厚生労働省が発表した令和3年度の医療施設調査によると、全国の医療施設は 180,396 施設で、前年に比べ 1,672 施設増加しているとのこと。20床以上の病床を有する「病院」は33 施設減少している一方で、19床以下の病床を有する「一般診療所」は 1,680 施設の増加となりました。「一般診療所」が増える中、小児科医として開業した松永正訓先生が、開業医の実態を赤裸々に明かします。今回は、患者がもつ医療に対する不信感ついて。一般の人の中には、医療に対して疑心暗鬼になっている人も多いとのことで――。

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「薬に頼るんですか!?」

最近では便秘に関して親から文句を言われた。便秘の子どもは実に多い。3歳未満の子が慢性便秘の状態になると、排便の自立が遅れるので非常に厄介である。大人は便秘を自覚すると自分でドラッグストアへ行って薬を購入し何とか解決するが、子どもの便秘はどこまでも悪くなる。

便が溜まりすぎて大腸が伸び切り、その結果腸の動きを完全に失って回復不可能になることすらある。千葉県こども病院の小児外科では、こうした子どもの大腸を切除する手術を行ったこともある。便秘を甘く見てはいけない。

2歳の男の子を連れて母親が受診した。「どうしましたか?」と尋ねると「うちの子、便秘なんです」と言う。

こういうときぼくは、その便秘がいつから始まっているか、つまり慢性的に経過しているかを確認する。そしてその便秘によってお腹が痛いとか排便時に肛門痛があるとか、日常生活に悪影響がでているかを尋ねる。母親の答えはいずれも「はい、そうです」だった。

診察台に横になってもらい、お腹を触診した後で、ぼくは母親になぜ便秘を治療しないといけないかを説明し始めた。ポイントは2点である。

・直腸に便がたまる→水分が吸収されて便が硬くなる→排便時に肛門が痛くなる→便をがまんするようになる→さらに直腸に便がたまる
・直腸に便がたまる→直腸が伸びる→腸の感覚が鈍る→便意を感じなくなる→さらに直腸に便がたまる

つまり悪循環の二重苦である。この悪循環を断ち切るには、いかなる手段を使ってもいいから便を出すことだ。常に直腸を空にしておけば、便が出やすくなる。