80代の男性と「感情」に関する話をしたというマリさん。男性は感情によるエネルギー消費を避ける傾向にあるのに、対して女性は――。(文・写真=ヤマザキマリ)

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感情というエネルギー

ある80代の男性の友人曰く、「男は年齢を重ねるごとに性格がどんどん丸くなっていく」ものであり、「気に食わないことがあればがむしゃらに刃向かっていたような若い頃にはもう戻れないし、戻りたいとも思わない」のだそうだ。

たとえば、妻の言動に若干の不条理を感じたとしても、それに対して意見を口にしたり争ったりすることはない。黙って言い分を受け入れ、従ってさえいれば、自分の心も生活も穏やかになる。不平不満を言うようなエネルギーの浪費は避けるに越したことはない。

さらに不平不満のような負の感情のみではなく、素敵な人との出会いがあっても、「恋愛感情も疲れる」ので極力避ける。それこそ妻に勘ぐられたりしたらとんでもなく面倒なことになるし、平穏無事に人生を締めくくるためには、妻の機嫌の維持を何よりも優先。

ピカソやベルルスコーニやアル・パチーノのように、年配になっても恋愛力を稼働できる男たちの体力や精神力は非凡な例なのだそうだ。