」「あなたを喜ばせたい」という想いは必ず伝わります。

そして、相手が喜んでくれれば渡した人の心も弾みます。するとまた想いを伝えたくなるのです。想いを受け取った人も「こういう方法があったのか」と気づいて自分もやってみたくなるかもしれません。カフェのカウンターに飾られた笑い文字を見て、微笑ましい気持ちになる人もいることでしょう。冷蔵庫に貼ったら家族が見て優しい気持ちになったら嬉しいですね。笑い文字が広がれば、笑顔のつながりが生まれる。この愛の循環をもっともっと広めたいという一念で、私は活動を続けてきました。


『想いが伝わる――笑い文字レッスン』(著:廣江まさみ/かんき出版)より